君子万年(くんしばんねん)
→ 徳の高い人は長寿であるということ。
徳の高い人という表現は、なにをもって徳が高いとするのか基準が曖昧だ。
ということは、長寿だった人が徳の高い人だという見方もできるのではないだろうか。
2022年4月25日、とある訃報がニュースになった。
福岡市の田中カ子(たなかかね)さんが老衰のため、2022年4月19日に亡くなったというニュースだ。
田中カ子さんは明治36年1月2日生まれの119歳で、存命中の世界最高齢としてギネス世界記録に認定されていた人物だ。
チョコレートと炭酸飲料が好物だったそうで、120歳まで元気に暮らすことを目標にしていたという。
かくいう私の祖父も119歳までとはいかないが、100歳を過ぎるまで存命だった。
長寿であることはもちろんいいことなのだが、肝心なことは元気でいることだ。
平均寿命に重きを置くよりも、健康寿命の大切さを過去に何度も説いてきている。
このあたりは参考になると思うので、時間のある人は是非見てもらいたい。
そして、個人的に思うのだが、長寿でいることの最大のメリットは、多くの時代の変化を体感できるということではないだろうかということだ。
とりわけ、テクノロジーの進化を体感できるということは、なによりも素晴らしいことのように思うのである。
1981年からのテクノロジー進化の歴史
せっかくなので、私の生まれ年である1981年から40年間のテクノロジー進化の歴史を振り返っていこうと思う。
といっても深いテクノロジーの話をしてもピンとこない人も多いと思うので、身近にあったモノたちがどのように変化していったかを書いていくのがわかりやすいだろう。
大きなところでいうと、FAXやビジネスフォンがなくなった。
それから、電卓や時計といった卓上にあったものも徐々になくなっていった。
そして、物理的なモノがなくなっていく代わりといってはなんだが、様々なサービスが登場してきた。
〜2005年
- 1985年:Excel(エクセル)
- 1990年:Power Point(パワーポイント)
- 1994年:Amazon
- 1998年:メールサービス、PDF、オンライン辞書
- 1999年:ブログ
〜2006年
2005年〜2006年の1年の間にGoogleマップなどのマッピングサービスが登場した。
また、Gmailを筆頭にYahoo!メール、Hotmailなどのフリーメールサービスの提供も始まっている。
Googleカレンダー、Facebook、Skype、Pandoraといったサービスも開始されている。
〜2010年
2005年以降はWebサービスの波が一気に押し寄せる。
YouTube、Wikipedia、Twitter、Dropboxなど、今なお続いているサービスが登場しているのも、まさにこの頃だ。
〜2014年
その後も、様々なサービスが登場している。
Groupon、PayPal、Pinterest、Instagram、Uber、Airbnbなどなど挙げればきりがない。
テクノロジーを後押ししたモノ
簡単に振り返ったが、テクノロジーを後押ししたモノの中で、最も影響力があったモノがなにかわかるだろうか。
インターネットの登場が大前提にあるのだが、その後のサービス拡大の明暗をわけたのはモバイルシフトだ。
そんなモバイルシフトへ導くきっかけとなったのが、間違いなくスマートフォンの登場だ。
今や誰もが1台は持っているといっても過言ではないスマホだが、その歴史は案外知られていない。
スマートフォンの始まり
スマートフォンの始まりは1992年(平成4年)で、アメリカのラスベガスで開催されたコンピュータ産業のトレードショーに登場したIBM社製のものだといわれている。
その2年後の1994年(平成6年)にタッチパネルを搭載した、IBM Simonが発売されたが、この時点ではスマートフォンという名称は存在していない。
それからさらに2年後の1996年(平成8年)にフィンランドのNokia社が発売した携帯電話、Nokia 9000 Communicatorをスマートフォンと呼んだのが名称の起源とされている。
説明するまでもないが、Smart(スマート)は、賢いとか利口という意味で、賢い携帯電話が名前の由来だ。
日本国内で独特の進化をしてきた携帯電話
日本では、携帯電話そのものが独自の歩み方で進化してきた。
