昨日は、Day 36 で銀行が「間に立って3つを引き受けている」と見ました。 額・期間・返ってこない危険。 その末尾で、銀行自身が倒れたら、預金保険が何を、いくらまで、どう守るのか、と書きました。
今日は、約束する人が入れ替わる瞬間を見ます。 Day 33 で、どう合算するのか・いつ戻るのかは Day 37 で、と送った回です。

カナ「銀行が幅を引き受けてくれてるなら、銀行が倒れたときも、銀行が何とかしてくれるんですよね?」
銀行は、何ともできません。 倒れた銀行には、約束を守る力が残っていないからです。だから、別の人が前に出ます。 それが預金保険です。 ここまでは Day 33 で書きました。 今日はその「別の人」の約束を、Day 33 と同じ①誰が ②何を ③どこまで、で読みます。

カナ「じゃあ1,000万円までは守ってくれるんだから、口座を分けておけば、いくらでも守られるんですね」
口座を分けても、増えません。 ここが今日いちばん実害の出るところです。 1,000万円の線は口座ごとではなく、同じ銀行に同じ人が持つ預金を全部足した額に引かれます。 普通預金と定期預金を分けても、支店を分けても、同じ銀行なら合算です。

カナ「え、同じ銀行で合算なんですか? 利息はどうなるんですか? 外貨預金は?」
サトル「約束する人が入れ替わる。銀行の約束が切れたところから、預金保険の約束が始まる。守るのは、同じ銀行で合算して元本1,000万円までと、破綻日までの利息。決済用預金は全額。外貨預金は外。それ以外は、倒れた銀行の財産しだいだ。」
種明かしです。
預金保険は、銀行の約束の「続き」ではなく、「別の約束」です。 約束する人が銀行から預金保険機構に入れ替わり、約束の範囲も入れ替わります。 銀行は「額面全部」を約束していた。 預金保険は「合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等」を約束する。線の位置が違う。
だから Day 33 の③「どこまでか」を、2段で読む必要があります。 銀行が倒れないかぎり、額面全部。 倒れたら、1,000万円まで。その先は、Day 36 で銀行が引き受けていた「返ってこない危険」が、預けた人に戻ってくる場所です。

カナ「約束する人が入れ替わって、その約束が届く線が1,000万円だったんですね」
そういうことです。
ここからは、制度の中身、守られるものと守られないもの、倒れた日に何が起きるか、そして私の100万円にこの約束があるかを、順に見ます。
預金保険(ペイオフ)とは?
預金保険機構の説明によれば、預金保険制度は金融機関が破綻したときに預金者を保護し、資金決済を確保することで、信用秩序を維持するための仕組みです。
Day 33 の読み方——①誰が ②何を ③どこまで——で並べます。
- ① 誰が … 預金保険機構。保険料を払っているのは金融機関で、預金者に手続きは要りません(口座を開いた時点で自動的に保険関係が成立します)
- ② 何を … 対象となる預金等は、普通預金・定期預金・定期積金・当座預金・元本補てん契約のある金銭信託など。対象外は、外貨預金・譲渡性預金・他人名義預金・架空名義預金など
- ③ どこまで … 決済用預金は全額。一般預金等は「合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等」。 超えた部分は「破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われる(一部カットされることがある)」
⚠️ 用語を1つ。「ペイオフ」は、預金保険機構が預金者に直接保険金を支払う方式(保険金支払方式)の呼び名です。 実際の破綻処理では、別の健全な銀行が営業を受け継ぎ、そのコストを機構が援助する「資金援助方式」もあります。 この連載では方式の違いには立ち入らず、「預金保険(ペイオフ)」を銀行が倒れたときに前に出る約束の総称として使います。
⚠️ もう1つ。 対象となる金融機関は、日本国内に本店のある銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫など。海外支店、外国銀行の在日支店、政府系金融機関は対象外です。 自分の銀行が対象かは、預金保険機構の対象金融機関の一覧で確かめてください(今日はここに名前を並べません)。
