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2025年1月27日 投稿:swing16o

世界最古の人工物から学ぶビジネス戦略とテクノロジー

万世不朽(ばんせいふきゅう)
→ 永久に滅びないことやいつまでも朽ちず残ること。

万世不朽という言葉は、いつまでも朽ちずに残るという意味を内包している。

古来、人々は自らの文明や文化を「永遠に残したい」という欲求を持っていたとされる。

古代エジプトのピラミッドや古代メソポタミアのジッグラトなど、巨大建造物を残すことで自分たちの痕跡を後世に伝えようとしたわけだ。

そもそも、永遠という概念は宗教観や世界観と深く結びついている。

例えば古代エジプトでは、死後の世界での永遠の安寧を得るために墳墓や副葬品を用意した。

古代メソポタミアでも、神々への崇拝を通じて来世や永続性を祈念していた。

こういった「万世不朽」に関する思想は、文明が興っては消える歴史の中で、形ある人工物として強く刻まれてきた。

しかし、ただ大きなものを造るだけでは朽ちずに残りはしない。

気候変動、自然災害、人間の破壊行為などをかいくぐって今日まで残るということは、それだけ当時のテクノロジーが優れていた証拠ともいえる。

耐久性を高めるための工法、材料選定、立地の工夫など、いずれも当時としては最先端の技術だった。

現在のITやIoTの世界においても、万世不朽に近いアプローチを模索している企業がある。

stak, Inc.が提供する機能拡張型のIoTデバイス「stak」も、その思想に近いと思っている。

小型かつ柔軟な拡張を行うことで、製品として長寿命化し、未来にわたって価値を提供し続ける狙いがあるからだ。

万世不朽を目指す上では、単にハードが残るだけでなく、長くアップデート可能な仕組みや体制も求められる。

AIをはじめとするクリエイティブ要素やマーケティング戦略と結びつけ、時代に合わせて変化し続ける必要がある。

万世不朽の概念は、人間が「有限」であるがゆえの願望かもしれない。

だからこそ、ピラミッドに代表される建造物のような大規模構築物がいまだに我々を魅了し、観光客を惹きつける。

ユネスコのデータによると、エジプトのピラミッド群(ギザ台地、サッカラなど)を訪れる観光客は年間約1,000万人を超えている(出典:UNESCO世界遺産統計)。

そこには単なる歴史遺産にとどまらず、万世不朽を体現したいという人類の根源的な想いが詰まっていると考えられる。

世界最古の人工物を徹底調査

世界最古の人工物を語るとき、よく石器や洞窟壁画などが例に挙げられる。

だが、ここでは「建築物」や「造形物」に的を絞る。

あくまで「人間が意図的に造った建造物」として最古のものを探ると、トルコ東南部にある「ギョベクリ・テペ(Göbekli Tepe)」が最有力候補と言われている。

考古学的調査によると、紀元前9500年頃から建造が始まったとされ、世界最古級の巨石構造物として注目されている(出典:Klaus Schmidtによる発掘調査報告)。

