昨日は、Day 35 で「外から入ってくるもの」——会社の利益、借り手の利子——を投資の真ん中の根拠と見ました。 その末尾で、それはどうやって私たちの手元まで運ばれてくるのか、私たちと借り手の間には誰かが立っている、と書きました。
今日は、その「誰か」を見ます。 Day 12 で「銀行がなぜその差を取れるのか、役割そのものは Day 36 で」と予告した回です。

カナ「昨日の『外から入ってくるもの』の利子って、銀行が自分のお金から払ってくれてるんですよね?」
違います。 銀行が払う利子の元の大きな部分は、銀行が誰かに貸したり国債を持ったりして受け取った利子です。 あなたの100万円は、通帳の中で寝ているのではなく、銀行の向こう側で誰かが借りています。 今日はその向こう側を見ます。

カナ「じゃあ銀行は、私の100万円をどこかに貸して、差を全部もらってるんですか。ずるくないですか」
差をもらっているのは本当です。 貸出の平均は1.452%、普通預金は0.400%。 差は1.052ポイント。ただし「全部もらっている」の「全部」が何と引き換えかを見ないと、ずるいかどうかは言えません。 ここが今日の話です。

カナ「1.452%で貸して0.400%しか払わないなら、差の1.052%は丸取りじゃ……」
サトル「差は丸取りじゃない。銀行は間に立って3つを引き受けている。額と、期間と、返ってこない危険だ。カナがいつでも引き出せて、額面が減らないのは、その差で銀行が幅を吸い込んでいるからだ。」
種明かしです。
金融機関の役割は、「間に立つ」ことです。 お金を貸したい人(預ける人)と、借りたい人(会社や住宅ローンの人)は、そのままでは噛み合いません。 貸したい人は少額で、いつでも返してほしくて、相手が返せるか調べる手段がほとんどない。 借りたい人は大金を、何年もかけて借りたい。
銀行は、この噛み合わない3つを間で変えます。小口を集めて大口にし、いつでも出せる預金を長い貸出に変え、借り手を審査して返ってこない危険を自分でかぶる。 その結果、預けた側には「いつでも出せて、額面は減らない」——Day 28 の流動性と Day 33 の約束——が渡され、借り手の幅は、預けた人ではなく銀行に来る。 差の1.052ポイントの中に、その幅を吸い込む値段が入っています。

カナ「差って、幅を引き受けてもらう値段だったんですね」
そういうことです。 正確には「差の中に、その値段が入っている」——経費や銀行の利益も混ざる——ですが、カナの言い方で進めます。
ここからは、定義、3つの引き受け、間接金融と直接金融、そして私の100万円の間に誰が立っているかを、順に見ます。
金融機関の役割とは?
金融広報中央委員会「知るぽると」の用語集では、金融機関をこう説明しています。「資金を必要とする者と資金を貸す余裕のある者の間に立って資金の融通を仲介する銀行、証券会社、保険会社などの機関。」
日本の金融機関は中央銀行(日本銀行)、民間金融機関、公的金融機関の3つに大別され、民間金融機関には預金を扱う機関(普通銀行、信託銀行、信用金庫など)と預金を扱わない機関(保険会社、証券会社など)があります。
今日の主役は預金を扱う機関——銀行です。 理由は、読者の段1・段2——カナの下限(固定費×2)が置かれている場所——だからです。 日本銀行はDay 13「中央銀行の役割」で見ました。 証券会社・運用会社は、今日は「間に立つが、客の元本の幅は引き受けない側」として出てきます。 保険会社が何を引き受けているかは別の回で扱い、今日は触れません。
役割を一言で言えば、「間に立つ」。 ただし、ただ立っているのではありません。間で3つを変えています。
銀行が引き受けている3つ
①額。 あなたの100万円と、隣の人の30万円と、その隣の300万円を、銀行が集めて、会社に1億円、住宅を買う人に3,000万円として貸す。小口を大口に変えています。 あなた1人では、会社に1億円は貸せません。
②期間。 あなたの普通預金は、今日でも明日でも引き出せます(Day 28 の段1)。 でも住宅ローンは35年、会社への貸出は数年、返ってきません。いつでも出せるお金を、長く返ってこない貸出に変えています。 銀行がこれをできるのは、預けている人全員が同じ日に全額を引き出すことは、ふつう起きないからです。 ⚠️ 「ふつう起きない」が起きたときの話は、明日 Day 37「預金保険(ペイオフ)」で扱います。 今日は「期間を変えている」ことだけ押さえてください。