1,000万円の線は、口座ではなく「銀行×人」に引かれる
ここが今日いちばん大事なところです。
「合算して元本1,000万円まで」の「合算」を、預金保険機構は名寄せと呼びます。同じ銀行に、同じ人が持っている対象預金(決済用預金を除く一般預金等)を、全部足す。 普通預金300万円と定期預金800万円を同じ銀行に置いていれば、合算して1,100万円。保護されるのは元本1,000万円と、その分の破綻日までの利息等。 残り100万円(とその利息)は、その銀行の財産しだいです。
- 口座を分けても … 同じ銀行なら合算。線は動かない
- 支店を分けても … 同じ銀行なら合算。線は動かない
- 銀行を分ければ … 銀行ごとに1,000万円の線が立つ
⚠️ 「銀行を分ければ線が増える」は事実ですが、この連載は「だから分けろ」とは書きません。 Day 33 の1手で「同じ銀行に置いている段1+段2の合計が1,000万円を超えているか」を書いてもらったのは、線の外にある額を知るためです。 分けるかどうかは、Day 28 の営業日数、Day 29 の値段、そして今日の「財産しだい」の意味を並べて、あなたが決めることです。
破綻日までの利息等(「等」は利息に準じるもの)も守られます。 1,000万円を0.400%で預けていて、破綻日までに利息がついていれば、その利息も保護の中。 ⚠️ ただし利息は破綻日までの分です。 破綻日の翌日以降、いつまでも0.400%がつき続けるわけではありません。
超えた部分は、「銀行が引き受けていた幅」が戻ってくる場所
Day 36 で、銀行は借り手の「返ってこない危険」を引き受けている、と書きました。その引き受けが銀行の体力を超えたとき、銀行は倒れます。 倒れた銀行の財産は、貸したお金のうち返ってくる分と、持っている資産の残り。1,000万円を超えた預金は、その財産の中から支払われます。
⚠️ 銀行が倒れる場面は、もう1つあります。 Day 36 の②で「預けている人全員が同じ日に全額を引き出すことは、ふつう起きない」と書き、起きたときの話は明日、としました。貸したお金が返ってこない(③)だけでなく、預けた人が同じ日に引き出しに来る(②)ことでも、銀行は倒れます。 預金保険機構が制度の目的に預金者等の保護と資金決済の確保による信用秩序の維持を置いているのは、②の側にも効く——約束が先にあれば、一斉に走る理由が1つ減る——と読めます(機構がこう説明しているわけではなく、この連載の読み方です)。
預金保険機構の説明では、超えた部分は民事再生法の手続に沿って支払われ、一部カットされる可能性がある。 カット率は裁判所の関与のもとで決められる。
言い換えると、1,000万円を超えた部分の預金は、幅ゼロではありません。 銀行が倒れないかぎり額面どおり。 倒れたら、財産の状況に応じた割合で戻る。 Day 31 の言葉で言えば、そこには幅があります(額面を超えて戻ることはないので、下側だけの幅です)。 Day 33 の③で「銀行そのものが倒れたとき」を約束の外に置いたのは、この幅のことでした。
⚠️ 「倒れたら1,000万円を超えた分はゼロになる」は誤りです。 「財産の状況に応じて支払われる」——ゼロと決まっているわけではなく、全額と決まっているわけでもない。 幅がある、が正しい読み方です。どれだけ戻るかは、その銀行の財産しだいで、事前には分かりません。
倒れた日に、何が起きるか
預金保険機構は、金曜日の営業終了後に破綻が生じた場合、土曜・日曜で名寄せの準備を終え、月曜日から破綻金融機関の営業を一定の範囲で再開・継続することを考えている、と説明しています。 名寄せは、破綻した銀行から預金者データを取得して機構が行う——基本的に、預けた人が自分で申告する作業ではありません。
そして、こう書かれています。「預金保険により保護されている預金等については、慌てて引き出す必要はありません。定期預金は期限前に解約をすると利息が少なくなる場合もあります。」
