咫尺之地(しせきのち)
→ 狭い土地のこと。
日本は国土が狭いというのは周知の事実だろう。
国土が狭いということは、建物にも影響が出てくるということは想像に難くないはずだ。
そして、日本の中でも不思議な現象が起きてしまうことがある。
例えば、stak, Inc. の拠点のある広島と福岡の賃貸住宅の賃料を比較した場合について考えてみる。
まず、広島市の場合、市街地の中心部や駅周辺などの人気の高い地域では、1Kタイプの賃貸住宅は月額5万円以上の家賃が一般的だ。
そして、郊外やアウトレットモールなどの周辺地域では、1Kタイプの賃貸住宅が月額3万円程度の家賃で借りることができる。
一方で、福岡市の場合、市街地の中心部や天神などの繁華街に近い地域では、1Kタイプの賃貸住宅は月額6万円以上の家賃が一般的だ。
また、福岡市内の地下鉄沿線などの便利な立地にある物件は、家賃が高くなる傾向がある。
ただし、一部の高級賃貸マンションを除いては、広島市よりも家賃がやや低い傾向にある。
これは不思議だとは思わないだろうか。
広島市の人口は2020年10月1日の時点で約118万人となっており、中国地方最大の都市だ。
けれども、福岡市の人口は同じく2020年10月1日時点で約155万人と九州地方最大の都市で、広島市と比較しても30万人以上の人口の開きがある。
それなのに、広島市の方が家賃が高くなるのはなぜだろうか。
理由は1つではないとは思うが、広島市は6つの大きな川が流れているからだといわれている。
太田川から分流する、太田川放水路、天満川、京橋川、元安川、猿猴川の6つの川が、市街地に占める水面の面積の比率が実に約13%と大きく、さらに川幅の広い河川が多いのが特徴だ。
その結果、土地がなかなか有意義に使えず、建物を確保できる場所も限られるため、福岡と人口比率で比較した際の賃貸物件が少なく賃料が広島の方が高くなる場合があるという。
このように、狭いといわれる日本国内でもさらに細かく様々な事情があるのが現状だ。
狭い土地に有効活用できるタワーマンション
日本でも大都市を中心に気が付けばタワーマンションが乱立するようになった。
狭い土地に効率よく居住地を増やそうと思えば、高さを出すことは当然といえば当然なのだろうが、それにしても多くのタワーマンションが建設されたように思う。
そもそも、タワーマンションとは、多階層の高層マンションを指す用語で、一般的に高さが50メートル以上、20階以上の建物を指すといわれている。
ただし、厳密な定義はなく、地域や文脈によって異なる場合も多い点には注意が必要だ。
そして、日本で初めて建設されたタワーマンションは、東京都港区にあった赤坂プリンスホテルに隣接する、赤坂パークビューマンションだ。
1961年に完成し、高さは約70メートルということで、当時は高層マンションは珍しかったため話題を呼んだ。
赤坂プリンスホテルは2023年現在はなくなっているが、赤坂パークビューマンションは今でも住宅用として使用されている。
その後、日本国内にも数々のタワーマンションが建っていくわけだが、世界にも目を向けてみよう。
世界一タワーマンションの多い国と都市
それでは、世界一タワーマンションの多い国はどこだか想像がつくだろうか。
2021年の時点で、タワーマンションの多い国ランキングTOP10は下記のとおりだ。
- 韓国
- 香港
- 日本
- シンガポール
- 中国
- アメリカ
- カナダ
- オーストラリア
- タイ
- フランス
ただし、上述したとおり、各国でのタワーマンションの定義や基準は異なるため、ランキングによって順位が異なる可能性はある。
また、最近の建築傾向や経済の変化によってもランキングが変動する可能性も否定できない点はご了承いただきたい。
とはいえ、世界一タワーマンションの多い都市は明確だ。
ずばり、香港だ。
香港は日本以上に土地がないので、高層マンションが一般的で地価が高いこともあり、狭小な土地を有効活用するために多くのタワーマンションが建設されている。
それから、香港の人口密度は非常に高く、市街地部では1km²あたり70,000人以上が暮らしている地域もある。
