【Day 40/365|1日1金融用語】固定金利と変動金利 ——「安いか高いかじゃなくて、リスクをどっちが持つかなんですね」と気づいたカナの話

【Day 40/365|1日1金融用語】固定金利と変動金利 ——「安いか高いかじゃなくて、リスクをどっちが持つかなんですね」と気づいたカナの話

昨日はDay 39で、ローンと利息の総額を見ました。 三菱UFJ銀行の住宅ローンは、店頭表示金利年3.375%から銀行が自分の判断で優遇(引き下げ)した適用金利年1.195%で借りられる、という話でした。今日は、その1.195%自体が「変わらない前提」だったことに目を向けます。 変動金利は、その名のとおり変わります。 そして、変わったときにどうなるかは、固定金利を選んでいたかどうかで大きく違います。

固定金利と変動金利を学ぶカナの4コマ・起
カナ「変動金利の方が安いなら、みんな変動を選びますよね?」

実際、多数派は変動型です。 ただ「安いから選ばれている」のと「安全だから選ばれている」のは、別の話です。

固定金利と変動金利を学ぶカナの4コマ・承
カナ「今1.195%なら、この先も1.195%のままなんでしょう?」

そこが今日の分かれ道です。 変動金利は、金融情勢に応じて銀行が見直します。 今の1.195%は「今の数字」であって、「35年間の約束」ではありません。

固定金利と変動金利を学ぶカナの4コマ・転
カナ「え、途中で上がったら、利息の総額も変わるんですか?」
サトル「変わる。5年後に1.195%から2.195%へ1ポイント上がったと仮定すると、35年間の総利息は約672万円から約1,136万円まで増える。固定20年の今の適用金利4.46%で借りていたら、月々の返済額は最初から5万円以上高かった。どちらのリスクを取るかという話だ。」

種明かしです。 「変動が安い」のは、銀行が上げるかもしれないリスクを借り手が引き受けているからです。 「固定が高い」のは、銀行が上げられないリスクを銀行自身が引き受けているからです。リスクは消えず、どちらかが持っています。

固定金利と変動金利を学ぶカナの4コマ・結
カナ「安いか高いかじゃなくて、リスクをどっちが持つかなんですね」

そういうことです。
ここからは、固定金利と変動金利の仕組み、実際に何割の人がどちらを選んでいるか、金利が上がったときの総利息の変化、そして私の100万円にも金利タイプの区分があるのかを、順に見ます。

固定金利と変動金利とは?

変動金利は、一定期間(多くの銀行で半年ごと)ごとに金利水準を見直すタイプです。 市場の金利が下がれば返済額も下がる可能性がありますが、上がれば返済額も上がる可能性があります。固定金利は、契約時に決めた金利が、決めた期間(固定期間選択型)または完済まで(全期間固定型)変わらないタイプです。 Day 39で見た「店頭表示金利から優遇(引き下げ)される」という仕組みそのものは、変動でも固定でも同じです。 違うのは、その決まった金利が「今後も変わらない約束」なのか、「今だけの数字」なのかという点です。

多くの銀行の変動金利には「5年ルール」と呼ばれる仕組みがあります。金利が見直されても、直近5年間の毎月の返済額はすぐには変わりません。 5年ごとに返済額を再計算し、その際も直前の返済額の125%を上限とする「125%ルール」を設けている銀行が一般的です。返済額が変わらないからといって、利息が増えていないわけではありません。 金利が上がった分は、返済額に反映されるまでの間、未払利息として積み残される場合があります。

実際に何割の人が、どちらを選んでいるか

住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月調査、2025年4月〜9月に住宅ローンを利用した1,237人が回答、発表:2026年2月20日)によると、利用した金利タイプの割合は次のとおりです。

  • 変動型:75.0%(2025年4月調査より▲4.0ポイント)
  • 固定期間選択型:14.9%(2025年4月調査より+2.7ポイント)
  • 全期間固定型:10.1%(2025年4月調査より+1.3ポイント)

変動型が依然として多数派ですが、前回調査からは減少し、固定系(固定期間選択型+全期間固定型)は合わせて25.0%まで増えています。 これは「変動が危ない」と全員が思い始めたという話ではなく、今の金利水準の中で、少しでもリスクを減らしたいと考える人が増えているという変化として読めます。 多数派が変動型であることは事実ですが、多数派だから正解というわけではありません。

実際の数字で見る:9月の利上げで、変動金利の土台が動いた

変動金利が「金融情勢に応じて見直される」のは、遠い先の話ではありません。 Day 38で見た日本銀行の利上げ(2026年9月18日決定、政策金利1.0%程度→1.25%程度)を受けて、三菱UFJ銀行は同じ日に、次の2つを発表しました。

  • 短期プライムレート:年2.375% → 年2.625%(2026年11月2日から)
  • 住宅ローンの変動金利の基準金利:短期プライムレートの引き上げに合わせて見直す