③返ってこない危険。 借り手が返せなくなることがあります。そのとき損をかぶるのは、預けたあなたではなく、銀行です。 銀行は貸す前に借り手を審査し、貸したあとも回収し、返ってこなかった分を自分の利益から埋めます。Day 31 の言い方なら、借り手の幅を、預けた人の代わりに銀行が引き受けている。 だから預けた側の幅はゼロに見え、Day 33 の「額面が減らないという約束」が出せます(銀行が倒れないかぎり。 その先は Day 37)。
⚠️ 用語を1つ。 この3つを、この連載では「引き受け」と呼びます。 教科書では「金融仲介機能」と呼ぶことが多い内容ですが、引き受けているものが何か——額・期間・返ってこない危険——が見えるほうを選びました。 証券会社の業務としての「引受」とは別の意味です。
差の中に、幅を吸い込む値段が入っている
ここが今日いちばん大事なところです。
Day 12 で、国内銀行が新規に貸し出した金利の平均は年1.452%(2026年6月)と書きました。 普通預金は0.400%。 差は1.052ポイント。 100万円あたり年10,520円です。
Day 12 の FAQ では「その差が銀行の収益です」とだけ書き、なぜその差を取れるのかは今日に送りました。 答えは、上の3つです。
差の中には、3つの引き受けの値段が入っています。 額を集める手間、期間を変えるための備え、そして返ってこなかった分を埋めるための取り分。 それに、人件費や店舗などの経費と、銀行自身の利益。どれがどれだけを占めるかの数字は、今日は出しません。 はっきり言えるのは、借り手の幅を吸い込む取り分が、この差の中に入っていることです。 銀行が「返ってこないかもしれない」を引き受けているから、あなたの通帳には幅ゼロ・額面保証が並びます(銀行が倒れないかぎり。 Day 37)。
⚠️ 差が「取りすぎ」か「妥当」かは、今日は判定しません。 差が何と引き換えかを見た、というだけです。なぜ政策金利1.0%が預金0.400%になるのか——銀行が何を見て0.400%という数字を決めているのか——は、Day 38「預金金利の決まり方」で正面から扱います。 今日は「差の中に、幅の値段が入っている」まで。
言い換えます。Day 33 で読んだ「約束」は、タダではありませんでした。 預金の元本保証は、銀行が差を受け取る代わりに、幅を引き受けているから出せる。 利子0.400%は、1.452%から、幅の値段を含む差を引いた残りです。
⚠️ 「払っている」の形に注意してください。あなたの財布からお金が出ていくのではなく、受け取る利子が小さい形で払っています。 そして1.452%は借り手が銀行に払う数字で、あなたが自分で受け取れる数字ではありません(あなた1人では会社に貸せない。 ①額)。 だから Day 29 の機会費用のように「1.452%を諦めた」とは数えません。
間接金融と直接金融——間に立つ人は、幅を引き受けるか
知るぽるとの用語集には、もう1つ今日に効く言葉があります。
「資金を必要とする企業や国などが、銀行などの第三者を介入させずに、社債・株式・公債を発行して、必要な資金を証券市場を通じ直接貸し手から調達することを直接金融、企業や政府が必要な資金を、銀行などの金融機関からの借り入れで調達することを間接金融という。」
Day 28 の段の地図に当てます。
- 段1・段2(預金) … 間接金融。銀行が間に立ち、3つを引き受け、幅を吸い込み、約束を出す。 その値段が差
- 段3(株式・投資信託) … 直接金融の側。証券会社や運用会社が間に立ちますが、幅は引き受けません。 会社の利益も、Day 31 の±19.19%も、そのまま持っている人に来る。Day 33 で「段3には約束がない」と読んだのは、間に立つ人も、お金を出した先(会社)も、幅を吸い込んでいないからでした。⚠️ 教科書では投資信託を間接金融に入れる分け方もあります。この連載では「間に立つ人が客の元本の幅を引き受けているか」で側を決めるので、投資信託は段3=引き受けない側に置きます
⚠️ 「間に立つ人がいる=安全」ではありません。 段3にも間に立つ人(証券会社・運用会社)はいます。でも彼らは幅を引き受けていない。 やっているのは手数料をもらって売買や運用を代行することで、元本が減ったときに埋めてはくれません。 間に立つ人を見たら、「この人は幅を引き受けているか、手数料だけか」を読んでください。 Day 33 の「①誰が約束しているか」と同じ問いです。
