音吐朗朗(おんとろうろう)
→ 音声が爽やかで大きいこと。
音声というと最近、音声メディアが話題になっている。
YouTubeなどの動画配信サービスから次は音声メディアだということで、様々なサービスが登場している。
今回はそんな音声メディアについて、分析してみようと思う。
音声メディアが注目される理由
動画配信サービスが相変わらず人気の中、音声メディアが次のプラットフォームとして注目されている。
その理由としては、動画だと画面を追わなければ行けないのに対し、音声コンテンツは耳だけを傾ければいいというところが大きいだろう。
つまり、なにかをしていても聞くことができる、いわゆるながら利用が楽しめる点が、動画やテキストのコンテンツと大きく異なる。
聴くという動作は、他の動作と並行して行える利点があるということを改めて強調したい。
例えば、車や電車などの移動中でも家事や運動をしている間にも音声メディアは聴くことができる。
他の作業を行いながら情報収集ができるため、なにかと可処分時間を奪われるコンテンツに溢れる現代社会においては、最適なのかもしれない。
イギリスのBBCの調査によれば、ポッドキャストのリスナーの94%が家事やランニングなどほかの行動をしながら使っているという。
それから、ながら作業をするグループの方が、仕事などに対するポジティブな心理状態であるエンゲージメントが高くなる結果も得られている。
ついでに、スマートフォンやタブレットなどを使い視覚を使うメディアは、ブルーライトで目を疲弊させてしまうが、音声メディアは耳を使うだけなので目を休めることができる点もメリットだ。
それから、音声メディア市場にもテクノロジーが寄与している。
というのも、インターネット配信によってスマートフォンやタブレットで誰もが気軽に音声コンテンツを聴けるようになった。
その背景には4Gの普及、それから5Gエリアの拡大が大きく影響しているだろう。
更に、スマートスピーカーといったIoTデバイスの普及も音声メディアの盛り上がりを助長している。
そこに手軽に使えるワイヤレスイヤホンも多々登場しており、より快適に音声コンテンツが楽しめるようになったことも盛り上がっている理由の1つだろう。
他にも、音声コンテンツは、動画と比べて制作費を圧倒的に抑えることが可能という点にも注目したい。
動画制作に比べると工数が少なく、今やスマートフォンやマイクだけで誰でも簡単に作れてしまう。
収録や編集が容易にできる無料編集アプリも数多く登場しており、無理なくコンテンツが量産できるのも魅力的だ。
要するに、特定のスキルがなくてもコストをかけずに制作および量産ができる。
音声コンテンツ市場
そんな音声メディア内で提供されている音声コンテンツの市場規模は拡大傾向にある。
様々な企業のマーケティングにも利用されるようになってきている。
特に、オーディオアドとも呼ばれるデジタル音声広告の市場規模は国内外で拡大傾向にある。
株式会社デジタルインファクトの調査によると、デジタル音声広告の市場規模は2020年には16億円だが、2025年には420億円にまで拡大すると予測されている。
そして、音声広告は動画広告と違い、スキップされる可能性が低く、完全再生率が高い傾向にあるのも特徴だ。
音声メディアおよび音声コンテンツの種類
Podcast(ポッドキャスト)
Podcast(ポッドキャスト)は、インターネット上に音声ファイルなどを公開して配信する仕組みのことである。
そもそも動画、音声は問わないのだが、最近では音声配信として認識されている。
聴取者はPodcast対応のアプリで好みのRSSデータを読み取り、手元のデバイスにダウンロードをして聴く。
Podcastでは、コンテンツをインターネットアクセスが可能なストレージ上にストックして、コンテンツの更新情報はRSSフィードで発信するという仕組みだ。
配信されているコンテンツはニュースから英会話、ドラマに至るまで様々なものがある。
音声配信サービス・音声配信アプリ
音声配信アプリは、文字通り音声コンテンツを配信できるサービスのことだ。
個人または企業の音声番組を配信するプラットフォームとしての役割を果たしているアプリが多く登場している。
代表的なものには、誰でも自由に音声をライブ配信できるアプリのRadiotalkやSPOON、人を軸に独自のパーソナリティを選定し、選定された人が配信を行うVoicyなどがある。
SPOONでは課金アイテム、Radiotalkでは投げ銭といった機能が実装されていて盛り上がっている。
加えて、運営側からポイントが提供されたりと、配信者のモチベーションが高まる仕掛けが施されているアプリが多いのも特徴だ。
ポイントは現金や商品券などと交換できるような仕組みも多く見られる。
一定の金額を支払ってプレミアム会員などになると、特別な放送を聴くことができる場合もある。
オーディオブック
本の内容を音声として聞くものを、オーディオブックという。
本を持ったりページをめくったりする必要もなく、目で文字を追う必要もないので、運動や家事をしながらの読書に最適だ。
また、オーディオブックのデバイスが1つあれば、何冊もの本を手間なく持ち歩ける点もメリットだ。
代表的なサービスには、audiobook.jp、パブリックドメインとなった作品の朗読を無料で聴ける、LibriVoxなどがある。
インターネットラジオ
インターネットラジオとは、ラジオ局がインターネットを通じて行う配信や番組を指す。
インターネットを通じて、スマートフォン、タブレット、スマートスピーカーなどの媒体で聴くことができる。
無料放送と有料放送があり、パーソナリティの動画や静止画を一緒に配信している場合もある。
元々人気コンテンツであったラジオが、より身近な存在になるため、多くのコンテンツがインターネットラジオに対応しているという特徴がある。
代表的なサービスには、TBSラジオの提供するラジオクラウド、日本のラジオ局の番組が無料で聴けるradikoなどがある。
音声コンテンツプラットフォーム
音声コンテンツプラットフォームは、複数の種類の音声コンテンツを集めて総合的に配信および聴取できるメディアのことだ
朗読やニュース番組、語学学習コンテンツなど、様々な音声コンテンツを集めている。
代表的なものにはオーディオブックやネットラジオなどの音声コンテンツを配信できるhimaraya、TOKYO FMとジャパンエフエムネットワークが共同で提供するAuDeeなどがある。
まとめ
動画配信サービスおよびメディアがインフラになりつつある今、音声メディアも注目されている。
くり返しになるが、その最たるメリットは、ながら作業ができるというところだろう。
極論をいってしまえば、内容はなんだっていい。
そのコミュニティにいること、パーソナリティと繋がっていることに重きが置かれていたりする。
様々なサービスが出ているが、まだまだ戦国時代といったところだ。
今後、どのサービスが一歩抜け出してくるのか、目が話せない。
引き続き注目していきたいと思う。
そして、もしかすると自分でも音声メディア配信をするときが来るかもしれないので、そのときに備えておこう。
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