三釁三浴(さんきんさんよく)
→ 体を清めて、大切な相手を待つこと。
stak, Inc. は、stakという機能拡張モジュール型のIoTデバイスの企画、開発、運営を行っている会社だ。
手前味噌ではあるが、その可能性は無限大だと感じている一方で、現在は不動産業界とのシナジーが高く、実際の取引も着実に増えつつある。
また、前職で私は貸会議室事業に携わっていた関係もあり、不動産業界の人や企業とのやり取りは一般的な人よりも多い方だと思う。
そんな中、思うことがあるのだが、不動産との出会いは、まさに体を清めて大切な相手を待つことにどこかリンクしているように感じることがある。
つまり、いい物件が出てくるのをジッと待つイメージだ。
引っ越しをしたことがある人も多いと思うが、自分の理想に近い物件は簡単に見つからないものだ。
賃貸物件を必死になって探しているときは出てこなくても、そんなに探していないときにヒョコッと出てきたりする。
そして、引っ越しを例に挙げて賃貸物件のことを書いたが、一言で不動産といっても様々なジャンルがある。
ということで、気になっている人も多いと思われる不動産投資について書いていこうと思う。
表面利回りと実質利回りについて
不動産に限らず、投資は増やすために行うものだ。
どれくらい増えたかを示す割合のことを利回りというのだが、聞いたことがある人もいるだろう。
利回りとは元本に対し、どれぐらい増えたかを示すの割合のことをいい、利回りには表面利回りと実質利回りの2種類がある。
不動産投資における表面利回りは、家賃収入/物件の購入価格、実質利回りは(家賃収入 – 必要経費)/物件の購入価格で算出する。
物件を選ぶ際には、当然利回りが重要視されるのだが、不動産投資では利益を生み出すだけではなくローンを組む事でレバレッジをきかせ、キャッシュフローを多く産み出すことが重要となる。
そのため、利回りの知識だけで物件の選定や運用を行うのは不十分だといえる。
その際に登場するのが、ROI、CCRといったレバレッジ効果と収益率の関係がわかるKPIが登場する。
不動産投資に欠かせないKPI
ということで、上述した、ROI、CCRという2つのKPIについて説明しよう。
ROI(投資利益率)
ROIとは、Return On Investmentの略称で投資利益率を指す。
投資利益率とは、投資した資本に対してどれくらい利益を得られたかを表し、ROIの数値が高ければ高いほど物件の利益率が高いということになる。
そして、ROIは以下の式で計算することができる。
ROI = 年間のキャッシュフロー/購入総額(物件価格 + 諸費用)× 100
年間のキャッシュフローとは、年間の家賃収入から修繕費、ローンの返済額等の不動産運用にかかった費用を差し引いた金額になる。
なお、物件選びの段階では、キャッシュフローは予想額で試算する。
CCR(自己資金収益率)
もう1つの重要なKPIである、重要なKPIがCCRだ。
CCRとは、Cash On Cash Returnの略称で自己資金収益率のことをいう。
ROIと似ていますが、自己資金の投資分の回収を予測することができる。
そして、CCRは以下の式で計算することができる。
CCR = 年間のキャッシュフロー/自己資金 × 100
CCRは、投下した金額の中で他人からの資本、つまり借入金を除いた自己資金に対してキャッシュフローがどれだけ出ているかを示す指標だ。
ROIとの違いは、借入金を含めないで計算する点だ。
そのため、借入をしている人や借入金額によって数値が大きく異なる。
レバレッジ効率の判断
ということで、総額2,000万円の物件を例に自己資金のみで物件を購入した場合と、融資を受けて物件の購入した場合のROIとCCRを計算した場合のレバレッジ効率を比較してみよう。
ということで、わかりやすくザックリだが、物件の概要は下記を想定した場合を考えてみる。
- 物件価格:2,000万円
- 表面利回り:5%
- 管理費:10万円
自己資本のみで購入した場合
- ROI:90万円(100万円 – 10万円)/2,000万円 × 100 = 4.5%
- CCR:90万円(100万円 – 10万円)/2,000万円 × 100 = 4.5%
数字を見れば一目瞭然だが、自己資金のみで購入しているため、ROIとCCRの値は同じになりレバレッジが効いていないことがわかる。
そして、自己資金額を年間のキャッシュフロー額で割ると、自己資金を何年で回収できるか計算することもできる
その場合の計算式は下記のとおりだ。
投下資本回収期間 = 投下自己資金額/年間キャッシュフロー額
上記の物件に照らし合わせると、2,000万円/90万円 = 22.2年となる。
融資を受けて購入した場合
上記の物件を下記の条件で購入した場合を考えてみよう。
- 自己資金:200万円
- 融資:1,800万円
- ローン返済:60万円/年
こちらを上記の計算式に当てはめると下記のとおりとなる。
- ROI:30万円(100万円 – 10万円 – 60万円)/2,000万円 × 100 = 1.5%
- CCR:30万円(100万円 – 10万円 – 60万円)/200万円 × 100 = 15%
ROIの数値は、融資返済費用のために下がった一方で、CCRの数値は自己資金のみで購入した場合の4.5%から15%へ上昇している点がわかるはずだ。
自己資金のみで物件を購入すると全くレバレッジが効いていないのに対し、借入をすることでレバレッジが効いていることは明確だろう。
レバレッジが効くというのは、収益率が3倍以上アップしているということだ。
つまり、借入することで収益率が3倍以上アップしているのである。
そして、投下した自己資金を回収する期間も、自己資金のみで購入した場合と比べると3分の1以下に短縮される点にも注目したい。
投下資本回収期間 = 投下自己資金額/年間キャッシュフロー額
上記の場合を数式に当てはめると、自己資金200万円の場合なので、200万円/30万円 = 6.6年となる。
財務三表との連携
不動産投資に限った話ではないが、出資した内容をきちんと把握するためには、財務三表をしっかり作成することをオススメする。
財務三表とは、下記の3つを指す。
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
この3つの中でも出資状況を把握するためには、3つ目に書いた、キャッシュフロー計算書(C/F)を注視するのがいいだろう。
キャッシュフロー計算書は、簡単にいうと物件から入る家賃収入、広告費、修繕費等の経費、税金等を差し引き最終的に手元の財布の中身にいくら残るのかを計算したものだ。
こうやって書くと難しく聞こえるかもしれないが、単純に売上から経費を引いて、手元にいくらお金があるかというものなので、小遣い帳のようなものだと思えばいい。
大きな不動産になれば複雑になるが、個人で出資するレベルの不動産であれば、そこまで複雑になることもないので、きちんとつけて慣れていく方がいい。
まとめ
不動産投資に興味のある人はそれなりに多いと思う。
というのも、不労所得というか、なにもしなくてもチャリンチャリンお金が入ってくるということに憧れを持つ人が多いからである。
その考えを否定するつもりもないし、実際に投資をするということは世の中を知ることができるのでいいことだと思う。
けれども、やはりなにも知らずに大きなお金を出すことはギャンブルでしかないので、最低限の知識はあった方がいいだろう。
これも私はよくいうことだが、知らないことは決して悪いことではない。
けれども、知らないことが多いと損をすることが多いというのが世の中である。
不動産投資に限らず、投資に興味がある人は、何度も上記の数式や概念を覚えておいた方がいいだろう。
百歩譲って細かいところまで覚える必要はないけれども、そういったKPIがあることだけは頭の片隅に置いておくことを強くオススメする。
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