だから Day 35 の「外から入ってくるもの」は、2つの道で運ばれてきます。 銀行が間に立ち、幅を吸い込んで、残りを利子として渡す道(段1・段2)。 間に立つ人が幅を吸い込まず、利益も幅もそのまま渡す道(段3)。利子0.400%と、期待値4.8%(過去30年投影ケース。 Day 31・34)の差を読む軸の1つが、幅を誰が引き受けているかです。
リボがある人は、今日も関係ありません
Day 30 で負債の印をつけ、Day 31・Day 32 でリボがある人は段3を返済へと書きました。 今日の話で、リボの見え方が1つ変わります。
リボの15%は、あなたが借り手の側にいる金利です。 今日の3つで言えば、カード会社があなたの「返ってこない危険」を引き受け、15%の中にその値段が乗っている。 預ける側の0.400%と、借りる側の15%。間に立つ人から見て、あなたは両側にいます。 借りる側の値段のほうが、はるかに高い。だから返済が先——順番は Day 30 から変わりません。
カナは、いま段3を売ってリボを返しているところです。 今日の話はカナにとって、「借りる側の値段がなぜ高いのか」の答えの入口です。 カナの返ってこない危険の値段が、15%の中に乗っている。
私の100万円と、間に立つ人
この連載では、私が実際に100万円を1年間運用しています。
昨日、記録に足したのは「真ん中の根拠」の欄でした。
今日足すのは、「間に立つ人」の欄です。 私の100万円と借り手の間に、誰が立っていて、その人は幅を引き受けているか。
Day 6 で実質を併記、Day 7 で税引後、Day 8 で分母、Day 9 で元手の出どころ、Day 10 で自分の税率、Day 11 で住民税10%込み、Day 12 で預金の線、Day 13 で変化の原因の切り分け、Day 14 で通貨の内訳、Day 15 でドル建て、Day 16 で理論値だと断ること、Day 17 で通貨自体が割安だと明記すること、Day 18 で制度が動いた日付、Day 19 で書く順番、Day 20 で判定せず事実だけを残すこと、Day 21 で残高と流れを分けること、Day 22 で分子と分母のどちらが動いたかを書くこと、Day 23 で実質を何で割ったかを書くこと、Day 24 で引いた数字がどの版なのかを書くこと、Day 25 で運用の成績を黒字の日数に換算すること、Day 26 で「一度だけ決めたこと」と「その場で決めたこと」を分けること、Day 27 で生活防衛資金を運用の口座に混ぜないこと、Day 28 で現金になるまでの営業日数を書くこと、Day 29 で諦めた1つを書くこと、Day 30 で負債の側を書くこと、Day 31 で想定した幅の中か外かを書くこと、Day 32 で中身どうしの向きを書くこと、Day 33 で約束の範囲を書くこと、Day 34 で真ん中の欄を線の欄と分けること、Day 35 で真ん中の根拠を書くこと。
今日足すのは、間に立つ人を書くことです。
この欄は、今日書けます。 Day 33 で「元本保証:なし(100万円全額)」と書きました。 今日の言葉で言い直すと、私の100万円の間に立っている人は、幅を引き受けていません。 間に立って手数料をもらう人はいますが(誰が何を代行しているかは内訳の回で)、額面が減ったときに埋めてくれる人はいない。 幅は全部、私に来ます。
記録には、こう書きます。「間に立つ人:幅を引き受ける人なし。手数料をもらう人あり(誰が・いくらは内訳と手数料の回で)。」
⚠️ 正直に書きます。手数料がいくらかは、今日は書きません。 Day 35 で「手数料の話は別の回で正面から扱う」と書きました。 今日は「幅を引き受けていない」という性質だけです。
そして、今日はっきりしたことが1つ。私が超えるべき線、1年定期の税引後3,984円は、「銀行に幅を引き受けてもらった残り」の数字でした。 銀行は1.452%で貸し、幅を吸い込み、0.500%を渡す。私は、その引き受けを断って、幅を自分で持つことにした。 Day 33 で「約束を捨てて、約束なしで超える」と書き、Day 35 で「1年で答えを出す使い方」と書いたことを、今日は「間に立つ人に幅を引き受けさせず、自分で引き受ける」と言い直せます。同じことを、間に立つ人の側から見ています。
よくある質問(FAQ・全6問)
Q1. 銀行は本当に、私の預金を誰かに貸しているんですか?
