正月に餅を食べる理由とお年玉の関係

2022/01/14 投稿: 植田 振一郎

含飴弄孫(がんいろうそん)
→ 飴をしゃぶったり、孫をかまったりする意で、のんきな隠居生活のこと。

ゆっくりする時間といえば、年末年始を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

2022年も年が明け、はやくも2週間が過ぎ去ろうとしている。

年末年始に行われる行事というか、個人的にも好きなのが、餅を食べる文化だ。

今まで餅を食べることについて深く考えたことはなかったけれども、なぜそもそも正月には餅を食べるのが当たり前になったのだろうか。

諸説あるようだが、共通したところをまとめてみることにした。

正月に餅を食べるようになった理由

現代に比べると科学力がなかったとされる時代、縁起の良さや儀式というものは非常に重要なものだった。

とりわけ、正月には1年の健康祈願や豊作祈願などの願掛けをするために、様々な縁起の良い食べ物を集めるという風習がある。

つまり、餅を正月に食べるというのも、なんらかの縁起の良い部分があるとされていたからというわけだ。

餅の歴史は古く、平安時代の正月行事に、歯固めの儀というものがあった。

これは、正月の三が日の間に硬いものを食べて長寿を願う儀式のことだ。

歯と年齢は深く関係するため、丈夫な歯を保つことが長寿に繋がると考えられていたのである。

1年の血行や長寿を願い、餅、大根、串柿、かぶ、するめ、昆布などの固いものを食べ、歯が丈夫になることで健康になるということから始まった行事だ。

地方によっては食べるものが違うけれども、餅と大根は全国で共通していることが多い。

また、年齢という字には歯という文字が入っているように、歯から年齢を連想し長寿を願うという意味合いもあるとされていおる。

そして、歯固めの儀は、鏡開きと重なることも多いことから、年神様への感謝、祈りと一緒にに行われている。

めでたい特別な日を意味するハレの日とは?

ハレの日という言葉があるが、ハレは晴れと書き非日常を意味している。

それから、ハレは折り目や節目を表す言葉でもあり、正月は節目の中でも1年の始まりであるため、最も大切な日とされている。

そのため普段は食べられない餅を食べて、お祝いするという日でもあったという由来だ。

ちなみに、対義語はケ(褻)の日といい、日常を表す。

ハレの日は、正月以外にも結婚式や成人式などが当てはまり、人生の節目となる行事の日には、餅や赤飯などでお祝いされる風習に繋がっている。

高価な米を使って作る餅は特別であり、神聖な食べ物として扱われていたのである。

加えて、長く伸びて切れにくいことから、伸びる餅を命に見立てて長寿を願う意味もあった。

鏡開きという風習

正月に飾る鏡餅があるが、なぜ飾るのか。

拠り所として正月の間、歳神様が住み着いた鏡餅には神様の魂が宿るため、食べることで神様の力を授かると考えられてきた。

要するに、神様の力を授かるために鏡餅を飾るのである。

京都や周辺地域では例外的に1月4日だが、一般的には1月11日に鏡開きをして備えていた餅を割り、家族の幸せと無病息災を願って鏡餅を食べるという風習が現代にも残っている。

さらに、正月に飾る鏡餅は、三種の神器の1つである八咫鏡という意味もありますし、人間の魂や心臓を見立てたものでもあるということも知っておくといいだろう。

雑煮やおしるこという文化に発展

鏡開きをした後の餅は、雑煮やおしるこにして食べられる。

ここには、神様と同じ物を食べて力を分け与えてもらうという意味合いがあるとされている。

雑煮やおしるこに使う材料は、もともとすべてお供えものから作られるもので、室町時代から食べられていたという。

昔は温かいものを食べ、お腹を温めることで胃腸などの五臓六腑を健康に保ち、病気にかからないという考え方があった。

このことを臓器を保つという意味で、保臓(ほぞう、ほうぞう)と呼び、その臓が雑に転じて、雑煮と呼ばれるようになったそうだ。

神様の魂が宿る、縁起物の餅を加えた、温かい汁物を正月に食べることで、1年の無病息災を願ったというわけだ。

温かい汁物のことを、羮(こう・あつもの)といい、雑煮もこの羮の一種なのだ。

平安時代の貴族の食事は冷たい料理が多く、温かいもの食べることは身体にいいとされるご馳走だったのである。

全国にある様々な雑煮

くるみ雑煮

岩手県の三陸海岸地方の雑煮で、煮干しだしで焼いた角餅の入る。

餅の食べ方が独特で、茹でたくるみをすりつぶして作った甘いくるみだれを作り、雑煮の餅をこのたれにつけて食べる。

あんもち雑煮

香川県の雑煮で、煮干しだしで白味噌仕立てで、甘い小豆あん入りの丸餅を入れる。

甘いものが贅沢だった時代に和三盆で有名であった高松藩の土地柄を反映させている雑煮だ。

具雑煮

長崎県の雑煮で、あご(トビウオ)だしのすまし仕立てで、焼いた丸餅、具は鶏肉、かまぼこ、白菜、人参、唐人菜など、必ず奇数入れるのが特徴だ。

日本の雑煮の中でも、もっとも具だくさんで豪華とされている。

具が多いので、椀にすべての具が入るように竹串にまとめて通しておいて、一度に椀に入れるという作り方だ。

餅なし雑煮

徳島の祖谷(いや)地方では、その名のとおり、餅を入れない雑煮もある。

干し椎茸でだしをとり醤油で味を整えたすまし汁なのだが、昔は山奥で米の収穫が難しかったため、餅の代わりに豆腐や里芋など、土地で採れたものを餅に見立てて入れていたことに由来する。

まとめ

餅ととある風習が実は繋がっている。

お年玉といえば、現代ではお金をあげるという風習になっている。

このルーツも実は餅が関わっているのである。

年神様から魂を分けていただくことを、御魂分け(みたまわけ)という。

年神様の魂は餅を丸くかたどった餅玉に宿ることから、鏡餅が丸い形をしているのはそんな理由からだ。

正月を迎えると、その餅を家長が家族に分け与えた。

これが、まさに御年魂(おとしだま)で、お年玉のルーツなのである。

当たり前のように正月に食べている餅にも様々な意味が込められていたことがよくわかった。

お年玉のルーツも餅にあったというのは、つい誰かに話したくなるネタではないだろうか。

 

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