基準金利が実際にいつ変わるかは、借りた時期と変動金利の種類で違います(三菱UFJ銀行「住宅ローンの変動金利の見直しについて」、2026年9月18日)。

  • 2026年12月1日以降に新しく借りる人:毎月1日を基準日に見直す(12月分は11月30日に発表)
  • すでに借りている人(毎月型):基準日は2026年12月1日です。 新しい金利は2027年2月の返済分から
  • すでに借りている人(年2回型):基準日は2027年4月1日です。 新しい金利は2027年7月の返済分から

今日の試算で使っている適用金利1.195%は、Day 39で見た2026年10月1日現在の数字です(9月1日現在も同じ1.195%でした)。「今の1.195%」は、早い人なら2027年2月の返済分から、変わり始める数字だということです。 ただし、上で見た「5年ルール」がある場合は、毎月の返済額はすぐには変わらず、まず返済額の中の利息の割合が増えます。
変動金利を選ぶとは、この「いつ・どれだけ動くか」を、自分で負担するということです。

金利が上がったら、総利息はどう変わるか

ここからは、元利均等返済の計算式を使った、筆者自身によるシミュレーションです(三菱UFJ銀行や住宅金融支援機構が公表している数字そのものではありません)。 借入額3,000万円・返済期間35年で計算します。

  • 変動金利が35年間ずっと1.195%のままだった場合(Day 39と同じ前提):総利息 約672万4,532円
  • 変動金利が5年後に1.195%から2.195%へ1ポイント上がり、以降その水準が続いた場合(5年ごとの見直しで、残りの返済額を残高と残り期間から再計算したと仮定):総利息 約1,136万7,310円(差 約464万2,777円)
  • 固定20年の今の適用金利4.46%(Day 39参照)で借りた場合:毎月の返済額は約14万1,235円で、変動金利1.195%の約8万7,439円より月あたり約5万3,795円(年間で約65万円)高い

「変動が1ポイント上がるだけ」でも、35年間では総利息が460万円以上増えます。 一方、固定を選んだ場合は、その460万円分の上振れリスクを最初から返済額に含めて払っている、とも言えます。 どちらが得かは、この先金利が実際にどう動くかによって決まるため、今日の時点では判定できません。

⚠️ 3点、断ります。
① これは筆者が計算した試算です。 実際の銀行は「5年ルール」「125%ルール」など独自の見直し方法を採用しており、円単位の金額は異なります。
② 金利がいつ・何ポイント上がるかは誰にも分かりません。 今回は「5年後に1ポイント上昇」という仮定を置いただけで、将来の予測ではありません。
③ 固定20年の数字を35年間そのまま当てはめた比較は、簡略化した参考値です。 実際の固定期間選択型は、固定期間が終わった後に再度金利タイプを選び直す商品です。

私の100万円と、金利タイプ

この連載では、私が実際に100万円を1年間運用しています。

昨日、記録に足したのは「借りている額」の欄でした。 答えは「借りていません。段3に負債はゼロです」。
今日足すのは、「金利タイプ」の欄です。 私の100万円は、固定金利型なのか、変動金利型なのか。

Day 6で実質を併記、Day 7で税引後、Day 8で分母、Day 9で元手の出どころ、Day 10で自分の税率、Day 11で住民税10%込み、Day 12で預金の線、Day 13で変化の原因の切り分け、Day 14で通貨の内訳、Day 15でドル建て、Day 16で理論値だと断ること、Day 17で通貨自体が割安だと明記すること、Day 18で制度が動いた日付、Day 19で書く順番、Day 20で判定せず事実だけを残すこと、Day 21で残高と流れを分けること、Day 22で分子と分母のどちらが動いたかを書くこと、Day 23で実質を何で割ったかを書くこと、Day 24で引いた数字がどの版なのかを書くこと、Day 25で運用の成績を黒字の日数に換算すること、Day 26で「一度だけ決めたこと」と「その場で決めたこと」を分けること、Day 27で生活防衛資金を運用の口座に混ぜないこと、Day 28で現金になるまでの営業日数を書くこと、Day 29で諦めた1つを書くこと、Day 30で負債の側を書くこと、Day 31で想定した幅の中か外かを書くこと、Day 32で中身どうしの向きを書くこと、Day 33で約束の範囲を書くこと、Day 34で段3の真ん中を線の欄と分けること、Day 35で真ん中の出どころを書くこと、Day 36で間に立つ人を書くこと、Day 37で倒れたときに前に出る人を書くこと、Day 38で決める人がいるかいないかを書くこと、Day 39で借りている額があるかないかを書くこと。
今日足すのは、金利タイプの区分があるかないかを書くことです。

答えは、区分自体がありません。 私の100万円は、ローンでも預金でもなく、値をつけているのは市場だからです(Day 38で書いた「決める人がいるか」の答えと同じ理由です)。 記録には、こう書きます。「金利タイプ:該当なし。固定でも変動でもなく、市場の値がついた分だけ増減する。」
カナはいま、リボの返済を進めているところです。 リボの金利は、多くの場合固定です。「変動が上がるかもしれない不安」はありませんが、「もともと高い金利のまま」という別の重みがあります。

よくある質問(FAQ・全6問)

Q1. 固定金利と変動金利、結局どちらを選べばいいですか?

