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2021年12月25日 投稿:ueda

カインズホームが東急ハンズを買収を発表

合水和泥(がっすいわでい)
→ 自分のことを忘れて他人を救うこと。

日本では、まだまだ企業買収というと良いイメージを持たない人が多い。

一方で、海外では企業買収をさせたことがヒーロー扱いになる場合も多々ある。

そもそも、企業を立ち上げて、その企業を軌道に乗せて大きくして、どこかの企業に注目されて買いたいと思ってもらえることがどれほど素晴らしいことかの理解が少ない。

その根本には、起業するという文化がまだまだ根づいていないこと、買収されると聞くと弱い立場だったと思い込まれていることがあるだろう。

本来の企業買収とは、買う企業も買われる企業もどちらにとっても救いになるということをしっかり理解しよう。

カインズホームが東急ハンズを買収を発表

2021年12月22日に注目の発表があった。

東急不動産ホールディングスが子会社の雑貨店である東急ハンズを2022年3月末までに、ホームセンター大手のカインズに売却するというものだ。

この発表により、創業45周年の東急ハンズという屋号は、将来的になくなる可能性も高そうだ。

その理由は、カインズのCEOによる記者会見での発言だ。

東急という名称を使うのはさまざまな課題がある。東急さんのグループを離れる以上、屋号についても適切なタイミングで変更していく必要がある。

この発言により、東急ハンズが今後どのようになっていくのかが注目されているのである。

東急ハンズ買収の裏側

実は、東急ハンズ売却の動きは水面下で粛々と進んでいたという。

関係者によると、今回の発表があった半年ほど前に大手会計事務所による東急ハンズのデューデリジェンスが行われ、カインズは一番初めに買収に手を挙げていたそうだ。

では、なぜ都市型雑貨店の老舗で全国的に知名度もかなりある、東急ハンズが身売りすることになったのか。

その理由を東急ハンズのトップが赤裸々に語っている。

コロナ禍で非常に苦しい状況にあり、店頭でいろいろなサービスを直接お届けするということに軸足を置いていた。

お店に訪れていただけないと、営業収益につながっていかない。

従前より東急ハンズは、いろいろな経営指標について厳しいところがあり、改善および改革を行っていた。

そんな東急ハンズのスコアは、2021年3月期の連結純損益は71億円の赤字、連結純資産は2019年3月期に比べて約7割減の36億円と厳しい状況に追い込まれていた。

とはいえ、コロナ禍の前から連結純利益が2億円と業績は低迷していた。

そんな業績低迷の大きな要因は、EC化が進むことで得意にしていた店頭での細やかな接客や品ぞろえによる差別化が収益に結び付かなくなったことだろう。

そして、競合他社のドン・キホーテの業績も大きな要因だ。

東急ハンズをバイアウトするに至った経緯

業績的に社内でお荷物になっていた東急ハンズ売却を東急不動産ホールディングスが決断した理由は、幹部が視察した競合である、ドン・キホーテの海外店舗の衝撃だったという。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループ傘下のドン・キホーテは、2030年には海外売上高1兆円を目指して積極的な海外展開を行っている。

2021年1月には台湾にも進出し、10月にもシンガポールで11店舗目を開店するなど、破竹の勢いで出店を進めている。

東急不動産ホールディングスの幹部は、東急ハンズはドンキに勝てない、ドンキがうらやましいと漏らしていたほどだという。

東急ハンズも業績改善に向けて、2021年7月から新ブランドで自社開発のプライベート・ブランド(PB)の強化に取り組んではいた。

ただ、売り上げに占める自社開発のPBの比率はわずか5〜7%に留まっていた。

カインズの立て直し戦略

そんな東急ハンズを買収したカインズは、果たしてどのように立て直しを図っていくのだろうか。

それは、カインズの基盤を東急ハンズに使っていただき、築き上げた価値を磨き上げて欲しいとカインズのトップが語っていることが1つの指標になるだろう。

また、東急ハンズの店舗メンバーの深い商品知識、目利き力、編集力は、一朝一夕にはつくれないものだと思うとも語っている。

東急ハンズと共に創る日本発のDIY文化を世界に発信していきたいという意思表示がどこまで実現できるかというところだろう。

具体的には、カインズのPB商品点数が約1万3,000点、売り上げに占める比率約40%という商品開発の仕組みや技術を東急ハンズにも活用してもらうという。

開発する製品にもよるが、PB商品を安く製造するためには、一定の規模が必要になる。

それは、小ロットでは金型など初期投資にかかる費用が高くつき、商品が高額になって競争力がなくなってしまうからである。

カインズの規模や商品開発の技術を東急ハンズが活かすことができれば、安くて良いPB商品を作れる可能性が出てくる。

 

加えて、ECなどデジタルの面でもカインズはサポートしていくと明言している。

カインズは2018年に、IT小売業宣言をぶち上げ、DXに力を注いでいる企業だ。

実際、エンジニアなど自社で100人以上のデジタル人材を抱え人材確保のために、東京の表参道にわざわざデジタル拠点をつくっている。

こうした取り組みの結果、カインズアプリは利用者約244万人、オウンドメディアのとなりのカインズさんは月間455万PVを達成している。

 

そして、買収の鍵は、都市部や駅近にある東急ハンズの店舗網の立地にもあると分析している。

地方を中心として大きな店舗のカインズ、都市に店舗を構える東急ハンズ、両社の事業の相互補完性は高いものがあるとして戦略を考えている。

カインズに今までにない都市型の新業態店を作っていくのにシナジーが高いということである。

まとめ

こうやって書いていくと、カインズによる東急ハンズの買収はかなり上手くいきそうなイメージに聞こえるかもしれない。

ただ、カインズは未上場の巨大流通グループであるベイシアグループの傘下だ。

作業服大手である、ワークマンも傘下にある、売上高1兆円を超えた国内で6番目に大きい流通グループとなっている。

そんなベイシアグループは、個社がとがっていくハリネズミ経営を創業以来の経営理念としており、ここの企業理念が上手く浸透していくかに注目が集まっているということだ。

いずれにせよ、東急ハンズがどのように変わっていくのか、注目していきたい。

 

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植田 振一郎 Twitter

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