十人十色(じゅうにんといろ)
→ 人はそれぞれ考え方や好みが違うということ。
自分自身を俯瞰で見ることの重要さを日々説いている理由が、まさに十人十色だからである。
当然ながら、自分と違う考え方や好みがあることは誰だって理解しているはずだ。
けれども、議論が生じたり、喧嘩が勃発するのは、根本に十人十色だという理解はしているけれども、意識が足りていない場面が多いように思う。
そして、個人的にはエゴイストであっていいと思っている立場だということも改めて主張しておきたい。
一度しかない人生の主人公は自分自身だということは紛れもない事実で、ワガママに生きることは否定しないどころか、そうあるべきだと考えている。
もちろん、法を犯したりしてはいけないし、一定の倫理の元という制限はあるが、基本的に個を重視することは受け入れている。
けれども、日々過ごしていると、なにかしら衝突は起こる。
それは、根本に十人十色だという意識の欠如があると結論づけているというわけだ。
それでは、十人十色を個性だと置き換えたとして、個性について考えてみよう。
今さら聞けない個性ってなぁに?
まずは、共通認識というか、ベクトルを合わせるためにも個性の定義は必要になるだろう。
個性とは、人や物事が持つ独自の特徴や特性、個性的な特徴のことを指す。
人間においては、性格、興味や嗜好、才能、価値観、行動パターン、思考スタイル、コミュニケーションスタイルなど、多様な要素が含まれる。
具体的には、例えば人間の性格には外向的、内向的、神経質、慎重、大胆、積極的、消極的、協調的、競争的、優柔不断など様々なタイプがある。
また、嗜好や興味には音楽、スポーツ、アート、読書、旅行、料理など、好みや趣味が含まれる。
さらに、才能には音楽、芸術、スポーツ、言語、数学、科学、リーダーシップなど、個人が持つ独自の能力や特技がある。
加えて、価値観には、家族や友人、仕事、社会貢献、自己成長、信仰など、人それぞれに大切にするものがある。
これらの要素が組み合わさることで、個性は形成される。
つまり、変数はかなり多く、その組み合わせとなると拡がりは無限大になるということだ。
自分の個性を把握する方法
他人の個性を測る前に、自分自身がどういった人物であるのかを把握しなければ、個性の評価もできないだろう。
ということで、自分の個性を把握する方法を簡単に紹介していこう。
自己分析をする
自分の性格、嗜好、価値観、才能などについて、自分自身を客観的に分析することがポイントだ。
自分の強みや弱み、優れた点や改善すべき点を振り返り、自己理解を深めていくことがスタート地点となる。
また、自分自身がなにをしたいのか、どのような目標を持っているのかを考えることも重要になる。
実際にこれをしたことがないという人が世の中には案外多く、それが自分のキャリア形成に大きく関わることを知っていないのは、機会損失でしかない。
周りの人の意見を聞く
自己分析をした後で、家族、友人、同僚など、自分のことをよく知っている人の意見を聞くことで、自分自身に気づいていなかった特徴や個性を発見できることがある。
その際に重要なのは、忖度や色がついていないかの判断をすることである。
その見極めをした上で、自分の個性を特定していく。
アセスメントツールを利用する
自己分析と他人からの評価が終わったら、第三者目線での情報も手に入れるべきだ。
その方法として有効なのが、オンラインツールやテストを利用するというもので、自分の性格や才能などを評価することができる。
例えば、Myers-Briggs Type Indicator(MBTI)、16PF、Big Fiveといったツールが存在しているので、試してみるといいだろう。
自分が好きなことや得意なことを追求する
そもそもというか、根底にある部分だが、自分が興味を持ち、得意とすることを探求することで、自分自身の個性を発見できることは間違いない。
当たり前だが、自分の好きなことや得意なことでなければ長続きしないし、どこかでモチベーションが下がってしまう。
自分自身を把握する上で、最優先でやるべきことは、自分自身が好きなことや得意なことを追求することだ。
また、趣味やアウトプットすることで、自分の得意分野を知ることもできるので、そちらも併せて覚えておきたい。
十人十色の判断をしている脳のメカニズム
自分の個性の把握ができたら、他人の個性も見えるようになってくる。
そして生まれるのが、自分自身と合う合わないの判断である。