1987年(昭和62年)にハンディタイプの携帯電話が発売され小型化が進む中、1999年(平成11年)にNTTドコモのiモードが登場した。
携帯電話でEメールの送受信、Webページの閲覧などができるなど、世界初の携帯電話IP接続サービスが利用できる端末に進化したのである。
このiモードは非常に画期的なもので、世界のスタンダードになるポテンシャルがあったのだが、世界で勝つことができなかった。
日本でスマホが普及し始めた時期
2005年、日本でスマホの草分け的な存在である、W-ZEROS3がSHARP、WILLCOM、Microsoftの共同開発により誕生する。
その後、2007年にAppleがiPhoneをアメリカで発売し、ここからスマホの時代になったといえる。
時を同じくして、欧米の富裕層を中心としたビジネスマンの間ではスマホの元祖とされる、BlackBerryの端末も一定のファンを獲得していた。
とはいえ、それは一部の間だけであり、スマホ人気を確立したのは、やはりiPhoneだといっていいだろう。
そして、2008年、ついに日本でもiPhoneの発売がスタートする。
2009年には国内スマホ出荷台数のおよそ7割をiPhoneが占めるという社会現象にもなり、日本で一気にiPhoneが拡まった。
このあたりから、XperiaやGalaxyのようなAndroidのスマホも続々と登場するという歴史がある。
iPhoneの歴史
iPhoneの登場について、大きく浸透するまでを簡単に振り返ってみよう。
iPhone(original)
2007年にリリースされた初期のモデルだ。
日本では通信規格が合わず使用できなかったが、iPod touchもこの製品を模して作られており、タッチスクリーンを世に広めた存在だといえる。
iPhone 3G
日本で初めて正式に販売されたモデルだ。
当時はストレージが少なく、価格も8GBのモデルで2万3,040円(税込)、16GBで3万4,560円(税込)で、現在と比べるとかなり低価格だったことがわかる。
iPhone 3GS
iPhone 3Gで問題であった動作速度を改善したモデルだ。
iPhone 4
超高精細ディスプレイが採用された端末であり、スマホ普及のきっかけとなったモデルだ。
以前の丸みを帯びた形状とは異なり、側面に四角のアルミボディが用いられシャープなデザインで登場した。
iPhone 4S
AIアシスタントのSiriが初めて実装されたモデルだ。
外観はiPhone 4とほとんど変わらないが、処理能力が格段に上がっだ。
また、この端末からauもiPhoneの取り扱いを開始し、国内のiPhoneユーザーが増加した。
iPhone 5
4GやLTEに対応したことにより、Wi-Fi環境がない人でも回線速度を気にせずにインターネットを使えるようになり、Lightningコネクタが初めて搭載されたモデルだ。
カラーバリエーションに富んだモデルとして、初めての廉価版である、iPhone 5cが発売された。
iPhone 5S
iPhone 5とほぼ外観は同じだが、最大の特徴は指紋認証の機能が初めて搭載されたモデルだということだろう。
また、カメラの機能も向上しており、iPhoneで写真を撮った方がデジカメで撮影するよりも綺麗といわれるほどになったのもこの頃からだ。
そして、このモデルからカラーバリエーションの中にゴールドが追加され、docomoもiPhoneの取り扱いを開始した。
これ以降も続々とiPhoneは進化を続けていることは周知の事実だ。
まとめ
iPhoneの対抗馬として、Androidのことにも少し触れておこう。
2008年、アメリカのT-Mobileという携帯メーカーが初めてAndroid搭載端末を発表した。
ただ、この端末は今のような全面タッチパネルではなく、キーボードで操作するタイプだった。
その後、Androidも進化を続け、シェアNo.1になっている。
たった40年の間にも、ここまでテクノロジーは進化している。
私が高校生の頃、大人になったときにスマホを当たり前に使っていることなど、想像すらできなかった。
長寿であることのメリットが、こういったテクノロジーに触れる機会が増えるということでもあることを改めて主張しておこう。
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