回心転意(かいしんてんい)
→ 思い直すこと。また、再び仲が良くなること。
一度決めたことは死ぬまでやりきるという姿勢について、どう思うか意見が分かれるところではないだろうか。
というのも、私自身も昔と今では考え方が変わってきているからである。
そもそもは、一度決めたことはなにがあっても最期までやる切ることが最上だと思っていた。
それが、やり方を変えることは悪いことでも恥ずかしいことでもないと考えるようになった。
もちろん、口だけ出してなにも行動をしなかったり、簡単に諦めたりすることは論外なのだが、昨今の私は、むしろピボットすることは大切だと思っているくらいだ。
貫きとおすことは美談にされがちだが、失敗確率を減らすためには、やり方をどんどん変えた方が効率がいい。
途中で思い直したり、最初は仲が良かった人と途中で仲違いしてもまた一緒になにかを目指すという姿勢も決して間違っていないと思うのである。
それは、自分自身の生き方もそうだし、ビジネスにおいても同様のことがいえるのではないだろうか。
Disney+(ディズニープラス)の戦略
ここ数年、動画配信サービスの勢いが止まらない。
サブスクリプションという言葉が世の中で認知されるようになって、拡がったサービスの1つにこの動画配信サービスがある。
代表的なものを挙げると、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、hulu、U-NEXT、dTVなどがある。
そしてもう1つ、Disney+(ディズニープラス)に今回はスポットを当てたいと思う。
Disney+は、その名のとおりDisney(ディズニー)が運営する動画配信サービスである。
アメリカで2019年11月にサービスを開始し、日本には2020年6月に上陸している。
そんなDisney+が日本を含むアジア太平洋地域(APAC)でのコンテンツ戦略を強化している。
それが、スターと呼ばれる新たなコンテンツブランドの投入である。
2021年2月に発表があったのだが、シンガポールを皮切りに、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、西欧などで順次展開している。
日本では、2021年10月27日から提供を開始し、今後1万6,000を超える作品群を届けていくという。
変化していくDisney+のコンテンツ
これまでDisney+のコンテンツブランドは下記で構成されていた。
- ディズニー
- ピクサー
- マーベル
- スター・ウォーズ
- ナショナル ジオグラフィック
サービスの看板にDisneyの名前があるのだから、当然ディズニー色が強いものが多かった。
こういったジャンルに比べると、取り入れていくと発表したスターはより大人向けのコンテンツになる。
- ディズニー・テレビジョン・スタジオ
- FXプロダクションズ
- 20世紀スタジオ
- サーチライト・ピクチャーズ
このように、ディズニー傘下の制作スタジオの作品が中心とはいえ、その中にはディズニー色にこだわらない作品群も多い。
例えば、サーチライト・ピクチャーズの作品で、第93回アカデミー賞で作品賞などを受賞した、ノマドランドが挙げられる。
他にも、20世紀スタジオのヒット作である、エイリアン、タイタニック、プラダを着た悪魔なども含まれる。
日本でも人気の海外ドラマもコンテンツに含まれる。
ウォーキング・デッドの完結編となるシーズン11はスターブランドの作品として独占配信が決まった。
これもディズニーのパブリックイメージとは異なるものの、Disney+加入のきっかけを促すような強力作になると期待されている。
特に日本を含むアジア太平洋地域のコンテンツ充実にも力を注ぎ始めている。
ディズニーにとって重要な市場ということで、日本は重要な戦略市場の1つと位置づけている。
日本市場に合わせたコンテンツにも焦点を当てており、スター初の日本のドラマとして、TBS日曜劇場のドラマ、TOKYO MER~走る緊急救命室~の配信がスタートした。
他にも、松尾諭原作、仲野太賀主演の拾われた男やコミックを実写化した柳楽優弥主演のガンニバルなど、新作ドラマの制作および配信も予定している。
スターの追加により、これまでにない幅と深さを持つゼネラル・エンターテインメント・コンテンツがラインアップに加わる。
それから、日本のトップクリエイターと協力することで、様々なローカルコンテンツを配信できるようになるとしている。
ビジネスモデルのピボット
企業が存続していくためには、ビジネスモデルを時代の流れに合わせて変えていく必要がある。
今回紹介したDisney+の場合は、大幅なビジネスモデルの変更ではない。
コンテンツの取り扱いや提供の仕方を変更するということで、大枠は他の動画配信サービスと変わらない。
けれども、ディズニー作品を中心としたコンテンツの提供だけでは限界があるということを示したように思う。
というのも、ディズニー作品を見る層というのは、やはり子どもと子どもを持つ親が圧倒的に多いだろう。
ディズニー作品はそういったターゲットにはかなり刺さる強いコンテンツなのは間違いなく、Disney+を開始してからある程度のユーザは獲得したはずだ。
ただ、これからさらにユーザを確保していくためには、それ以外のターゲットにもリーチしていかないといけないという判断がされてたのだと思う。
そこには、Netflixの急成長が影響しているように思う。
こちらに書いたとおりだが、まさに無双状態のNetflixを追随するには、ディズニー作品だけでなく他にも強いコンテンツを提供し続ける必要がある。
そういう意味で、Disney+の今回のちょっとしたピボットがどういった影響が出るのか、注目したいと思う。
まとめ
企業として存続していくためには、当たり前だが利益を上げなければならない。
そのためには、企業が生まれた当初のビジネスモデルが変わることは往々にしてあり得ることだ。
むしろ、そうしていくことが成長に繋がる。
大企業になればなるほど、このピボットが難しいとされる。
そんな中、大企業が地団駄を踏む中で、一気にリソースを集中できるのがスタートアップの強みなのである。
stak社も勝つために新たな仕掛けを始めるので、乞うご期待いただきたい。
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