ここに Day 28 がつながります。 Day 28 の例では、3年定期を途中で解約すると利率は0.400%に落ちました。 銀行が倒れたと聞いて慌てて解約すると、保護されている預金を、自分で低い利率に落とすことになる。 預金保険の範囲内にある預金は、倒れても額面と破綻日までの利息が守られるので、慌てて動かす理由はない。動かす前に、Day 33 の1手で書いた「1,000万円を超えているか」の行を見てください。 超えていなければ、慌てて解約する理由はありません。
⚠️ 1,000万円を超えた部分について、機構が弁済金や配当金を待たずに一部を先に支払う仕組みもあります。その中身と率は、今日は書きません——一次情報で確かめてから、別の回で扱います。 今日は「超えた部分は財産しだいで、幅がある」まで。
決済用預金と、外貨預金——線の両端
決済用預金は全額保護です。 条件は3つ——無利息・要求払い(いつでも引き出せる)・決済サービスを提供できる。 この3つを満たす預金(決済用普通預金や当座預金)は、1,000万円の線を越えても全額守られます。
⚠️ ただし無利息です。1,000万円の線の外まで預金保険が前に出る代わりに、利子はつきません。 Day 36 の言葉なら、倒れたときの幅を預金保険に全部引き受けさせるぶん、利子を受け取らない預金——と読めます(機構がこう説明しているわけではなく、この連載の読み方です)。
外貨預金は対象外です。 Day 33 で「外貨預金などは保護の対象外」と書いたとおり。ドルで持っていれば、銀行が倒れたとき、預金保険の約束としては前に出ない(超えた部分と同じく、倒れた銀行の財産しだい)。 Day 14・Day 15 で通貨の内訳を書いてもらったのは、この日のためでもありました。外貨預金は、段1・段2の「幅ゼロ」に数えないでください。 為替の幅(Day 15)に加えて、銀行が倒れたときの幅も持っています。
リボがある人は、今日も関係ありません
Day 30 で負債の印をつけ、Day 31・Day 32 でリボがある人は段3を返済へと書きました。 今日の話では、リボは逆向きに見えます。
預金保険は、あなたが預けた側にいるときの約束です。 リボは、あなたが借りた側。預金保険は預けた側の約束で、借りた側の義務を消す仕組みは、ここにはありません。
預ける側の約束は1,000万円で切れる。 借りる側の義務は切れない。 Day 36 で「間に立つ人から見て、あなたは両側にいる」と書きました。 今日の話で、両側の約束の重さが違うことがはっきりします。 返済が先——順番は Day 30 から変わりません。
カナは、いま段3を売ってリボを返しているところです。 カナの下限(固定費×2)は段1にあり、1,000万円の線の内側です。今日の話でカナがやることは、下限の行に「預金保険の内側」、リボの行に「借りる側は切れない」の2行を書くだけです。
私の100万円と、前に出る人
この連載では、私が実際に100万円を1年間運用しています。
昨日、記録に足したのは「間に立つ人」の欄でした。 答えは「幅を引き受ける人なし」。
今日足すのは、「倒れたときに前に出る人」の欄です。 私の100万円を置いている先が倒れたら、誰が、いくらまで、前に出るのか。
Day 6 で実質を併記、Day 7 で税引後、Day 8 で分母、Day 9 で元手の出どころ、Day 10 で自分の税率、Day 11 で住民税10%込み、Day 12 で預金の線、Day 13 で変化の原因の切り分け、Day 14 で通貨の内訳、Day 15 でドル建て、Day 16 で理論値だと断ること、Day 17 で通貨自体が割安だと明記すること、Day 18 で制度が動いた日付、Day 19 で書く順番、Day 20 で判定せず事実だけを残すこと、Day 21 で残高と流れを分けること、Day 22 で分子と分母のどちらが動いたかを書くこと、Day 23 で実質を何で割ったかを書くこと、Day 24 で引いた数字がどの版なのかを書くこと、Day 25 で運用の成績を黒字の日数に換算すること、Day 26 で「一度だけ決めたこと」と「その場で決めたこと」を分けること、Day 27 で生活防衛資金を運用の口座に混ぜないこと、Day 28 で現金になるまでの営業日数を書くこと、Day 29 で諦めた1つを書くこと、Day 30 で負債の側を書くこと、Day 31 で想定した幅の中か外かを書くこと、Day 32 で中身どうしの向きを書くこと、Day 33 で約束の範囲を書くこと、Day 34 で真ん中の欄を線の欄と分けること、Day 35 で真ん中の根拠を書くこと、Day 36 で間に立つ人を書くこと。
