地方創生の最愚策であるバラマキ

2022-11-24 投稿: 植田 振一郎

採薪汲水(さいしんきゅうすい)
→ 薪を採り、川の水を汲むという意味で、自然の中で簡素な生活をすること。

自然の中で暮らしたい、癒やされたいという人は一定層いるものだ。

簡単にいうと、田舎暮らしという表現をすればわかりやすいだろうか。

そして、人口が減少している自治体では人を呼び込みたいという衝動から、バラマキを行ってでも人を囲い込もうとしている。

インターネットの普及により、こういった情報にもアクセスしやすくなっているので、移住を考えている人からすると願ったり叶ったりの場所も見つけやすくなった。

この傾向は、人口減少の著しい日本だけの問題だと思っていたが、どうやらそんなこともないらしい。

世界にある札束ビンタで人を呼ぶ自治体

地中海に浮かぶ、イタリアのサルデーニャ島という島があるのを知っているだろうか。

このサルデーニャ島は、地中海で2番目に大きな島で、透きとおった水と青銅器時代の遺跡、地元産のロブスターを使った料理で有名な島である。

1,900km以上の海岸線には砂浜のビーチが点在していて、内陸部の山地にはハイキングコースがいくつもある。

これだけ聞くと、是非行ってみたいと思う人もいるのではないだろうか。

そして、そんな島でお金をもらいながら暮らせるとなると、もっと興味が湧くという人も出てくると思う。

ただ、これは現実的に可能になりそうな話で、サルデーニャ州政府は、移住者3,000人分の助成金として4,500万ユーロ(約64億円)の予算を確保したという発表をしている。

