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2025年7月29日 投稿:みさき

伝えるのその先へ

一井美咲です!

stakに勤めながら、なでしこリーグ2部のディアヴォロッソ広島に所属し、
女子サッカー選手として活動しています。

前回のブログでは、「伝えることと、伝わることの違い」というテーマで、サッカーやSNSの中で感じているコミュニケーションの難しさについて書きました。

前回のブログはこちら

今回はその続きとして「伝えるのその先へ」というタイトルでブログを書きました!

ぜひ最後までご覧ください!

言葉の力

現在、私たちはなでしこリーグ中断期間に入っています。

後半戦に向けての準備を進めながら、私たち選手がもうひとつ取り組んでいるのが、小学生女子が主役のサッカーフェスティバルの開催です。

プレーするだけではなく、場をつくる側としての挑戦。

その中で、私はあらためて「言葉の力」と向き合っています。

「伝える」と「伝わる」の間には、想像以上に距離があります。

前回のブログでそう書きましたが、今回はその先の「響く」という感覚について考えています。

伝えることに慣れてくると、「届ける」ではなく「言った」という事実だけが目的になってしまうことがあります。

でも、言葉の本当の役割は、その先にある響くという瞬間にあるはずです。

本当に大事なのはその言葉が、しっかりと心に残るかどうかだと思います。

例えば「すごいね」とか「頑張ってね」って言ってもらえるのは、もちろん嬉しい。

だけど、本当に心に残った言葉は、もっと自分のことを見てくれていたって感じられるような言葉だったりします。

「今のトラップ、すごく落ち着いてたね」「今日は新しいことにチャレンジしようとしてたよね」

このように、自分のプレーや行動をちゃんと見てくれていたと思える言葉は、心にじんわり残ります。

言葉が空気をつくる

この中断期間を利用して、私たち選手は8月9、10日に小学生女子が主役のサッカーフェスティバルを企画・準備しています。

リーグが動いているときにはなかなかできないこと。

でもこの時期だからこそ、「未来の選手たち」に向けて時間を使いたいという想いがあります。

どんな言葉をかけるか。どんな声で、どんなタイミングで、どんな目線で。

それは、その日をどんな一日にするかだけじゃなく、

もしかすると、その子のこれからにもつながっていくのかもしれません。

今日かけるひとことが、10年後の自信になるかもしれない。

そんな風に思うと、何気ない一言でさえ、すごく大切なものに感じてきます。

サッカーフェスティバルで主役になるのは、もちろん子どもたちです。

ピッチの中央でボールを追いかけるのも、得点を決めて歓声を浴びるのも、その日だけは彼女たちが主役。

でも、その舞台が「安心できる空気」に包まれているかどうかで、主役の表情もプレーも、まったく違うものになると私はそう信じています。

子どもたちがのびのびとプレーできるように。

緊張をほどいて笑顔になれるように。

一歩踏み出せる勇気を持てるように。

それを支えるのは、大人のまなざしであり、かける言葉であり、全体の空気です。

脇役の力

その空気をつくること。

それこそが「脇役の力」であり、裏方だからこそ生まれる繊細な表現のかたちだと思います。

私自身、これまで何度も試合に出られない立場を経験してきました。

悔しさや焦りもありましたが、その中で私は、ピッチの外にいる人間にもできることがあると気づきました。

たとえば、誰かがミスして落ち込んだときにベンチから声をかける。
仲間がゴールを決めたときに全力で喜ぶ。
ハーフタイムの円陣で空気を前向きに変える。

プレーではなく「声」や「雰囲気」で、チームを動かすということ。

それを意識し始めたときから、自分の中の「サッカー観」が少しずつ変わっていきました。

脇役がいなければ、主役は輝けない。

この言葉は、けっして美談や慰めなんかじゃなく、スポーツという集団の本質だと私は思っています。

そしてサッカーフェスティバルという舞台も、まさにその集合体です。

当日、子どもたちはたくさんの感情を抱えながらグラウンドに立ちます。

緊張、不安、ワクワク、自信のなさ、そのどれもが、純粋でまっすぐなエネルギー。

だからこそ、大人が発するちょっとした言葉や表情が、彼女たちの気持ちを左右します。

「あなたは大丈夫」

「ここは安心できる場所」

そう伝わる空気をどうつくるか。

その力を発揮できるのが、脇役としての大人の役割です。

技術を見せるのではなく、場を整えること、空気を動かすこと。

それもまた、私たち選手の価値であり、表現のひとつ。

そう考えると、「プレーすること」だけがサッカー選手ではないと、あらためて感じています

まとめ

伝えるだけで終わらせずに、ちゃんと届いているか。

さらにその言葉が、相手の中で意味を持つか。

そこまでを意識できるようになったのは、サッカーと仕事、両方の現場で経験を重ねてきたからだと思います。

今回、女子小学生のサッカーフェスティバルを準備するなかで、あらためて「どう伝えるか」の大切さを感じています。

子どもたちにとって、サッカーが楽しいと思えるきっかけになる場にしたい。

そのためには、技術や進行だけじゃなくて、どんな言葉をかけるか、どんな空気をつくるかも含めて、しっかりと準備したいと思っています。

今日かけるひとことが、10年後の自信になるかもしれない。

そう思うと、自然と丁寧に言葉を選ぶようになります。

プレーするだけがサッカー選手の仕事じゃない。

サッカーの魅力を伝えていくことも、私たちの役割のひとつです。

この中断期間は、その準備の時間でもあります。

伝えることの「その先」を意識しながら、フェスティバルも、リーグ後半戦も、しっかり向き合っていきたいです。

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