今日足すのは、倒れたときに前に出る人を書くことです。
答えは、はっきりしています。私の100万円は預金ではないので、預金保険の対象外です。 対象となるのは普通預金・定期預金など「預金等」であって、段3はそこに入りません。
記録には、こう書きます。「前に出る人:預金保険なし(預金ではない)。」
⚠️ 正直に、2つ断ります。
① 預金保険が無いからといって、預けた先が倒れたら全部消える、とは書きません。 証券会社や運用会社が倒れたときの仕組みは、預金保険とは別にあります。今日はその中身に触れません——別の回で、一次情報を確かめてから書きます。 今日書けるのは「預金保険という約束は無い」ことだけです。
② これは Day 33 の「元本保証:なし」、Day 36 の「幅を引き受ける人なし」と同じ答えの、3つ目の言い方です。 同じことを、約束・間に立つ人・前に出る人の3方向から見ました。3回とも「なし」。 私が超えるべき線、1年定期の税引後3,984円は、預金保険の内側にある数字でした。 私はその内側を出て、幅を自分で持っています。
よくある質問(FAQ・全6問)
Q1. 1,000万円の線は、口座ごとですか?
口座ごとではありません。 同じ銀行に同じ人が持つ対象預金(決済用預金を除く一般預金等)を合算した額に、1,000万円の線が引かれます。
預金保険機構はこの合算を「名寄せ」と呼び、破綻した銀行から預金者データを取得して機構が行います。 普通預金と定期預金を分けても、支店を分けても、同じ銀行なら合算。
銀行を分ければ銀行ごとに線が立ちますが、この連載は「分けろ」とは書きません。 線の外にある額を知ったうえで、Day 28 の営業日数や Day 29 の値段と並べて、自分で決めてください。
Q2. 利息も守られますか?
「破綻日までの利息等」は守られます。
預金保険機構の言い方は「合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等」。 元本だけでなく、破綻日までについた利息も保護の中です。
⚠️ ただし破綻日までです。 破綻の翌日以降もその利率がつき続けるわけではありません。 そして機構は「預金保険により保護されている預金等については、慌てて引き出す必要はありません。定期預金は期限前に解約をすると利息が少なくなる場合もあります」と書いています——保護の内側なら、自分で解約して利率を落とす理由がない(Day 28)。
Q3. 1,000万円を超えた部分は、全部消えるんですか?
消えると決まっているわけではなく、全額戻ると決まっているわけでもありません。 「破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われる(一部カットされることがある)」です。
手続きは民事再生法に沿い、カット率は裁判所の関与のもとで決められます。事前にはいくら戻るか分かりません。 Day 31 の言葉なら、そこには幅がある。 Day 36 で銀行が引き受けていた「返ってこない危険」が、この部分では預けた人に戻ってきます。
超えた部分について機構が一部を先に支払う仕組みもありますが、その中身は今日は書きません。今日は「幅がある」と読むところまでです。
Q4. 外貨預金は守られますか?
守られません。 対象外です。
預金保険機構の対象外は、外貨預金・譲渡性預金・他人名義預金・架空名義預金など。 Day 33 で「外貨預金などは保護の対象外」と書いたのは、ここです。
だから外貨預金は、段1・段2の「幅ゼロ」には数えないでください。 Day 15 で見た為替の幅に加えて、銀行が倒れたときの幅も持っています。 Day 14 で通貨の内訳を書いてもらったのは、この行を分けるためでもありました。
Q5. 銀行が倒れたら、すぐ引き出せなくなるんですか?