はい。 それが間接金融です。
知るぽるとの言い方で、間接金融は「企業や政府が必要な資金を、銀行などの金融機関からの借り入れで調達すること」。 その貸出の元手の中心が預金です。 あなたの100万円は、隣の人の預金と一緒に集められ(①額)、いつでも出せる形から長い貸出に変えられ(②期間)、返ってこない危険を銀行がかぶる形で(③)、会社や住宅を買う人に渡っています。
あなたが受け取る0.400%は、その借り手が払った1.452%(平均)から、3つの引き受けの値段や経費・銀行の利益を含む差を引いた残りです。
Q2. 差の1.052ポイントは、取りすぎではないですか?
今日は判定しません。 差が何と引き換えかを見ただけです。
差の中には、額を集める手間、期間を変える備え、返ってこなかった分を埋める取り分、それに経費と銀行の利益が入っています(内訳の数字は今日は出しません)。 とくに借り手の幅を吸い込む取り分がなければ、あなたの通帳に「額面が減らない」約束(Day 33)は並びません。
妥当かどうかを言うには、その銀行が何を見て0.400%を決めているかを知る必要があります。 それは Day 38「預金金利の決まり方」で扱います。 今日は「差の中に幅の値段が入っている」まで。
Q3. ネット銀行のほうが金利が高いのは、なぜですか?
Day 38 で扱います。 今日は答えを出しません。
銀行によって預金金利が違うことは事実です(Day 12 の1手で「0.4%を超えていたら条件つきの優遇の可能性」と書きました)。 でもなぜ違うのか——銀行が何を見て数字を決めているのかは、今日の「役割」の話とは別の回です。
今日持ち帰ってほしいのは、どの銀行でも、間に立って3つを引き受けているという役割は同じだということ。 差の大きさが銀行ごとに違っても、役割は同じです。
Q4. 証券会社や保険会社も「金融機関」ですか?
はい。 知るぽるとの定義にも「銀行、証券会社、保険会社などの機関」とあります。 ただし、引き受けているものが違います。
証券会社は、株式や投資信託の売買を間に立って代行します。 運用会社は、集めたお金を運用します。どちらも間に立ちますが、客の元本が減ったときの幅は引き受けません。 手数料をもらって代行する側です。
だから段3(直接金融の側)には、間に立つ人がいても約束がない(Day 33)。間に立つ人を見たら「幅を引き受けているか、手数料だけか」を読む。 今日の読み方はこれです。 保険会社が引き受けているものは、この連載の別の回で扱います。
Q5. 銀行が倒れたら、幅を引き受けてくれる人がいなくなるんですか?
その問いが、明日 Day 37「預金保険(ペイオフ)」です。
銀行は借り手の幅を引き受けていますが、銀行自身にも幅があります。 引き受けた幅が銀行の体力を超えたとき——倒れたとき——約束はどうなるか。 Day 33 で「代わりに前に出るのが預金保険」と書き、「合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等」の中身は Day 37 で、としました。
今日は「銀行は幅を引き受ける側だが、その銀行にも幅がある」ことだけ押さえてください。
Q6. 私の100万円の間には、誰が立っているんですか?