ギョベクリ・テペの建造には、当時の技術としては信じられないほど巨大な石柱が用いられている。

高度な石材加工技術の痕跡や動物のレリーフが刻まれた柱も発見されている。

まだ文字さえ存在しなかった時代に、なぜ人々はこんな大掛かりな建築を行ったのか。

支配者階級や都市国家の存在が確認される前の段階で、狩猟採集民が協力して宗教的な儀式を行うための聖地を築いたという見方が有力だ。

農耕文明以前の段階でも「万世不朽」を志す意識があったのかは不明だが、少なくとも「超自然的な存在に捧げる場所を作りたい」という意欲が群衆を動かした。

これは歴史上初期の巨大建造物として非常に興味深い。

一方で、古代メソポタミアのジッグラトやエジプトのピラミッドも候補に挙がることがある。

だが、紀元前3000年〜2000年頃の創建が多く、ギョベクリ・テペの方が年代的に遥かに古い。

世界四大文明で有名な建造物のほとんどは、農耕が定着して国家体制が整ったうえで進められている。

ギョベクリ・テペは、その時代より数千年も早く造られている点で特異だ。

徹底調査していくと、万世不朽の基点を探る手掛かりとして、ギョベクリ・テペは見逃せない存在といえる。

ピラミッド、マチュピチュ、ナスカの地上絵の歴史と価値

ギョベクリ・テペが世界最古に近い一方で、観光やメディアで圧倒的な知名度を誇るのはピラミッド、マチュピチュ、ナスカの地上絵などだろう。

これらは世界四大文明やインカ文明に代表される壮大な遺構であり、建造技術や目的のベールに包まれた神秘性が、多くの人を惹きつけてやまない。

ピラミッドについては、エジプト最大のクフ王のピラミッドが有名だ。

約4500年前に建設され、230万個もの石灰岩や花崗岩ブロックが使われたとされる(出典:英国エジプト探検協会の調査報告)。

総重量は600万トンを超えるという説もあり、当時の技術ではどうやって運搬・積み上げを行ったのか、未解明な部分が多い。

内部の構造も精密で、王の埋葬室や通気口などが数学的・天文学的に設計されていると言われる。

マチュピチュは15世紀頃にインカ帝国が造った天空都市だ。

標高2400メートルもの高地に巨大な石造建築群が並び、農耕テラスや神殿、天文観測所とされる施設などが発見されている。

岩と岩が隙間なく組み合わさっている様子は、最新の工具でも再現困難だとする意見もある(出典:ペルー文化省の研究)。

当時のインカが文字を持たなかった背景から、なぜこの場所に都市を築いたのか、なぜ忽然と放棄したのかなど、多くの謎が残っている。

万世不朽の思想というより、実用性や宗教性、権威の象徴として造られたものと考えられるが、結果的には現代にも朽ちずに残り、人類の貴重な遺産となった。

ナスカの地上絵は、紀元前100年〜紀元後700年頃に描かれたとされる巨大な地上絵群である。

猿やハチドリなどの生物の形象や幾何学模様が有名で、総面積は500平方キロメートル以上に及ぶ。

高空から見なければ全体像を把握しづらいほど巨大で、誰が何の目的で描いたのかは諸説ある。

宗教儀式や天文学的観測用という説が有力だが、確証はない。

これも現代の風雨が少ない乾燥地帯であったことが功を奏し、地表に傷がつきにくかったことで保存されてきた。

別の地域であればとっくに消え去っていたはずの人工物が、特殊な環境条件によって万世不朽の状態に近い形で残存している。

世界四大文明に象徴される建造物の徹底調査

世界四大文明とは、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明(黄河流域)を指す。

これらの地域には、地理的条件や資源に恵まれたこと、河川近辺で農耕が発達したことなどから、大規模な都市と建造物が誕生した。

メソポタミア文明でいえば、ジッグラトと呼ばれる神殿塔が代表的だろう。

インダス文明ではモヘンジョダロやハラッパーの都市遺跡が発見され、高度な水道・排水施設が整っていた(出典:インド考古局の発掘資料)。

黄河文明では長城や都城を挙げる前に、殷や周の時代の遺構も重要だ。

青銅器文明の発展に伴い、武器や宗教的祭器が大量に作られ、権力の象徴となった。

これら建築物は大概が宗教儀式や王権を示すために作られた。

万世不朽に至るには、やはり人々が長期的に維持管理する目的や仕組みがあったことが大きい。

例えばエジプトの神殿やピラミッドは「ファラオ=神」という絶対的権威を背景に、国家プロジェクトとして整備された。

インダスの都市計画にも、強大な統治組織があったと推測される。

つまり、万世不朽な人工物は、「造りたい」という職人の情熱だけでは実現しない。

中央集権的な権力基盤や、その象徴としてのブランディングが不可欠となる。

このあたりの構図は現代のITプロダクトやIoTサービスにも通じる。

プロダクトのアイデアが秀逸でも、資本力や集客力がなければ市場に根付かず、消え去ってしまう。

AIを駆使した画期的なサービスでも、運営母体の強固な体制がなければ長期的なアップデートや維持は難しい。

万世不朽を目指すなら、建築技術やデザインだけでなく、政治的・経済的・社会的な基盤づくりが欠かせない。

メソポタミアやエジプトを見れば、その根幹として「神話や宗教を活用した強烈なブランディング戦略」があった。

ユーザー(人民)を惹きつけるための施策として、神々のための壮大な神殿を作る。

今で言うところのマーケティングに近い発想かもしれない。

stak, Inc.に置き換えるなら、シンプルかつ斬新なデバイス設計を通じて「stak」というブランドを確立し、ユーザーコミュニティとの強い結束を築くイメージだ。