預金保険機構は、金曜日の営業終了後に破綻した場合、土日で名寄せの準備を終え、月曜日から一定の範囲で営業を再開・継続することを考えている、と説明しています。
そして「預金保険により保護されている預金等については、慌てて引き出す必要はありません」。
⚠️ 「一定の範囲」なので、いつもどおり全部が動くとは書かれていません。Day 28 の営業日数に、この「倒れた週末」を足して読んでください。 それでも、保護の内側なら額面と破綻日までの利息は守られます。 慌てる前に、Day 33 の1手で書いた「超えているか」の行を見る。
Q6. 私の100万円は、預金保険で守られますか?
守られません。 預金ではないからです。
預金保険の対象は普通預金・定期預金などの「預金等」で、段3はそこに入りません。 記録には「前に出る人:預金保険なし(預金ではない)」と書きました。
証券会社や運用会社が倒れたときの仕組みは預金保険とは別にありますが、今日は触れません——一次情報を確かめてから、別の回で書きます。
Day 33 の「元本保証:なし」、Day 36 の「幅を引き受ける人なし」、今日「前に出る人なし」。3方向から見て、3回とも「なし」。 私が超えようとしている3,984円は、預金保険の内側にある数字です。
まとめ
預金保険(ペイオフ)とは、銀行が倒れて約束を守れなくなったとき、代わりに前に出る約束。 約束する人が銀行から預金保険機構に入れ替わり、約束の範囲も入れ替わる。
①誰が:預金保険機構。 保険料は金融機関が払い、預金者に手続きは要らない。②何を:普通預金・定期預金・定期積金・当座預金など。外貨預金・譲渡性預金・他人名義・架空名義は対象外。 ③どこまで:決済用預金(無利息・要求払い・決済サービス)は全額。 一般預金等は「合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等」。
1,000万円の線は、口座ごとではなく「同じ銀行×同じ人」の合算(名寄せ)に引かれる。 口座や支店を分けても動かない。 銀行を分ければ銀行ごとに線が立つが、この連載は「分けろ」とは書かない。
超えた部分は「財産の状況に応じて支払われる(一部カットされることがある)」。 ゼロでも全額でもなく、幅がある。 Day 36 で銀行が引き受けていた幅が、ここで預けた人に戻ってくる。
倒れた日:金曜の営業終了後の破綻なら、月曜から一定の範囲で再開が目安。 機構の言葉で、保護されている預金等については「慌てて引き出す必要はありません。定期預金は期限前に解約をすると利息が少なくなる場合もあります」(Day 28)。
リボは逆向き:預ける側の約束は1,000万円で切れるが、借りる側の義務は切れない。 返済が先。
私の100万円は「前に出る人:預金保険なし(預金ではない)」。 約束・間に立つ人・前に出る人——3方向とも「なし」。
🎯 今日の1手(実践)
昨日、地図の全部の行に「間に立つ人」を書きました。今日は、段1・段2の行——銀行ごと——に、「前に出る人の線」を書きます。 Day 33 の1手で書いた「同じ銀行で1,000万円を超えているか(あり/なし)」を、今日の中身で書き直す形です。 手順は3つです。
1つ目。 銀行ごとに、対象預金を合算する。
同じ銀行にある普通預金・定期預金・定期積金(利子のつく一般預金等)を、口座や支店をまたいで足します。 これが名寄せ後の額です。外貨預金は足しません——対象外なので、別の行に出します。当座預金や決済用普通預金(無利息・要求払い・決済サービスの3つを満たすもの)も足しません——決済用預金として全額保護なので、別の行に書きます。
2つ目。 1,000万円を超えた額を書く。
合算額が1,000万円以下なら「内側」。 超えていれば、超えた額を書きます。 たとえば普通300万円+定期800万円なら合算1,100万円、超えた額100万円。
⚠️ 超えた額は「消える額」ではありません。「財産の状況に応じて戻る、幅のある額」です。 行には「幅あり」と添えてください。
3つ目。 外貨預金の行に「預金保険:対象外」と書く。
そして、その行が Day 28 の地図で段1・段2に数えられていたら、「幅ゼロではない」と書き直します。 為替の幅(Day 15)と、倒れたときの幅(今日)の2つを持っている行です。