この記事だけでは決められません。 今の負担の軽さを取るなら変動、将来の上昇リスクを避けたいなら固定です。 どちらも「リスクをどちらが持つか」の選択であり、正解は個人の状況(返済期間・収入の安定性・金利上昇への耐性)によって変わります。

Q2. 変動金利の「5年ルール」「125%ルール」とは何ですか?

金利が見直されても、返済額の変更を5年ごとに限り、変更後の返済額を直前の125%までに抑える銀行独自のルールです。 これにより急激な負担増を避けられますが、上がった分の利息が消えるわけではなく、未払利息として積み残される場合があります。

Q3. 実際に何割の人が変動金利を選んでいますか?

住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査)では75.0%が変動型でした。 前回調査(2025年4月)より4.0ポイント減少しており、固定期間選択型(14.9%)と全期間固定型(10.1%)を合わせた固定系は25.0%まで増えています。

Q4. 変動金利が1ポイント上がると、総利息はどれくらい増えますか?

筆者の試算では、3,000万円を35年で借りた場合、5年後に1.195%から2.195%へ1ポイント上がると、総利息は約672万円から約1,136万円まで、約464万円増えます。 実際の増加額は銀行の見直し方法や上昇のタイミングによって変わります。

Q5. 固定金利を選ぶと、最初からどれくらい負担が重いですか?

Day 39で見た固定20年の適用金利4.46%で計算すると、毎月の返済額は約14万1,235円です。 変動金利1.195%の約8万7,439円と比べて、月あたり約5万3,795円、年間で約65万円高くなります。

Q6. 私の100万円にも、固定・変動の区分はあるんですか?

ありません。 私の100万円はローンでも預金でもなく、値をつけているのは市場です。 固定でも変動でもなく、市場の値がついた分だけ増減します。

まとめ

固定金利と変動金利の違いは、「どちらが得か」ではなく「金利が上がるリスクを、誰が負担するか」という選び方の違いです。 住宅金融支援機構の調査では変動型が75.0%と多数派ですが、前回調査より4.0ポイント減少し、固定系は25.0%まで増えています。筆者試算では、変動金利が5年後に1ポイント上がると、35年間の総利息は約464万円増えます。 一方、固定20年を選ぶと、最初から毎月の返済額が約5万3,795円高くなります。 私の100万円には、固定・変動という区分自体がありません。

🎯 今日の1手(実践)

昨日は、自分(または将来)のローンについて、店頭表示金利と適用金利の差を確かめました。今日は、その金利が「固定」なのか「変動」なのかを確認します。 手順は2つです。

1つ目。 もしローンを借りているなら、契約書か銀行のマイページで、自分のローンが固定金利型・固定期間選択型・変動金利型のどれかを確認します。 借りていない、または検討中なら、興味のある銀行の説明ページで、変動金利に「5年ルール」「125%ルール」があるかどうかを、今日の日付と一緒に控えてください。
2つ目。 変動金利を選んでいる(または検討している)場合、金利が1ポイント上がったら毎月の返済額がどう変わるかを、銀行のシミュレーターで一度試算します。 今日はここまでで、固定に変えるべきかどうかの判定はしません。

Day 7で手取り率、Day 8で基本給比率、Day 9で標準報酬月額、Day 10で実効税率、Day 11で住民税倍率、Day 12で何もしなかった場合の額、Day 13で金利感応度、Day 14で外貨比率、Day 15でドル建て換算、Day 16で往復コスト率、Day 17で割安率、Day 18で会合の日付、Day 19で7つの棚卸し、Day 20で自分DI、Day 21でGDP比率、Day 22で分母を替えて確かめること、Day 23で引く相手を書くこと、Day 24で実質の昇給率、Day 25で自分の1枚、Day 26で固定費率、Day 27で3行の並べ方、Day 28で段ごとの日数、Day 29ですぐ出せる状態の値段、Day 30で純資産、Day 31で段3の振れ幅、Day 32で中身どうしの向き、Day 33で約束の範囲、Day 34で段3の真ん中、Day 35で真ん中の出どころ、Day 36で間に立つ人、Day 37で前に出る人の線、Day 38で自分の銀行の金利を日付つきで控えること、Day 39で店頭表示金利と適用金利の差を、日付つきで控えること。
今日の「自分のローンが固定か変動か、5年ルールの有無を、日付つきで控えること」で34個目です。

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⚠️ ご注意

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