未解決の技術的謎と現代テクノロジーへの応用

古代建造物には現代の技術でさえ完全には解明できない謎が多い。

ピラミッドにおけるブロック運搬方法、マチュピチュでの石組技術、ナスカでの大規模線画の測量技術など、当時の人々はどうやってこれらを成し遂げたのか。

伝承や考古学的証拠が残されていない部分は、諸説入り乱れている。

宇宙人説さえ根強く支持されるのは、それほど「謎」が多い証拠とも言える。

現代においては、ITやIoTを活用した3Dスキャンやドローン測量などで、建造物の微妙な傾きや石材の組み合わせパターンを解析できる。

大規模データをAIが処理し、建造物の設計思想を再現しようとする研究者も増えている。

近年、3DプリンタやAR技術の進歩によって、歴史的建造物の一部をデジタル復元して提示する取り組みも始まっている(出典:欧州考古遺跡デジタル復元プロジェクトの報告)。

こうしたテクノロジーを使えば、古代の謎に迫るだけでなく、現代社会が応用できるヒントを得られる可能性がある。

例えば大規模プロジェクトのマネジメント手法、資源の効率的活用、職人技の継承などは、企業経営においても学べる要素が多い。

万世不朽を達成するには、「壊れにくくする」「再構築できる」「アップデートを可能にする」という3つの視点が重要になる。

古代の巨大建造物も、絶妙な立地選定と高度な石組技術で耐久性を実現し、修復が容易な設計になっていた部分がある。

人間が代々引き継いでいく体制こそが、結果的に建物を万世不朽たらしめた。

ITやIoTプロダクトで言えば、サーバーやネットワークインフラのメンテナンス性、ソフトウェアのアップデート体制、ユーザーコミュニティの維持などが相当する要素だ。

まとめ

最後に、万世不朽の建造物の存在をどうビジネスや人格形成に生かすか考えたい。

古代の遺物をただ眺めて「すごいなあ」と感動するだけではなく、そこから学べるのは「長期戦略」「強いブランディング」「テクノロジーと組織体制の両輪」といった視点だろう。

特に企業経営においては、プロダクトやサービスを一過性のヒットに終わらせるのではなく、10年、20年、それ以上にわたって支持される形を作ることが重要になる。

stak, Inc.では、技術そのものを目的化せず「人々の生活をアップデートし続ける」というビジョンを掲げている。

そこには古代建造物のように数千年残るものづくりをしよう、という思いがあるわけではない。

ただ、少なくとも「壊れにくく、常に拡張できる」IoTデバイスは時代の変化に合わせて進化し、結果的に長いスパンで生き残る可能性が高いはずだ。

これは確かに万世不朽とは言えないまでも、時代が移り変わっても価値ある存在であり続けるための方策と捉えている。

ビジネスで万世不朽を追求するなら、ブランド力の確立、強力なマーケティング、そして継続的なイノベーションが不可欠である。

また、万世不朽の背後には、「人を感動させる物語」があることも見逃せない。

古代エジプトの王権神話、インカ帝国の天空都市伝説、ナスカの宇宙人説など、歴史的謎やロマンがブランド価値を高め続けている。

現代の企業におけるストーリーテリングやPR手法も、この本質と通じる。人々の意識に深く刻まれるメッセージや体験を作り込むことこそが、長期的なファンの獲得につながる。

万世不朽の歴史から学べるのは、結局、人間の本質が「何かを残したい」という願望を持っているということだ。

ピラミッドやマチュピチュに感じる畏敬は、あらゆる時代の人々の創造性と持続力の証明だと考えている。

ITやAI、IoTが進化しても、その根源的な欲求は変わらない。

だからこそ、企業としても個人としても、自分たちの価値を長期的に残すにはどうしたらいいか真剣に考え、行動し続ける必要がある。

万世不朽の建造物を学ぶことは、ビジネスの永続性やセルフブランディングのヒントを得る好機だと捉えている。

 

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