幅を引き受ける人は、いません。 手数料をもらう人は、います。
Day 33 で「元本保証:なし(100万円全額)」と書いたとおり、額面が減ったときに埋めてくれる人はいません。 間に立って手数料をもらう人はいますが、それは幅の引き受けではなく代行です(誰が何を代行しているかは内訳の回で)。
私が超えるべき線、1年定期の税引後3,984円は、銀行に幅を引き受けさせた残りの数字です。 私はその引き受けを断り、幅を自分で持つことにしました。手数料がいくらかは、別の回で正面から書きます。
まとめ
金融機関とは、知るぽるとの言い方で「資金を必要とする者と資金を貸す余裕のある者の間に立って資金の融通を仲介する銀行、証券会社、保険会社などの機関」。 役割は「間に立つ」こと。 Day 35 の「外から入ってくるもの」を、借り手から手元まで運ぶ側。
銀行は間に立って3つを引き受ける。 ①額(小口を集めて大口に)②期間(いつでも出せる預金を長い貸出に)③返ってこない危険(審査し、返ってこなければ銀行がかぶる)。 だから預けた側に、幅ゼロ・額面保証(Day 33)が出せる——銀行が倒れないかぎり(Day 37)。
その値段が差。 貸出平均1.452%(2026年6月。 Day 12)と普通預金0.400%の差は1.052ポイント、100万円で年10,520円。差の中に、幅を吸い込む取り分が入っている(経費と銀行の利益も。 内訳の数字は出さない)。 利子0.400%は、1.452%から幅の値段を含む差を引いた残り——財布から出ていくのではなく、受け取る利子が小さい形で払う。 取りすぎか妥当か、銀行が何を見て0.400%を決めるかは Day 38。
段1・段2は間接金融——銀行が幅を引き受けて約束を出す。段3は直接金融の側——証券会社や運用会社が間に立っても客の元本の幅は引き受けず、利益も幅も自分に来る。 なお、間に立つ人が幅を引き受けなくても約束がある例——借り手本人=国が約束する個人向け国債——もある(Day 33)。間に立つ人を見たら「幅を引き受けているか、手数料だけか」を読む。
リボの15%は、借り手の側の値段。 カード会社があなたの返ってこない危険を引き受け、15%の中にその値段が乗っている。 預ける側0.400%、借りる側15%——返済が先。
私の100万円は「間に立つ人:幅を引き受ける人なし」。 約束のある3,984円は、銀行に幅を引き受けさせた残りの数字。 私はその引き受けを断って、幅を自分で持っている。
🎯 今日の1手(実践)
昨日、段3の行に「真ん中の出どころ」を書きました。今日は、Day 28 の地図の全部の行に「間に立つ人」を書きます。 誰が立っていて、その人は幅を引き受けているか。 手順は3つです。
1つ目。 段1・段2の行に、間に立っている銀行の名前と、「幅を引き受けている」と書く。
その銀行は、あなたの預金を集めて(①額)、長い貸出に変え(②期間)、返ってこない危険をかぶって(③)、あなたに幅ゼロの約束を出しています。 ⚠️ 銀行ごとに書いてください。同じ銀行に置いている段1+段2の合計は、Day 33 の1手で書いた「1,000万円を超えているか」の行と並びます(中身は明日)。
2つ目。 段3の行に、間に立っている人(証券会社・運用会社)の名前と、「幅は引き受けていない」と書く。
間に立っていても、元本が減ったときに埋めてくれる人ではありません。手数料をもらって代行する人です。 ⚠️ 手数料の額は今日は書きません(別の回で)。 「引き受けていない」という性質だけ書きます。
3つ目。 段1・段2の行に、「差」を書く。
Day 12 の貸出平均1.452%と、その行の預金金利の差です。 普通預金0.400%なら1.052ポイント、1年定期0.500%なら0.952ポイント。 100万円なら年10,520円、または9,520円。この差の中に、あなたが幅を引き受けてもらうための値段が入っています(経費や銀行の利益も入る。 幅の値段だけを切り出した数字は出せません)。 財布から出ていくのではなく、受け取る利子が小さい形で払っている値段です。 ⚠️ 1.452%は国内銀行の平均(2026年6月)で、あなたの銀行の貸出金利そのものではありません。目安として書き、「Day 12 の平均を借りた」と添えてください(Day 24 の「引いた数字がどの版か」)。
