注目の後払い決済サービスのBNPL(Buy Now Pay Later)とは?

2021/11/29 投稿: 植田 振一郎

柯会之盟(かかいのめい)
→ 約束したことを実行し、信頼を得ること。

約束したことを実行して、信用を得ていくとビジネスの幅が拡がっていく。

興味を持ってくれた企業が出資をしてくれたり、買収してくれたりといったことに繋がる。

そして、一緒にビジネスをやりたいという人が集まってきて仲間が増えていく。

そんな場面がスタートアップにはたくさん訪れる。

もちろん、スケールさせるための1つの手段に過ぎないのだが、それもスタートアップの醍醐味でもある。

様々なスタートアップが登場しては消えていく中で、最近のトレンドがBNPLである。

後払い決済サービスのBNPL(Buy Now Pay Later)とは?

新たな決済手段として注目を集めているのが、後払い決済サービスのBNPL(Buy Now Pay Later)である。

その略称どおり、今買って後で払うという、まさに後払い決済サービスが浸透しつつつある。

そんなBNPL市場で国内トップシェアの企業、ネットプロテクションズホールディングスが、東証一部への上場承認を発表した。

2002年に事業を始めたネットプロテクションズホールディングスの直近の年間取扱高は4,381億円となっている。

日本国内の個人向けBNPLでは、40%超のトップシェアを誇っている。

ということで、事業の中心は、2021年3月期に取扱高の78%を占める、個人のEC利用向けのBNPLだ。

なぜここまでシェアを獲得できたかというと、なによりもユーザビリティの高さだろう。

クレジットカードの登録は不要で、登録と利用に必要な情報はECでの買い物に必要な名前、住所、電話番号だけという手軽さがユーザのハートを掴んだ。

とはいえ、こういった後払い決済サービスをやるに当たって、運営側の最大のリスクは未払いだろう。

つまり、ユーザが買い物をした後に実際に後払いされないとなると、それを全て運営側が補填しないといけないということだ。

ある意味で性善説に基づいているところもあるのだろうが、BNPLは比較的、少額決済なのでリスクが低い。

要するに、未払い率は他の割賦販売より低いのが特徴なのである。

実際、ネットプロテクションズの未払い率は、2008年には1.5%超だったが、13年間下げ続けているという。

現在の未払い率は、0.6%未満にまで低下している。

それから、現状のトップシェアが取れている理由は、市場拡大前にシステムを構築できた先行者利益の寄与が大きいとされる。

2021年3月期は、コロナ禍によるECの加速で、個人向け取扱高の前年比はプラス19.7%と大きく伸びた。

ただ、2021年4〜9月期の直近半期は、プラス3.0%に留まっている。

前年比プラスを維持しているものの、後発組が続々と参入してきていることもあり、成長は鈍化している。

その中での株式上場となるので、先行者優位をどこまで維持できるかが、まさに今注目されている。

BNPLが若者に大人気の理由

このBNPLはなにも最近出てきたサービスということではなく、数年前にZOZOTOWNのツケ払いも物議を醸したことを記憶している人もいるのではないだろうか。

商品の支払いを最長2ヶ月遅らせられることから、主に若者の間で利用者が増加した。

ところが、代金を支払えず滞納状態に陥る人が続出し、批判の的となった頃から一変している。

同じように滞納状態になるかもしれない懸念はあるものの、欧米の若い世代でも人気を博している。

クレジットカードの利用が難しい、あるいは抵抗を感じるユーザからの指示を集めている。

また、ZOZOTOWNが物議を醸した当時のツケ払いとは異なっている。

ユーザにサービス利用手数料の負担がないなどのメリットの進化、またAIによる与信判断の精度向上が図られている。

こういった背景から、ユーザ側、加盟店側の双方で人気が高まっているのだ。

例えば、アメリカで人気のBNPLプラットフォームの1つにAfterpayがある。

もともとオーストラリア発のサービスだが、米国を中心に世界的にユーザーを増やしている。

2021年8月時点のデータによると、Afterpayのユーザ数は1,600万人を超え、登録店舗数は10万軒に上るという。

さらに、2021年9月8日には、アメリカの大手決済企業のPayPal社が日本のPaidy社を3,000億円で買収するという発表もあり、ここからも盛り上がっていることが読み取れる。

BNPL戦国時代

先述したAfterpayプラットフォームを通じて商品を購入した場合に、どういったフローになるのか参考までに書いておこう。

まず、ユーザは欲しい商品を即入手できる一方で、ツケ払いと同じく後で支払いをしなければならない。

基本的には4回に支払いを分割することができ、2週間ごとに同額を分割で支払うことになる。

利息がかかることはないけれども、もし分割支払いが遅れた場合には、遅延料が発生するという仕組みだ。

このAfterpayの人気に注目した、オンライン決済大手SquareがAfterpayの買収に乗り出している。

Squareは2021年8月1日に、Afterpay買収において調整段階にあることを発表している。

買収額は、2021年7月30日時点の株価で計算した時価総額である290億ドル(約3兆1,000億円)ということだ。

他にも、注目されているBNPLサービスには、ソフトバンクグループが出資するKlarna、Affirm、Quadpayなどがある。

まとめ

このBNPLが盛り上がるということに驚異を感じているのは、クレジットカード業界だろう。

実際に、オーストラリアのクレジットカードアカウント数は、2020年3月末から6月末までの3ヶ月感で、1,364万件から1,327万件と37万件減少していることが判明している。

まさに若い世代がクレジットカード利用を停止し、AfterpayなどBNPLサービスにシフトしていることが示唆された。

このカテゴリは、FinTech(フィンテック)の領域である。

グローバルでのBNPL市場は、2020年に10.6兆円を突破し、2025年には72兆円を超えると予測されており注目したい市場の1つであることは間違いない。

 

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