屋烏之愛(おくうのあい)
→ 人を愛すると、その人の家の屋根にいる烏(からす)まで愛するようになる。
愛情を注ぐ側にも注がれる側にも一定の負担がかかると感じている。
それは、愛情が上手く絡み合っている場合には問題がないのだが、少しでもズレが生じるときに起こる。
つまり、愛情がストレスに変わるということだ。
愛情が度を越すと事件につながるような痛ましい事件が起こることもある。
そんなことがないようにするためには、ストレス耐性を身につける必要がある。
ストレスを感じる瞬間
こんな調査結果が出ている。
それは、アメリカの大企業を対象に12年間という長い年月をかけて行ったものである。
対象となった人は、厳しい労働環境にさらされている人たちである。
いわゆる管理職と呼ばれる人たちで、高いストレスを感じることが多い機会が多い人たちである。
ところが、調査対象となった大企業の管理職の人たちは、ストレスを感じたり、病気になったりする人たちが圧倒的に少なかった。
その理由は、管理職のポジションには、できるだけ共通する特徴を持った人たちを配置したからだという。
心理学者たちの間でも話題になっているのが、大きなストレスにさらされても、健康を維持している人たちがいるということだ。
こうした人々は、他の人たちとは違う形でストレスというものを捉えているからである。
そして、共通する3つの特徴を見つけ出した。
ストレス耐性が高い人の3つの特徴
自分を成長させること、生活に張り合いが生まれ豊かになり、充実感が得られるようになるには3つのCがある。
この3つのCが備わっているという人はストレス耐性が高いということだ。
1つ目は、Commitment(コミットメント)である。
自分の人生や課題、人間関係に深く関与しているという感覚があり、周囲の出来事への関心も高い状態を指す。
日常生活の様々な出来事に自分は関わっていると感じる傾向がある人と言い換えることができる。
否定的な態度をとったり、無力感や空虚感、退屈な思いなどに囚われることが少ない状態だ。
つまり、人との関わり合いを持っているという実感がある人ほど、Commitmentが備わっているということになる。
2つ目は、Control(コントロール)である。
自分の行動が、物事の推移や結果に対して良い影響を及ぼすと考えていて、直面している出来事や問題に自分自身がそれを統制していると感じる傾向がある人はControlできているということだ。
要するに、自分が置かれた状況を自分でなんとかできるという自信を持っている状態である。
この状態であれば、ネガティブに捉えることを避ける傾向にある。
3つ目は、Challenge(チャレンジ)である。
人生における変化やハプニングを脅威としてではなく、挑戦や成長の機会と捉えようとする傾向がある人はChallenge精神が備わっている。
悪い経験からも学ぶことはあり、成長するための重要なファクターであることを理解している。
努力をすることを惜しまずひたむきに行動するため、困難な問題であっても自分が成長していくための試練だとみなせる思考を持っている。
ハーディネスとレジリエンス
上記に述べたストレス耐性が高い人をハーディネスという。
高いストレスの下でも健康を保つ人が持つ特性を備えているということだが、似た言葉でレジリエンスという言葉もある。
レジリエンスとは回復力、復元力、弾力性と訳され、日本では折れない心、しなやかな心といった表現で使われる。
このレジリエンスとハーディネスは強いストレスに直面しても逃避せずに積極的に対応しようとする心理的特性だ。
その違いはハーディネスが大きな問題に直面しても傷つかない特性ならば、レジリエンスは回復力やしなやかさという意味を持つ。
つまり、レジリエンスには、傷ついても回復できる、傷つきながらも進んでいけるというような特性があるということが理解できる。
ストレスの回避方法
ストレス耐性が高いことにこしたことはないが、なかなかそうもいかない人も多いだろう。
そんなときは、ストレスに強い人の特徴を学ぶことで、少しはストレスを回避できるかもしれないというマインドを持とう。
まず、物事を客観的にとらえることができる人はストレス耐性が高い傾向にある。
現状に向き合わず、不安やネガティブな思い込みで物事を判断してしまうのであれば、それはストレスに弱いタイプの人なのかもしれない。
落ち着いて物事を客観的にみるように心掛けてみるといいかもしれない。
そして、自分の心の声に耳を傾けることができる人もストレス耐性が高いとされる。
なにかミスをして上司に怒られたとしよう。
怒られたことに対しての悔しさや不安などの感情は感じて当然だが、大切なのは自分の心の声に気づいているかということだ
いかに不安から疑心暗鬼にならず、自分軸を持つかを意識してみよう。
さらに、必要なのは、まあ、いいかと思える楽観性だ。
悲観的でも否定的でもなく楽観的に考えることも重要ということだ。
失敗しても気持ちを切り替え、多少のミスは気にし過ぎないことだ。
なにもかも楽観的なのもどうかと思うが、悲観的になり過ぎて悪い方向にばかり考えてしまうのはよくない。
長期的な視野で対処するということを心がけてみよう。
まとめ
活き活きしている人はストレスを感じていないと思うことは、少々ズレているように思う。
やはり、どんな人でも少なからず、ストレスを感じているのが現状だ。
そう見えるのは、周りに頼れる人がいたり、ストレスを逃がす方法をいくつも知っているということに尽きる。
愛情とストレスに上手く付き合って生きていこうではないか。
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