読み方はこうです。まず段3がゼロなら2つ目は飛ばす。 それ以外は上から順に、最初に当たった1つだけ。
- リボ・カードローン・分割払い(Day 30 の印)が残っている … あなたは借り手の側にもいます。その行に「間に立つ人:カード会社。私の返ってこない危険の値段が15%の中に乗っている」と書く。 預ける側の0.400%と並べれば、返済が先である理由が1行で見えます
- 段3の行に「幅を引き受けている」と書きたくなった … 書き直してください。 証券会社・運用会社は代行する人で、埋めてくれる人ではありません(Day 33 で約束がないと読んだ行です)。「元本確保型」などの言葉を見たら、Day 33 の①〜③に戻る
- 段1・段2に「差」を書いて、高いと感じた … 今日は動かさないでください。 差が高いか安いかは、その銀行が何を見て預金金利を決めているかを知ってから(Day 38)。今日は「値段を払っている」と分かったことを書くだけ
- どれにも当たらない … 全部の行に間に立つ人が書けています。「段1・2:銀行○○・幅引き受けあり・差○ポイント/段3:○○・引き受けなし」と1行にまとめて終わりです
⚠️ 2点、断ります。
① 今日の1手は、銀行を替えることでも、段3を増やすことでもありません。 間に誰が立っていて、幅を誰が持っているかを書くことです。
② 今日の「差」は、Day 29 の機会費用とは別の数字です。 機会費用は「候補に載せた次善」との差で、1.452%はあなたが自分で受け取れる候補ではありません。 今日の差は「間に立つ人が受け取っている値段」。同じ「差」でも、引いている相手が違います。 混ぜないでください。
Day 7 で手取り率、Day 8 で基本給比率、Day 9 で標準報酬月額、Day 10 で実効税率、Day 11 で住民税倍率、Day 12 で何もしなかった場合の額、Day 13 で金利感応度、Day 14 で外貨比率、Day 15 でドル建て換算、Day 16 で往復コスト率、Day 17 で割安率、Day 18 で会合の日付、Day 19 で7つの棚卸し、Day 20 で自分DI、Day 21 でGDP比率、Day 22 で分母を替えて確かめること、Day 23 で引く相手を書くこと、Day 24 で実質の昇給率、Day 25 で自分の1枚、Day 26 で固定費率、Day 27 で3行の並べ方、Day 28 で段ごとの日数、Day 29 ですぐ出せる状態の値段、Day 30 で純資産、Day 31 で段3の振れ幅、Day 32 で中身どうしの向き、Day 33 で約束の範囲、Day 34 で段3の真ん中、Day 35 で真ん中の出どころ。
今日の「間に立つ人」で30個目です。 昨日は真ん中がプラスと言える根拠が外にあるかを書きました。今日は、その外から入ってくるものを運ぶ人が、幅を引き受けているかを書いています。
銀行は、借り手の幅を引き受けて、あなたに約束を出しています。では、銀行自身が倒れたら。 引き受けた幅が銀行の体力を超えたとき、Day 33 で「代わりに前に出る」と書いた預金保険が、何を、いくらまで、どう守るのか。
明日 Day 37「預金保険(ペイオフ)」では、約束する人が入れ替わる瞬間を見ます。明日、そこに着きます。
🔗 あわせて読みたい
- Day 35「投資と投機の違い」 — 外から入ってくるもの(利益・利子)を真ん中の根拠と見た話
- Day 33「元本保証」 — 幅ゼロの正体は誰かの約束、と読んだ話
- Day 31「リスクとリターン」 — 幅を引き受けるのは真ん中がそのぶん高いときだけ、と決めた話
- Day 28「流動性」 — いつでも出せる段1と長い段2・段3の地図を作った話
- Day 12「政策金利」 — 貸出平均1.452%と預金0.400%の差を「銀行の収益」と書いた話
⚠️ ご注意
本記事は筆者個人の投資記録および一般的な金融知識の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
記載の運用実績は筆者個人の資金によるものです。
投資判断はご自身の責任において行ってください。
なおコンプライアンス上、当社の取引先に関連する銘柄は取引対象外としています。



