寛仁大度(かんじんたいど)
→ 心が広く情け深く、度量の大きいこと。
器が大きいという表現があるが、そもそもどういう意味なのだろうか。
器という漢字には、物を入れるもの、容器という意味以外に、人の能力の大きさ、器量という意味がある。
ここから、小さなことをいちいち気にしない人のこと、多少のことで怒ったり悲しんだりしない人のことをいうようになったというわけだ。
では、器の大きい人の特徴を列挙していこう。
器の大きい人の特徴
気が長い
心が広い人は、怒ることが少ない。
怒りの沸点が高いので、少々の事では腹を立てることがない。
逆に気の短い人は心が狭い人ということになる。
そういう人は、すぐに怒るので常にイライラしている状態にある上に、自分分に関係ないことでも腹を立てることすらある。
心の広い人は、自分に不利益なことがあっても不用意に腹を立てることもないし、自分に関係のないことならば尚更だ。
そんな雰囲気もあって、心の広い人の近くにいると周りにいる人も穏やかな気持ちにするという副次的効果もあるとされる。
細かいことを気にしない
心の広い人は細かいことをいちいち気にしない。
勘違いしてはいけないが、それは無関心なのではなく、気にする必要がないと判断しているからである。
もちろん、気にしなくてはいけない仕事やプライベートでの細かい部分などはきちんと自分自身で処理をしている。
ところが、他人の小さなミスをネチネチ指摘したりせず、注意はしてもしつこく責めたりすることはない。
友人が多い
心が広い人はおおらかな性格なので、人に好かれる。
そのため、友人も多く、人付き合いが上手で仕事以外の交友関係も広いのが特徴だ。
人に対しても心が広いので、好き嫌いがなく平等の付き合いができる。
そして、フットワークが軽いという側面もあり、そのノリの良さから自然と知り合いが増えていく。
さらに、心の広い人は受け入れる度量があるので、他の人が付き合いにくいと感じる人でも偏見を持たずに気にしないところも友人が多くなる理由の1つだ。
素直
素直さも心が広い人の特徴の1つだ。
心が広い人は、損得勘定で言動を行ったり、裏を読んだりすることがなく、聞いたことや言われたことを素直に受け取る。
そのため、人の嘘をまともに受け止めてしまうようなこともあるが、それも素直な性格の証拠だ。
反面、素直だからこそ、他人から忠告や指摘されたこともスッと聞き入れることができる。
忠告されたことで腹を立てたり、ムキになったりすることもない。
笑顔が多い
心が広い人は明るくて穏やかという特徴もある。
そのため、必然的に笑顔が多くなる。
逆に心の狭い人はいつもイライラして、なにかにストレスを感じて怒っているので、眉間にしわを寄せて不機嫌な顔をしている場面も多くなる。
しかし、心が広い人は心の乱れが少ないので、その温和な感情が顔の表情にも自然と出てくる。
もちろん、他人に対してもおおらかので、人と接していて軋轢を生むことがないのでストレスなく自然に笑顔が出るのである。
世話好き
心の広い人は、他人の世話を焼くのが好きな傾向にある。
困っている人がいたら助けよう、自分が教えられることがあれば教えようという献身的な気持ちがある。
頼まれればノーといえない性格なので、見返りがなくても頼まれごとをボランティアで受け入れることもある。
また、世話をしていることで他の人に同じように頼まれたりして、引きうけてしまうお人好しなところがあるのも特徴だ。
ポジティブ
前向きな性格で、ネガティブなことを口にしない。
心が広いのでなんとかなるだろう、これくらいなら大丈夫とポジティブに考えることができるので、クヨクヨすることもない
心に余裕があるので、切羽詰まった考え方もしないのである。
そして、心が広い人は仲間が多いので、誰かになにかあった際には誰かがサポートしてくれることも多い。
そんな環境にいれば、自然とポジティブシンキングになるということだ。
心に余裕がある
小さなことに捉われない心が広い人には、心の中に余裕を持っている。
そのため、心にゆとりがあり、楽しむ余裕がある。
人は悩み事をたくさん抱えていると、好きなことをやっていても、心から楽しめなくなる生き物だ。
ところが、心が広い人はなにか気になることがあったとしても、それを心の片隅に置けば、まだまだ心に余裕があるのでその場を楽しめるのである。
フォローできる
誰かが失敗したり、挫折したりしたときに、率先してフォローできるのは心が広い人ならではである。
心が狭い人は、自分のことだけで手いっぱいになるからだ。
でも、心が広い人は周囲の人を冷静に見る余裕があるので、他人が失敗するとそれにいちはやく気付き、助け舟を出したり、アドバイスして助けようとする。
また、損得勘定がないので、助けてあげたとかフォローしてあげたという気持ちがなく、助けてあげたいという気持ちになるのである。
反省できる
心が広い人は素直な性格なので、なにか失敗したときでも、自分でしっかり反省ができる。
つまり、ミスはミスと認めて、次に生かそうとするのである。
反対にミスをしたら他人のせいにしたり、言い訳ばかりする人もいる。
心が広い人は、そんな責任転嫁したりといった言動がなく、反省できるのである。
器の広いエピソード
stak社の拠点である広島でこんな話を聞いたことがある。
12月の寒いある日、夜も更けてすっかり暗くなった片側3車線の道を自動車で走っていたときのこと。
信号が赤になり、信号待ちをしていたときの話だ。
手前の横断歩道を渡る人はいなかったが、道路向こうの横断歩道を渡るお婆さんがいた。
道路は片側3車線の合わせて6車線。
お婆さんの横断歩道を渡るスピードはとても遅く、そんなお婆さんは腰をかがめていて両手には荷物も持っている。
このペースでは、とてもじゃないけど横断歩道を時間内に渡ることができそうにない。
青になることをヒヤヒヤしながら信号待ちをしていたが、無情にも横断歩道の信号が点滅を始めた。
お婆さんは6車線のうち、4車線までは歩き終えたが、残りまだ2車線ある。
このままでは間に合わないと慌てふためいていた、そんなとき。
中学生くらいの女の子がお婆さんに駆け寄った。
素早く荷物を手に取り、お婆さんの腰に手を当てて、一緒に歩き始めた。
横断歩道の信号は赤になり、自動車側の信号は青に既に変わっていたので、女の子は停車してくれている自動車の運転手に丁寧に頭を下げている。
なにをいっているのか聞こえないが、おそらくすみませんと謝っているのだろう。
なにもできなかった自分とは対照的に、咄嗟の判断で駆けつけた女の子。
横断歩道を渡り終えたお婆さんとは別の方向に1人で歩き出した女の子を見て、2人が全くの他人だということも明らかだった。
まとめ
器が大きな男でありたい。
漢字で書くと、漢(おとこ)だろうか。
まだまだ、そんな漢になれていない自分は本当に小さいと思う、今日この頃である。
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