こんにちは、さこです！

最近、Googleで検索をすると、検索結果とは別に「AIによる要約」が表示されるようになりました。

キーワードを入力すると、通常の検索結果の上にAIが複数のサイトの情報をまとめて「答え」を提示してくれる、あれです。

この機能は、検索した人が複数のページを見なくても要点をすぐに把握できるようにするためのもので、私自身もさくっと情報収集したい時などよく助けられています。

ただ、このAI要約をよく見ると、「どのサイトの情報が使われているのか」や「どんな基準で選ばれているのか」が明確ではありません。

そのため、ときどき「上位にあるはずのサイトが要約に出てこない」という不思議な現象が起きています。

例えば、「美容院 広島」と検索してみると、検索結果の1位にはある美容室の公式サイトが表示されるとします。

ところが、そのすぐ上に出てくるAI要約には、その美容室の情報がまったく含まれておらず、別の店舗だけが「おすすめ」として紹介されているケースがあるのです。

検索で1位に表示されているのに、AIの要約には出てこない。

この違いの背景にあるのが、最近注目されはじめた「AEO（Answer Engine Optimization）」という考え方です。

AEOとは何か

AEOとは「Answer Engine Optimization（回答エンジン最適化）」の略です。

これまでWeb担当者やマーケターが重視してきたのは「SEO（Search Engine Optimization）」、つまり検索エンジンで上位に表示されるための最適化でした。

しかし今、Googleのような検索エンジンは、単に情報を一覧表示するだけでなく、AIが自動的に複数の情報をまとめて「答え」を生成するようになっています。

この仕組みの中では、「どのサイトが上位にあるか」よりも、「AIが答えを作るときにどの情報を引用するか」が重要になります。

つまり、SEOが検索で見つけてもらうための施策だったのに対し、AEOはAIに使ってもらうための施策だと言えます。

今後は、人間の目に触れることよりも先に、AIに理解され、引用されることが大切になってくるのです。

なぜ今、AEOが重要なのか

AEOの必要性が高まっている背景には、検索行動の変化があります。

従来の検索と今の検索には、構造そのものに違いが生まれてきています。

AIが答える検索が増えている

従来の検索は、ユーザーが自分で複数のリンクを開き、情報を探すものでした。

しかし今は、AIがその手間を代わりに担っています。

AIが複数のページを読み取り、最も適切と思われる情報をまとめて提示するため、ユーザーはリンクを開かずに満足してしまうケースが増えています。

つまり、AIに引用されない限り、どれだけSEOで上位を取ってもユーザーの視界には入りません。

検索の入口が変わっている

GoogleのAI要約をはじめ、ChatGPTやPerplexityなど、AIが回答を生成するタイプの検索体験が増えています。

ユーザーは「AIがまとめた答え」で用件を済ませるようになっており、クリックされる回数は減少しています。

結果として「AIに選ばれるかどうか」が、露出機会を左右する新しい指標になってるのです。

信頼性と一貫性が求められている

AIは回答を作る際に、どの情報を信頼できるかを判断しています。

情報の正確さ、出典の明示、専門性などが重要視されており、単にSEO上位にあるだけでは引用されにくい傾向にあります。

AIが参照するのは、AIが信頼できる構造を持ったサイトです。

この点で、AEOを意識した情報整理や信頼性の設計が不可欠になっています。

AEOがもたらす変化

AEOを意識することで、コンテンツ制作やウェブ設計の考え方も変わっていきます。

これまでのSEOでは「人間が読みやすい」「クリックしたくなる」などの要素が重視されてきました。

一方でAEOでは、AIにとって理解しやすいことが重要です。

文章の構造や情報の整理、専門性の一貫性など、AIが正しく意味を読み取れるようにすることが評価されます。

これは「人間向けのデザイン」から「人間とAIの両方が理解できる情報設計」へのシフトだと言えるでしょう。

検索順位を上げることだけが目的ではなく、AIが信頼して答えに使いたいと思うサイトを目指す必要があるのです。

「AIに無視される」という新しい課題

SEOで1位を取っていても、AI要約でその情報が使われないケースはすでに多く見られます。

とくにローカルビジネスや店舗サイトなどでは、AIが地図データやレビューサイトなど別の情報源を優先して参照する傾向があります。

その結果、検索結果では目立っていても、AIの答えの中には存在しないという状態が起きているのです。

これは単なる一時的な現象ではなく、今後AI要約が一般化すれば、より顕著になる可能性があります。

AIが参照する情報の基準は、これまでSEOで培ってきたものとは異なります。

これまでの順位や被リンクではなく、情報の構造化や信頼性の提示といった、AIに理解される仕組みが重要になるのです。

SEOとAEOの関係

AEOが注目されることで「SEOはもう意味がないのでは？」と思うかもしれません。

しかし、SEOとAEOは対立する概念ではありません。

SEOはこれまで通り、検索エンジン上で発見されるための基本です。

その上で、AEOはAIが答えを作る際にどのように扱われるかを新しく考えていく必要があります。

SEOで見つけてもらいAEOで引用される、これからのウェブ施策はこの二段構えで考えることが求められます。

まとめ

検索の仕組みは、これまでの「ユーザーが探す」から「AIが答える」へと変わりつつあります。

AEOは、その新しい検索環境に対応するための考え方です。

まだこの言葉を知らない人も多いですが、今後の情報発信やサイト運営では確実に意識すべき領域になります。

SEOで上位を取ることだけでは不十分で、AIの回答の中に含まれることが新しい目標になります。

これからのウェブ戦略では、「AIに選ばれること」が最も重要な評価指標になるでしょう。