会者定離(えしゃじょうり)
→ 会う者には、必ず別れが待っている。
絶対という言葉はないというのが定石だ。
けれども、たった1つだけ当てはまってしまう絶対がある。
それは、人は絶対に別れがくるということだ。
とどのつまり、死ぬということは絶対で避けて通れない。
出会いと別れという言葉は表裏一体だが、それよりも重たいのが絶対の別れが死だ。
そして、それはいつ訪れるか誰にもわからない。
健康でいることは財産でしかない。
平均寿命と平均余命の違いとは?
日本は長寿の国だという認識が強い人が多いと思う。
確かに日本人の平均寿命は諸外国に比べると長いので、単純に長生きだということにはエビデンスがある。
平均寿命とは、現在0歳の人がその後に何年生きられるかという予測値のことをいう。
ということは、現在20歳の人や40歳の人や60歳の人が平均して何歳まで生きられるかという予測値とは異なることに注意が必要だ。
ある年齢の人が、その後に何年生きられるかという予測値は平均余命という。
要するに、平均寿命とは、出生時の平均余命ということもできるということを理解しておこう。
そんな日本人の平均寿命は2020年の統計で、女性が87.74歳、男性が81.64歳で、いずれも過去最高を更新している。
ちなみに2001年の統計では、女性が84.93歳、男性が78.07歳ということで、男女共に約3年も増えている。
世界的に見ても、日本人の平均寿命は男女ともに第1位と第2位を競う基準だ。
そんな日本人の平均寿命は、今後まだまだ伸びると予想されている。
- 2065年の女性:平均寿命91.35歳
- 2065年の男性:平均寿命84.95歳
44年後には現在の平均寿命よりもさらに3年程度、長くなるというものだ。
平均寿命と健康寿命の違いとは?
平均寿命がいくら増えたとしても、要介護状態や寝たきりの状態だとすると充実した老後を送っているとは言い難い。
そこで、注目されているのが、老後生活を考える上でいつまで健康に生活できるかを考える指標、健康寿命という概念だ。
健康寿命とは、日常生活に制限のない期間の予測値のことをいう。
日常生活に制限がないとは、介護など他人に頼らずに自立して健康に生活できることを意味する。
より細かい話をすると、国民生活基礎調査の現在、健康上の問題で日常生活になにか影響があるかという質問の回答が基準となる。
そして、ないと回答した人を健康、あると回答した人を不健康と仮定して健康寿命を算出するのである。
また、平均寿命から健康寿命を引いた期間を延命期間という。
例えば、平均寿命が85歳で健康寿命が75歳ならば、75歳以降の10年間が延命期間に該当し、日常生活に制限のある生活が想定されるということだ。
そんな今注目されている健康寿命は、厚生労働省の2016年度調査によると下記のとおりとなっている。
- 女性の健康寿命:74.79歳
- 男性の健康寿命:72.14歳
健康寿命も平均寿命と同様に右肩上がりだ。
平均すると日本人の男性も女性も70歳から75歳にかけて健康寿命に達し、その後に延命期間(日常生活に制限のある生活を送る期間)に入る。
ここで注目したい事実は、2001年と比較して健康寿命は平均寿命ほど延びていないことと、男性と女性を比較した場合、女性は平均寿命と健康寿命の差が大きいというものだ。
つまり、延命期間が長期化していて、男性と比べると女性の延命期間が長いということになる。
健康寿命を伸ばすための施策
健康寿命が伸びていく中、人生100年時代を迎えて、日本政府は誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現に向けて政策課題を掲げている。
- 多様な就労および社会参加(70歳までの就業機会確保など)
- 健康寿命の延伸
- 医療および福祉サービス改革プラン(ロボットの活用やサービスのシステム向上による効率化)
特に2つ目の健康寿命の延伸については、2040年までに男女とも健康年齢を3年以上延ばすことを目標としている。
その具体的プランは下記のとおりである。
- 次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成等
- 疾病予防および重症化予防
- 介護予防およびフレイル対策、認知症予防
フレイルとは、加齢により心身が老い衰えた状態のことをいう。
健康と要介護の中間にあたる状態と置き換えることもできるが、その状態にはやく気づいて介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性がある。
高齢者のフレイルは生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があるといわれている。
まとめ
平均寿命と健康寿命について、改めて取りまとめてみよう。
- 平均寿命:現在0歳の人が、その後何年生きられるかという予測値
- 健康寿命:現在0歳の人が、その後何年日常生活に制限のない生活が送れるかという予測値
何歳まで生きられるかと何歳まで健康で生きられるかの違いと覚えておくといいだろう。
ということは、とどのつまり、平均寿命をいくら伸ばしても健康でなければ意味がないということだ。
健康であるために、注意したい寿命を縮める3大悪習慣については、以前も書いているので参考にして欲しい。
簡単にまとめると、1つ目は運動不足、2つ目は孤独、3つ目のは睡眠不足である。
これもまたくり返しになるが、ここ数年、私も意識していることだが、下手に保険などに高額な支払いをするくらなら、予防に時間とお金をかけるべきだということだ。
予防という概念がまだまだ浸透していないように思う。
不健康になってしまってからでは遅くて、できるだけ不健康にならないように意識した行動をするということだ。
そのためには、上記に書いた寿命を縮める3大悪習慣を極力回避することが大切だ。
自己投資の1つだと捉えればよく、その原資は毎月、毎年払っている保険料の中で削ればいい。
適度な運動をすること、孤独を回避すること、質の高い睡眠を取ることに回すのである。
健康第一という言葉が人生を謳歌するに当たって、最重要であることを意識しよう。
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