実際に脳はどうやってこの自分と合う合わないを判断しているのか、そのロジックを紹介していこう。
当然だが、脳は複数の情報源からの情報を統合した上で判断を下していて、そのロジックは明確ではない部分も多い。
感情
自分が感じる快・不快、喜び・悲しみなどの感情が、自分との合わせ鏡となる。
自分にとって快・喜の感情が強く出るものは、自分と合っていると感じる。
記憶
過去の経験や知識から、自分と合う合わないを判断することがある。
自分が過去に経験したことや知識を元に、判断を下している。
言語
言葉のニュアンスや表現を理解し、自分にとって重要なことや関心事についての意見表明が、自分との共感を生むことがある。
行動
相手の言動や態度から、自分と合うかどうかを判断することがある。
相手の行動から、自分が望むようなものや望まないものを理解し、自分との合わなさを感じることがあるというわけだ。
個性を伸ばすために取るべき行動
個性というものは、所詮は他人が判断することなので、放っておけばいいところではあるのだが、冒頭に書いたとおり自己分析をしたことがないという人も多い。
そんな人が自分の個性と初めて向き合ったときに、やはりその個性を潰させないようにするためにも、伸ばす方向に導けた方がいいだろう。
ということで、自分の個性を伸ばすために取るべき行動の指標を書いておこう。
自己認識を高める
自分がどのような人間であるかを知ることが重要だ。
自己分析や心理テストを行い、自分の長所や短所、価値観、性格傾向などを理解することができるので定期的に利用してみるといいだろう。
プラス思考を身につける
ポジティブな思考を身につけることで、自信や創造性が高まる。
ネガティブな考えを捨て、自分の強みを見つけ、それを活かすことが大切だ。
自己啓発書を読む
あまりのめり込むのはオススメしないが、自己啓発書や自己啓発セミナーなどを利用して、自分自身を知り、スキルアップや自己成長を目指すことができる場合がある。
新しいことにチャレンジする
新しいことに挑戦することで、自分の可能性を広げることができる。
例えば、趣味やスポーツ、習い事などを始めることで、新しい才能や能力を発見することができる場合があるので積極的にチャレンジしてもらいたい。
自己表現をする
自分の考えや感情を適切に表現することで、自己アピール力が高まる。
コミュニケーション能力を磨き、自己表現の方法を常に模索することといざというときのために準備を怠らないようにしたい。
個性を重視している判断基準
最期に紹介したいのは、国力を評価する際に、個性を重視しているランキングのようなものがしばしば登場する。
こういったランキングはいくつかの指標から割り出されているわけだが、代表的な指標を紹介しておこう。
Hofstedeの文化次元
国際的な組織行動学者であるGeert Hofstedeによって提唱された文化次元によると、個人主義的な文化を持つ国は個性を重視する傾向がある。
例えば、アメリカ合衆国、オーストラリア、イギリス、カナダ、ニュージーランドなどが挙げられる。
Global Innovation Index(GII)
世界知的所有権機関(WIPO)が毎年発表するイノベーション指数によると、創造性や革新性を重視する国が個性を重視する傾向がある。
例えば、スイス、スウェーデン、日本、ドイツ、韓国などが挙げられる。
Human Development Index(HDI)
国際連合開発計画(UNDP)が毎年発表する人間開発指数によると、教育や健康、所得などの人間の発展に重きを置く国が個性を重視する傾向がある。
例えば、ノルウェー、スイス、アイスランド、オーストラリア、アイルランドなどが挙げられる。
まとめ
個性についてまとめてみたが、自分の色について明確に説明できるか、今一度自分自身に問いかけてもらいたい。
長所と短所、得意分野と苦手分野の両方が考える間もなく出てこないとダメだ。
そして、俯瞰で見た自分がどういう状況で最大限の価値を生み出すことができるのか、その場所に行かなければならない。
くり返しになるが、一度しかない人生の主人公は自分自身だ。
主人公の個性を把握していなくて、どうやって豊かな人生を歩めるというのだろうか。
あなたの個性を私は尊重するし、私の個性も受け入れてもらいたい。
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