三位一体(さんみいったい)
→ 別々の3つのものが緊密に結びつくこと、また三者が心を合わせること。
シンプルに考えればいいのだが、そう簡単にいかないことがあるのが人間社会というものだ。
わかっていても変えられないというか、いわゆる事なかれ主義がスタンダードになっている人が多いからである。
私の好きなマンガの1つにキングダムがある。
2023年1月時点での最新刊の67巻を読んだ人は知っていると思うが、桓騎将軍の過去の回想シーンがある。
その中で、底辺の人間が怒りを持つべき相手が中間層の人たちだという言葉が妙に刺さった。
なにもしない人間が一番の悪だという発言は本当にそれと思ってしまう。
複雑だと言い訳をする人、適当な施策を打ち出すことが仕事だと勘違いしている人が多い。
また1つ、こんな記事に出会ってしまった。
(出典:東洋経済オンライン)
この記事を読んで、どんな感想を持っただろうか。
ということで、私の見解を書いていこう。
東京一極集中の実態
日本政府は2022年末に東京圏からの地方移住者を2027年度に年間1万人に増やす目標を掲げた。
東京圏からの移住世帯について、世帯分100万円に加え、18歳未満の子ども1人当たりの支援金も100万円に引き上げる方針を発表した。
この施策に大盤振る舞いだと世の中は呼応したが、現状はどうなっているのか。
上述した記事のタイトルから、結論を導き出すことは容易だろうが、上手くいっていないというのが結論だ。
一時期は、東京から地方へ人口が流出しているという話題が盛り上がったが、その流れは完全に止まったといっても過言ではない。
そして、個人的には一極集中は決して悪いことではないという考え方が根本にある。
下手に人口が少ないエリアを救おうとすることは弊害しか生まれないということはよくわかっている。
なぜなら、私は誰よりも東京という大都会と広島という地方を往来しているという自負があるからだ。
そもそも、地方創生をする必要を東京を中心とした視点から政府がとやかくいうことではないのである。
困っている地方が自ら考えながら、同時に施策をたくさん打ちのたうち回ることができなければ、地方創生などできるはずがない。
なにも都心に限った話ではなく、別々の3つのものが緊密に結びつくことは地方でも多々ある。
また、三者が心を合わせなければ地方創生など夢物語だということも改めて主張しておきたい。
東京都の人口移動報告データ
記事によると、2022年1〜11月の東京都の人口移動は、3万5,746人の転入超過となっている。
コロナ前2019年の年間8万6,575人と比較するとまだ半分以下の水準だが、2021年の年間1万815人と比べると3倍以上というデータだ
つまり、東京への人口流入の動きが完全に復活してきているということができる。
より細かい東京都のデータを見ると、2019年と比べて2022年に日本人人口が増加したのは、23区のうち半分の12区。
そして、増加数が最も多かったのは江東区の8,595人で増加率は1.75%となっている。
また、増加率のトップは中央区で5,216人増加の3.27%、次いで千代田区が1,874人増加の2.99%、3位の台東区が4,976人増加の2.67%となっている。
2%以上の増加はこの3区のみという結果だ。
中央区は、2022年1月1日現在の住民基本台帳における人口が、17万4,074人となり、70年ぶりに過去最多を更新したと話題になった。
銀座や日本橋といった繁華街を抱える中央区の人口は、バブル期に家賃をはじめ住宅コストが高騰し、バブル崩壊後の1997年には過去最少の約7万2,000人まで落ち込んでいた。
その後の四半世紀で2.4倍も増えたことになる。
臨海部の再開発によるタワマン増加や職住近接人気で、コロナ禍でも人口は増え続けた。
さらに特徴的なのは、年齢3区分人口の割合だ。
最新の2022年1月のデータを見ると、0〜14歳の年少人口は2万3,759人で13.6%。
15〜64歳の生産年齢人口は12万4,796人で71.7%、65歳以上の老年人口は2万5,519人で14.7%と、全国平均と比べて極めて良好なバランスとなっているのだ。
ちなみに、全国平均は、年少人口11.6%、生産年齢人口59.4%、老年人口29.0%という内訳だ。
このため、出生数も毎年2,000人以上と高水準が続き、人口減に苦しむ地方の自治体からすれば羨むような状況となっている。
まさに、東京一極集中の光を象徴するデータとなっているわけだ。
お寒い地方の実態
政府の移住支援金政策は2019年度から実施されていて、2021年度までの3年間の実績が公表されている。
3年間での移住支援事業総計は1,545件、移住者数の総計は3,067人だった。
初年度の2019年度は、わずか71件、123人だったのが、徐々に増えていき最多の2021年度は1,184件、2,381人となった。
では、この移住支援金政策にどれくらいの予算が投下されたのか。
令和3年度だけで、政府の地方創生関連に注ぎ込んだ当初予算は、1兆2,356億円に達する。
そのうち移住支援金などに充てられる地方創生推進交付金は1,000億円だ。
くり返しになるが、これだけのお金をつぎ込んで移住者数の総計は3,067人だった。
この実態を知って、あなたはどう感じるだろうか。
それにも関わらず、政府は2027年度には支援により年間1万人の移住を実現する目標を掲げているわけだ。
とここまでは記事に書かれた内容を抜粋してきたわけだが、この記事を書いた著者の意見には全く賛同できない。
その一文が、政策自体の方向性は決して間違っていないというものだ。
これは本当に論外な意見で、完全に間違っていてそれ以降の記事は読む価値もない。
全く地方の実態を理解していない、ただただ文字を並べているだけの期待ハズレも甚だしい記事で、こんなのが東洋経済オンラインの記事になっていることが少々驚きだ。
東洋経済オンラインを久しく読まなくなった理由が、こういった釣りタイトルで中身が全くないものが増えているからである。
移住支援金政策という最愚策
このことに関しては広島でも多くの場所で主張しているが、お金をばら撒くことではなにも解決しない。
そのことについては、改めて書くよりも、下記を一読してもらいたい。
日本のみならず、世界中で札束ビンタが行われている実態を嘆くと同時に、それ以外の記事についても言及している。
なによりも、地方創生など無理にする必要はないということをしっかりと知っておいた方がいい。
なぜなら、それが幸せだとは限らないからである。
地方に行けばわかるが、そもそも創生など望んでいないという人が田舎には多い。
それをなぜ救おうとするのか、私には理解ができないのである。
無理にそんな人たちを救おうとせず、一極集中させた方が、あらゆる面で効率がよくなるということくらい誰でも理解できるはずだ。
それを無理やり、地方や田舎の票田欲しさに政治家が最愚策を行っているだけというのが実態だろう。
まとめ
stak, Inc. は地方創生事業に乗り出している。
2021年8月あたりから、広島県の某地域に頻繁に通っており、着実に進めているプロダクトがある。
なにもそれは政府の施策など期待しておらず、自分たちで勝手に始めていることだ。
もちろん、現地にいる人たちは支援を受けられるところは受けていくのだろうが、少なからず私はそこに期待などしていない。
そういうスタンスでなければ、地方創生などできないことは経験からも十分に理解している。
どんなに小さな集落であっても、別々の3つのものが緊密に結びつくことで無駄に複雑になっていることがある。
また三者が心を合わせることが重要なのに、それが上手く機能しているエリアとそうでないエリアがある。
物事はいつもシンプルなのに、余計な足し算ばかりして引き算することができない人たちが多すぎるのである。
それを、stak, Inc. が見せつけようと思っている。
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