移住者に対して1人当たり1万5,000ユーロ(約210万円)の助成金を支払う予定だということで注目を集めている。

上述したとおり、これほど美しい場所にも関わらず、移住を促すために政府がお金をばらまく必要があるのはなぜか。

その狙いは、日本の様々な自治体でも同様に行われているものと同様で、人口減少対策として新たな住民を誘致することにある。

実はイタリアでは他にも助成金制度を設けているエリアがある。

例えば、カラブリア州では、少数の移住者を対象に、1人当たり2万8,000ユーロ(約400万円)を支給している。

また、アブルッツォ州のサント・ステーファノ・ディ・セッサーニオ村は、移住して地元で働く人に対して最大4万8,500ユーロ(約700万円)の助成金を出した。

もちろん、税金を投入する以上、助成金を受け取るには一定の条件がある。

サルデーニャ島のあるサルデーニャ州で助成金受給の資格を得るには、まず人口3,000人未満の町や村へ移住する必要がある。

それから、支給された助成金の一部は、住宅のリフォームに使わなければならないし、現地に定住することが求められ、別荘としての利用はできない。

1年半以内にサルデーニャ州を永住地として登録する必要があるといった具合いだ。

イタリア以外にも、アメリカにも似たような制度を設けている自治体はあり、地域、都市、州が移住者に対して助成金を支給している。

このように実は世界中に札束ビンタで人を呼ぼうとしている自治体は存在しているのだ。

札束ビンタ政策が最愚策だという理由

ここまで書いてきて、札束ビンタという表現をあえていくつか出したが、決していい表現ではないということは理解できるはずだ。

まさに否定をしたい最愚策だということは、改めて強調しておこう。

それは、お金で呼んだ人はお金がなくなると去っていくということを理解していないからである。

仮にそれを踏まえた上で、こういったバラマキ政策を行っているとするのであれば、もっとたちが悪いと思っている。

上述した、サルデーニャ州は4,500万ユーロ(約64億円)の予算を確保したと発表している。

これだけの予算があれば、もっと他に人を誘致する手法を考えて実施すべきだというのが、私の考え方である。

サラッと4,500万ユーロ(約64億円)という金額が書かれているが、この予算のかけ方は異常だともいえる。

わかりやすく、stak, Inc. の拠点のある広島市や広島にある自治体と比較してみよう。

広島市は人口が約120万人のマーケットだ。

この広島市の税収が約6,600億円で、日本三景の宮島がある廿日市市の税収は約600億円、広島空港のある三原市の税収は約660億円。

廿日市市と三原市の人口はいずれも約10万人なので、1人あたりの税収は約600,000円ということになる。

広島市の税収と人口の関係も少々粗くはなるが、6,000億円に対して100万人とすれば同様の数字になる。

なにが言いたいのかというと、1人の人口を増やしても年間で600,000円の税収にしか繋がらないということだ。

となると、4,500万ユーロ(約64億円)の予算をザックリ60億円だとすると、10,000人という人を呼び込まないとペイしないという理論になる。

もちろん、イタリアの仕組みを知らないので、日本とイタリアの税収に差はあるだろうが、そこまで乖離はしていないだろう。

つまり、どれだけ魅力的な場所であっても、10,000人を移住させるということが、どれほどハードルが高いことかを本当に理解しているのだろうかと思う。

そもそも、それだけ魅力的ならば人口減少の問題など起きていないだろう。

日本でも2年間いてくれたら300万円を出しますみたいな自治体が一時期は乱立していた。

そもそも、どれくらいの人を移住させようと想定しているのか不明だが、年間150万円というバラマキを100人までは受け入れますとしたとしても、1億5,000万円という税金が投入されるわけだ。

人口が10万人を下回るような地方自治体の中での1億5,000万円という予算がどれほど大きいのか、もっと理解した方がいい。

このバラマキが最悪だと主張する理由の1つに、バラマキ期間が終わったら、また別のバラマキを行っている自治体へ移住するという人も現れるというところにある。

人を呼び込みたいが故に、縛りがそこまでキツく設定されていない自治体も多く、2年間の助成金が出ている間は住むけど、助成金が出なくなったらいなくなる人もいるということだ。

住居や畑は無償で提供されている場合も多く、田舎暮らしであればそれほど出費することもないだろうから、2年間で300万円の助成金となると半分くらいは貯蓄に回せるだろう。

これは決して違法ではないので、ある意味でこの制度を上手に使っているとすらいえるから、そういった人たちを否定するつもりはない。

穴だらけのこのバラマキ政策を考えて実行している自治体側に否があるとしかいえないのだ。

バラマキ政策は最終手段

とまあ、否定ばかりしていても、じゃあお前ならどうするのかという考えも出さなければアンフェアだろう。

ここに関しては私は明確な解を持っている。

というのも、広島と東京で月半分ずつといった生活をしているからこそ、見えてくるものが多々あるからである。

そして、度々同じことを地方自治体の人たちとも会話するし、自分でも発信している内容がある。

衣錦之栄(いきんのえい)

ザッと検索したときに出てきたこのブログを書いたのが2021年3月17日となっているので、軽く1年半以上前になるわけだが、もっと前から同じことを主張している。

要点は下記のとおりだ。

まずは、1回でもいいから来てもらいたくなるコンテンツを全力で考えて徹底して実行する。

1回来てもらったら、また来てもらいたいと思ってもらえるようにサポートを充実する。

2回目に来てもらえる人をとにかく増やさなければ先はない。

1年に1回来てもらえるようになったら、次は1年に2回、その次は春夏秋冬に、その中から気づいたら移住しちゃいましたという層を自然と生み出す仕組みを作ることが最重要なのだ。

とにかく、税金を使った予算が準備できるくらいならば、その予算をバラマキではなく、今の時代は広報PRに投下する方がよっぽどいい。

面白いとか1回は行ってみようというコンテンツの提供をすることを徹底すべきなのだ。

まとめ

地方創生移住支援事業を実施している都道府県、市町村を調べると、内閣府が発表しているサイトに誰でもたどり着くことができる。

その一覧はこちらだ。

令和4年度「地方創生移住支援事業」実施都道府県・連携市町村一覧

(出典:内閣官房・内閣府総合サイト)

この中にある一覧の自治体の中で、移住支援事業を実施している市区町村には◯がついているわけだが、ザッと見ただけでもどれくらいあるかわかるだろう。

◯がついている自治体の中でバラマキやバラマキに近い政策をなにも考えずに実施しているところがあれば、是非一度、我々に連絡をもらいたい。

そんな最愚策からの開放ということで、某エリアとタッグを組んだ地方創生をstak, Inc. は粛々と進めているので、是非参考にしてもらいたい。

このやり方が最適解だというところを見せつけようと躍起になっているところなので、情報も新鮮だし熱意が別格なのである。

 

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