残念無念(ざんねんむねん)
→ 思いが残ったり、満足がいかなかったりして悔しく思うこと。
stak, Inc. が手塩にかけて育てているのが、機能拡張モジュール型IoTデバイスのstak(stak)だ。
とまあ、これだけ書くとイミフなのだが、要するにIoTデバイスの企画、開発、運営を行っている。
このIoTという言葉が世の中に登場してから、どれくらいの月日が流れただろうか。
stakというIoTデバイスを世にリリースしたのが、今から約4年前の2019年2月のことで、それよりも前にIoTという言葉は拡がっている。
そのことを考えても、今の時代になくてはならないものとはなっていない現状に対しては、まさに思いが残ったり、満足がいかなかったりして悔しく思っている。
そして、IoTという概念がカルチャーとして根付く前に、また新たな言葉が登場している。
それが、MoTという概念だ。
今さら聞けないIoTってなぁに?
IoTとは、Internet of Thingsの略称で、読み方はアイオーティー、モノのインターネットと訳されている概念だ。
モノのインターネットとは、様々なモノがインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことをいう。
簡単にいってしまえば、デジタル社会の実現を指すということで、その市場価値は800億USドル(約10兆2,400億円)を超えると予測されている。
具体的には、下記のような生活ができるようになるイメージだ。
- エアコンの点けっぱなしの警告
- 玄関まで近づいたらドアが自動的に開く
- 工場の機械の部品の交換時期がわかる
- ペットの位置がわかる
- 植物の状態がわかる
他にもデータが取得できることから、そのデータを活用して様々な分野に横展開できるということで、ビッグデータの活用というワードもセットで使われることが多い。
そんなIoTの分野に、stakも乗り出したというわけだ。
とはいえ、冒頭に述べたとおり、まだまだIoTが至るところで見られるという状況にはなっていない。
そして、まだキャズムを超えるといえるようになるまでは、まだしばらくかかるように思っている。
そんな中、すでに次の概念が登場してしまった。
MoTという新たな概念
IoTに寄せた新たな概念が、MoTでエムオーティと読み、The Metaverse of Thingsの略称だ。
メタバースというワードがメディアに登場してからバズワードとなって、聞いたことがあるという人も多いと思うが、そんなメタバースに絡めた概念だ。
あらゆるモノがネットに繋がるという概念のIoTと同様に、周囲の様々機器やサービスがメタバースと連係していくという意味が込められている。
メタバースと聞くと、ヘッドセットを用いて仮想現実、つまりVRと連動させるという印象が強いが、パソコンやタブレット端末であっても、実は3Dのバーチャル空間は利用できる。
となると、メタバースの世界では、仮想店舗でのオンラインショッピングといった体験が様々端末で手軽に利用できるようになっていくと予測されている。
そんなメタバースにおいて、よりユーザを没頭させるために必要なものが視覚以外の感覚だ。
となると、触覚や嗅覚を伝える技術は欠かせないということで、実際に視覚以外を伝えるテクノロジーが生まれつつあるという。
それから、自動運転や電気自動車、つまりEVによるモビリティの発展も大きなテーマの1つだといわれている。
そこで期待されているのが、5Gの技術だ。
5Gによって、ゲームや動画などのコンテンツ配信、音声AIによるやりとりなど、車内での企業と消費者の繋がりがスムーズになっていくという未来予想図が描かれているのである。
サスティナブルという概念の不可
それから、もはや一般名詞化したといっても過言ではない、サスティナブルやSDGsからの観点も忘れてはいけない。
かつては、ESG、つまり環境、社会、企業統治を重視する投資家対策という要素が大きかったものが、すっかり置き換わったといっていい。
多くの企業が、二酸化炭素排出量を削減するという目標や消費電力を削減する目標を掲げている。
こうした流れが顕著なのは、家電業界だ。
例えば、韓国のSAMSUNG(サムスン電子)は、SmartThingsと称したスマートホームの家電連係を実現させるスマートハブ製品をアピールしている。
スマートハブを中心に、他社とのパートナーシップによって、住宅内にあるさまざまな機器の二酸化炭素排出量をモニターできるようにしていくという取り組みだ。
他にも、アメリカのアウトドア用品大手のパタゴニアと共同で洗濯の排水からマイクロプラスチックを54%削減するフィルターを開発したりもしている。
海洋エネルギーの分野でもサスティナブルへの意識は高まっている。
自律航行技術を備えた未来の船舶コンセプトを発表する企業も現れており、水素とアンモニア燃料で最も安全で効率的な海上輸送を実現させる計画があるといった具合いだ。
また、農業の分野でも、世界最大の農業機械メーカーであるアメリカのジョンディアは、農業は予測不可能なビジネスであり農家は多くの課題に直面していると説明。
そんな中、今後の25年間で世界の人口は100億に達し、食料の生産量を50%増やす必要があるとしてデジタルプラットフォームやAIの活用を進めていくと発表している。
過渡期の連続
くり返しになるが、IoTという概念が生まれ完全に世の中に浸透する前に、新たな概念であるMoTという概念が登場した。
インターネットの登場により、多くの分野でテクノロジーが進化して効率が上がった。
それはすなわち、様々な分野で細分化が行われているという裏返しでもあり、そうなると過渡期の連続という現象が起きる。
過渡期とは、移り変わりの途中の時期、物事の移り変わりの最中で、まだ安定していない時期のことをいう。
つまり、新しいものが生まれて世の中に溶け込むまでの期間のことで、そのサイクルがあまりにもはやくなっていることを主張している。
新しいものが出たかと思えば、また次に新しいものが出るといった具合いに、1つ1つを丁寧に追いかける暇がないほどにプロダクトやコンテンツが生まれているというわけだ。
となると、1つのことを完全に理解する前に次へとなるため、常に過渡期という状況になる。
これを過渡期の連続だと表現しているわけだ。
このことに対しては否定的な人が多いという印象なのだが、私はポジティブに捉えている。
新しいものが次々に生まれるということは、それだけ競争が激しくなるということで、いいモノやサービスも生まれやすくなる。
一方で、飽きっぽい性質と紙一重になるというデメリットもあるが、それを差し引いてもテクノロジーの進化や進歩は歓迎すべきた。
そして、この流れはもっともっと加速していく。
そう考えると、否定していても仕方がないところもあるわけで、否が応でも受け入れざるを得ないところまできているようにも思う。
そんな時代に抗うことは無駄に時間を浪費することにも繋がるので、過渡期の連続である時代を生きていることを素直に受け入れていくべきなのである。
わからないことや知らないことに対しては、不安から否定しがちになってしまうものだが、そこは素直に教えを請うてでも、まずは試すべきなのだ。
まとめ
stakの進捗はどんな感じなのかを聞かれることがしばしばある。
当然といえば当然なのだが、順調だと答えるのが最適解だ。
というのも、IoTという概念はまだまだマイノリティで、伸びしろしかない分野だ。
テクノロジーの進化によってカルチャーが変わるときは2パターンあって、劇的に変わるときもあれば、ジワジワと気がついたら変わっていることもある。
このパターンで分けるとすると、本来期待されたIoTは前者だった。
けれども、実際は後者だったということに気がつくのが少々出遅れた。
ただ、そこに気づいた以上は加速して新たな過渡期へ繋げることができると確信している今日このごろである。
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