他にも、同じアジア圏では中国の主要都市や観光地でも多くのタワーマンションが建設されているのが現状だ。
世界一高いタワーマンション
となると、気になってくるのは世界一高いタワーマンションの存在だろう。
なんとなく察しがつくという人もいるかもしれないが、2021年の時点で世界で一番高いタワーマンションは、ドバイにある、ブルジュ・ハリファだ。
ブルジュ・ハリファは、828メートルの高さを誇り、163階建ての超高層ビルだ。
建設が始まったのは2004年で、2010年に完成した。
タワーマンションとしては、最上階に高級住宅が設けられており、名実ともに世界一高い住宅としても知られている。
また、ブルジュ・ハリファは、展望台やレストラン、ホテル、オフィスなども備えている複合施設としても機能していて、建設技術やデザインなどでも世界的に有名な建築物の1つだといえる。
日本一高いタワーマンション
世界一とくれば日本一が気になるというのも必然的な流れだろう。
2021年の時点で日本で一番高いタワーマンションは、東京都港区にある、森タワーだ。
それまで日本一の高さを誇っていた、あべのハルカスを上回り、森タワーは高さ330m、60階建ての超高層ビルで、東京都港区六本木の六本木ヒルズ森タワー内に位置している。
このタワーマンションは、最上階の57階から60階にかけて、豪華な住戸が設けられている。
また、森タワーは、地下1階から6階までの低層部にはオフィス、ショップ、レストランなどが入っている複合施設としても機能している。
ということで、2021年の時点で、森タワーは日本の超高層ビルの中でも最も高い建物であり、日本を代表するランドマークの1つといっていいだろう。
タワーマンションに住むメリットとデメリット
最期にタワーマンションに住むメリットとデメリットを挙げてみた。
メリット
- 眺望が良い
高層階にある部屋からは周囲の景色が一望できるため、開放的で美しい眺めが楽しめる。
- プライバシーが保たれる
広い敷地内に建てられており、住戸間の間隔が広く、周囲からの視線を遮る構造になっているため、プライバシーが保たれる。
- セキュリティがしっかりしている
エントランスや共用部分に警備員が常駐しており、セキュリティが高いため、防犯上の安心感がある。
- 共用施設が充実している
共用のプール、ジム、サウナ、ラウンジ、パーティールーム、キッズルームなどの施設があり、自宅から出なくても様々なサービスが利用できる。
- 耐震性が高い
地震に強い建物に建てられているため、耐震性が高い。
デメリット
- 高額な家賃
一般的なマンションに比べて、タワーマンションは高級な設備や素材を使用しているため、家賃が高額になる傾向がある。
- 管理費の高さ
共用施設の充実やセキュリティ対策の充実など、多くのサービスを提供するため、管理費が高額になる傾向がある。
- 混雑するエレベーター
高層階に住む場合、朝や夕方のラッシュ時などはエレベーターが混雑することがあり、待ち時間が長くなるため、時間に余裕を持って出かける必要がある場合もある。
- 騒音
高層階に住む場合、窓から聞こえる風の音や外部からの騒音が気になることがある。
- 防災対策の面での不安
実際の耐震性は強いとはいえ、地震や台風などの自然災害に対する防災対策が、低層階の住居に比べて不十分だと感じる人もいる。
まとめ
誰もが一度は憧れるかもしれないタワーマンションだが、あなたは住みたいと思うだろうか。
メリットとデメリットを書いてみたが、もちろんそれは人それぞれ感じるところは違うわけで、経験したことがある人とない人では言えることも変わってくるだろう。
ただ妬み嫉みで住みたくないというのではなく、やはり経験をした上での意見の方が説得力がある。
ということで、一度は自分自身で住まなくても、そういった人と知り合って泊めてもらうという経験は最低限してみることをオススメする。
その上で、メリットとデメリットを自分の中で整理して欲しい。
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