形影相弔(けいえいそうちょう)
→ 孤独で訪ねて慰めてくれる人もいないこと。
孤独という言葉を見ると、いつか私もこの世界へ足を踏み入れる1人なのだろうとなんとなく思っている。
日本が超高齢社会であるということは、周知の事実だと思うし、このことに関しても幾度もテーマとして取り上げている。
この中にも書いているが、高齢化の進行具合は、高齢化社会、高齢社会、超高齢社会の3段階で表現される。
その基準は、65歳以上の人口が全人口に対してどの程度かというものだ。
7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会となる。
日本の場合、実は1970年代には既に7.1%を超えており、2000年代には17.4%、2010年代には23%を超えているというのが実態だ。
令和3年(2021年)版高齢社会白書から見る高齢化の現状
高齢社会白書とは、高齢社会対策基本法に基づき、平成8年(1996年)から毎年政府が国会に提出している年次報告書を指す。
高齢化の状況や政府が講じた高齢社会対策の実施の状況、また高齢化の状況を考慮して講じようとする施策について明らかにしているものだ。
そんな高齢社会白書の最新版である令和3年(2021年)版によると、令和元年(2019年)現在の日本の平均寿命は、男性が81.41年、女性が87.45年となった。
これは、前年に比べて男性は0.16年、女性は0.13年上回る結果となっている。
今後、男女ともに平均寿命はさらに延びて、令和47年(2065年)には、男性が84.95年、女性が91.35年となり、女性は90年を超えると予想されている。
また、世界に目を向けると、令和2年(2020年)の世界の総人口は77億9,480万人であり、令和42年(2060年)には101億5,147万人になるという。
総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、昭和25年(1950年)の5.1%から令和2年(2020年)には9.3%に上昇している。
今後、さらに令和42年(2060年)には17.8%にまで上昇すると予想されている。
つまり、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになるというわけだ。
地域別に高齢化率の今後の推計を見ると、これまで高齢化が進行 てきた先進地域はもとより、開発途上地域においても、高齢化が急速に進展すると見込まれている。
先進諸国の高齢化率を比較して見ると、日本は1980年代までは下位、1990年代にはほぼ中位であった。
けれども、平成17年(2005年)には最も高い水準となり、今後も高水準を維持していくと予想されている。
高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、下記のとおりとなっている。
- フランス:126年
- スウェーデン:85年
- アメリカ:72年
- イギリス:46年
- ドイツ:40年
これに対して、日本は昭和45年(1970年)に7%を超えると、その24年後の平成6年(1994年)には14%に達している。
また、アジア諸国に目を移すと、韓国が18年、シンガポールが17年といった具合に、 一部の国では日本を上回るスピードで高齢化が進むことが見込まれている。
日本の高齢化の現状
日本の総人口は、令和2年(2020年)10月1日現在、1億2,571万人となっている。
65歳以上人口は3,619万人となり、総人口に占める割合、つまり高齢化率は28.8%となった。
65歳以上人口を男女別に見ると、男性は1,574 万人、女性は2,045万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は77.0であり、男性対女性の比は約3対4となっている。
65歳以上人口のうち、65~74歳人口は1,747万人(男性835万人、女性912万人)で総人口に占める割合は13.9%となっている。
また、75歳以上人口は1,872万人(男性739万人、女性1,134万人)で、総人口に占める割合は14.9%であり、65~74歳人口を上回っている。
日本の65歳以上人口は、昭和25年(1950年)には総人口の5%に満たなかった。
ところが、くり返しになるが、昭和45年(1970)に7%を超え、さらに平成6年(1994年)には14%を超えている。
高齢化率はその後も上昇を続け、令和2年(2020年)10月1日現在、28.8%に達したというわけだ。
また、15~64歳人口は、平成7年(1995年)に8,716万人でピークを迎え、その後減少に転じ令和2年(2020年)には7,449万人と総人口の59.3%となった。
日本の総人口の推移と高齢者の推移
日本のの総人口は、長期の人口減少過程に入っており、令和11年(2029年)に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続けるという。
その後、令和35年(2053年)には1億人を割って9,924万人となり、令和47年(2065年)には8,808万人になると推計されている。
65歳以上人口は、団塊の世代が65歳以上となった平成27年(2015年)に3,347万人となり、団塊の世代が75歳以上となる令和7年(2025年)には3,677 万人に達するという。
その後も65歳以上人口は増加傾向が続き、 令和24年(2042年)に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されている。
総人口が減少する中で65歳以上の者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、令和18年(2036年)に33.3%で3人に1人となる。
令和24年(2042年)以降は65歳以上人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、令和47年(2065年)には38.4%に達するとされている。
となると、国民の約2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来するわけだ。
総人口に占める75歳以上人口の割合は、令和47年(2065年)には25.5% となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されている。
65歳以上がいる世帯
65歳以上の者のいる世帯について見ると、令和元年(2019年)現在、世帯数は2,558万4,000世帯と全世帯(5,178万5,000世帯)の49.4%を占めている。
昭和55年(1980年)では世帯構造の中で三世代世帯の割合が一番多く、全体の半数を占めていた。
ところが、令和元年(2019年)では夫婦のみの世帯が最も多く約3割を占めており、単独世帯と合わせると約6割というのが現状である。
また、65歳以上で一人暮らしをしている人は男女ともに増加傾向にある。
昭和55年(1980年)には男性約19万人、女性約69万人、65歳以上人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%だった。
これが、平成27年(2015年) には男性約192万人、女性約400万人、65歳以上人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。
なお、参考までに令和元年(2019年)現在の高齢化率が最も高い都道府県は秋田県で37.2%、最も低い都道府県は沖縄県で22.2%となっている。
まとめ
日本と世界の高齢社会の実態の最新版をまとめてみたが、いかがだろうか。
冒頭に書いたが、私も高齢者の粋に達するまで四半世紀を切ったことになる。
そして、おそらく65歳以上で一人暮らしをしているというカテゴリに入ることになるだろう。
平成27年(2015年)の時点で、男性は192万人いるということで、この数はもっともっと増えることになるのだろう。
時間は限られている。
初老の私には残された時間が少ないから、加速して生きるしかない。
【Twitterのフォローをお願いします】