読み方はこうです。まず段1・段2がゼロなら今日は書くことがありません。 外貨預金の行は当たれば必ず先にやり、終わったら下に戻る。 それ以外は上から順に、最初に当たった1つだけ。
- 外貨預金を段1・段2に数えていた … いちばん先にやる1行。 「預金保険:対象外・幅ゼロではない」に書き直し、Day 27 の下限・基準線から外す。外した穴を何で埋めるかは、Day 28 の営業日数で決めてください
- リボ・カードローン・分割払い(Day 30 の印)が残っている … 預金保険は預けた側の約束で、借りた側の義務を消す仕組みはここにありません。「預ける側の約束は1,000万円で切れる。借りる側は切れない」と1行書いて、返済が先(Day 30 のまま)
- 同じ銀行で1,000万円を超えている … 超えた額と「幅あり」を書く。分けるかどうかは今日は決めません。 Day 28 の営業日数、Day 29 の値段(別の銀行に移すことで諦めるもの)、今日の「財産しだい」を並べてから。今日は「幅のある額がいくらか」を書くだけ
- 決済用預金がある … 「全額保護・無利息」と書く。利子ゼロと引き換えの、線の外までの保護です(倒れたときの幅を預金保険に全部引き受けさせるぶん、利子を受け取らない)
- どれにも当たらない … 全部の行が内側です。「銀行○○:合算○円・内側・前に出る人=預金保険」と1行書いて終わり
⚠️ 2点、断ります。
① 今日の1手は、銀行を分けることでも、外貨預金を解約することでもありません。 線の内側にいくら、外側にいくらあるかを書くことです。
② 対象金融機関かどうかは、預金保険機構の一覧で確かめてください。 この連載は銀行の名前を並べません。 海外支店・外国銀行の在日支店・政府系金融機関は対象外です。
Day 7 で手取り率、Day 8 で基本給比率、Day 9 で標準報酬月額、Day 10 で実効税率、Day 11 で住民税倍率、Day 12 で何もしなかった場合の額、Day 13 で金利感応度、Day 14 で外貨比率、Day 15 でドル建て換算、Day 16 で往復コスト率、Day 17 で割安率、Day 18 で会合の日付、Day 19 で7つの棚卸し、Day 20 で自分DI、Day 21 でGDP比率、Day 22 で分母を替えて確かめること、Day 23 で引く相手を書くこと、Day 24 で実質の昇給率、Day 25 で自分の1枚、Day 26 で固定費率、Day 27 で3行の並べ方、Day 28 で段ごとの日数、Day 29 ですぐ出せる状態の値段、Day 30 で純資産、Day 31 で段3の振れ幅、Day 32 で中身どうしの向き、Day 33 で約束の範囲、Day 34 で段3の真ん中、Day 35 で真ん中の出どころ、Day 36 で間に立つ人。
今日の「前に出る人の線」で31個目です。 昨日は、間に立つ人が幅を引き受けているかを書きました。今日は、その人が倒れたとき、誰がどこまで前に出るかを書いています。
預金保険の内側では、対象金融機関ならどこに置いても守られる範囲は同じです——合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等。
それなのに、預金金利は銀行によって違う。 同じ約束、同じ保護なのに、0.400%の銀行もあれば、それより高い銀行もある(Day 12 の1手)。銀行は、何を見てその数字を決めているのか。 Day 12 で残した「なぜ政策金利1.0%が預金0.400%になるのか」の問いに、明日着きます。
明日 Day 38「預金金利の決まり方」では、銀行が0.400%を決める机の上を見ます。明日、そこに着きます。
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- Day 28「流動性」 — 途中解約で0.400%に落ちる仕組みと営業日数を数えた話
- Day 27「生活防衛資金」 — 下限・基準線・その上の3行を作った話
- Day 15「円安と円高」 — ドル建てで持つことの為替の幅を見た話
⚠️ ご注意
本記事は筆者個人の投資記録および一般的な金融知識の解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
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