有象無象(うぞうむぞう)
→ 数は多いが、たいしたことない者どもという意味。
たいしたことないと思っていたものがタイミングと運の要素も加わって、急に台頭することがある。
現代に置き換えると、SNSの勢力図もまさにそれに当てはまるのではないだろうか。
インターネットの登場後、テクノロジーの共有が進み、SNSも登場した。
そして、多くのSNSが登場しては消えていったり、未だに勝ち残っている。
SNSの歴史
SNSはソーシャルネットワーキングサービスの略称で、登録された利用者同士が交流できる会員制サービスをいう。
友人や同じ趣味を持つ人同士が集まったりと、ある程度閉ざされた世界にすることで、密接な利用者間のコミュニケーションを可能にしている。
その誕生は古く、1997年に遡る。
SixDegrees.com
SNSの原型といわれているのが、SixDegrees.comである。
繋がりのある人物のみが書き込める掲示板やサイト内でのメッセージといった機能を備え、1997年にリリースされた。
ところが、システム上のトラブルやスパムなどの問題があり、2000年12月にサービスは閉鎖されている。
Friendster
その後、2003年にFriendsterというサービスが登場する。
招待制のサービスで、ブログやコミュニティのほか、写真をFriendster内にアップして保存できるアルバムの機能なども備えていた。
SixDegrees.comの進化版かつ現代のSNSのベースになったサービスである。
立ち上げ当初は友達や恋人が探せるという口コミが広がり、ユーザー数は半年間で300 万人に達した。
それから、アジア圏を中心にユーザー数は増加していったものの、Facebookなど次々に登場してきたサービスに打ち勝つことができなかった。
2011年5月にSNSとしてのサービスを終え、翌6月からはソーシャルゲームサイトに転換している。
mixi
2004年には日本を代表する元祖SNSである、mixiが登場した。
世界的にもSNS初期に開始した大規模なSNSで、実はmixiの前身は求人サイトだった。
その求人サイトが登場したのは2000年で、当初は既登録ユーザーの招待を受けないと利用登録できない招待制を採用していた。
この招待制が健全で安心感があるという信用を得たことがきっかけになり、会員数が急増した。
根強い利用者を持つ反面、登録のハードルが高いことから手続きが面倒だということで、やがて新規登録数の増加は限定的となっていった。
そんな中、2008年に日本に上陸したFacebookの勢いに勝ることができず、ユーザー数も減少していった。
ただ、2013年にモンスターストライクをリリースして、見事な復活劇をみせる。
mixiのときのSNSの機能も付加されていることはあまり知られていないが、270万を超える趣味コミュニティがある。
会員数は2,800万人を超える日本最大規模のオンラインプラットフォームの地位は健在である。
今や世界最多のSNSとなった、Facebookの登場はmixiと同じ2004年である。
マーク・ザッカーバーグが大学内のコミュニティの場として作ったサービスであることは知っている人も多いだろう。
2006年には大学外にもサービスを拡大し、2008年には日本語化が推進され、2010年に日本支社が設立された。
Facebookの特徴は、なによりも実名登録制にある。
他のSNSと比べると実名登録の制約が厳しく、匿名やハンドル名が禁止されている。
とはいえ、実名を立証できる手段を講じていないので、事実上信頼性は低いのだが、実名登録している利用者は多いといわれているという実態もある。
さらに、Facebook は情報共有にも厳しいルールを課していて、コミュニケーションを取りたい相手と友達になることを前提としている。
友達にならないと限定された情報しか得られない仕組みがユーザーには受け入れられたのである。
ただ、日本では2010年末でもユーザー数は300万人程度だった。
Facebookのアカウント登録には、実名と本人の顔写真などのプロフィール登録が義務づけられていることが、日本人の性格に合わなかったことが原因とされる。
ところが、2011年にチュニジアで起きた、いわゆるジャスミン革命にFacebookが大きく影響したこともあり、2011年9月にはユーザー数が1,000万人を超えた。
その後も順調にユーザー数は増加して2015年末には2,500万人に達している。
Twitterでの投稿はツイートと呼ばれ、140文字以内の短文で投稿するというSNSである。
その登場は2006年で、Twitter社はSNSだということを定義しているが、一般的にはSNSの代表例とされている。
Twitterの特徴は、操作が簡単で短文で投稿できるため、いつでも気軽に思ったことをつぶやけるので、リアルタイム性が高いことだろう。
また、興味のあるアカウントをフォローすることができ、閲覧した人がそのツイートをさらに自分の友達に知らせるリツイート 機能がある。
この機能があるため、情報拡散もされやすいというのがTwitterの魅力だ。
日本人のTwitter利用率は世界でも多いとされていて、それには理由がある。
それは、2011年に起きた東日本大震災で、リアルタイムに情報収集が可能だったTwitterが身近なものになったという背景である。
そんなTwitterの創業者である、ジャック・ドーシーが覚醒したといわれている。
今まではマネタイズがあまり上手ではないといわれていたTwitterに革命を起こすと宣言したのである。
実際にその後に様々な新機能をリリースしたり、エリア限定での取り組みを始めている。
今後のTwitterの動きをしっかりウォッチした方がいいだろう。
Instagramは、自分で撮った写真やショートムービーにコメントを添えて投稿すると、不特定のメンバー閲覧することができるSNSである。
2010年にサービスを開始して、Twitterがリアルタイム性を重視しているのに対し、共有と共感を重視しているサービスだといえる。
ハッシュタグの文化を拡めたのもInstagramの影響は大きいだろう。
人間の中にある承認欲求を上手く活用した仕掛けが上手で、Facebookが驚異を感じた。
2012年には、当時設立から2年も経っていない売上がほぼゼロの社員13人のInstagramを10億ドル(約810億円)で買収したことは有名な話だ。
その背景には、サービス開始から1年半でユーザー数が3,000万人を超えた事実があることも知っておくといいだろう。
LINE
日本最大のユーザー数を誇るSNSである。
そのリリースは2011年と後発であるにも関わらず、登場後にはあっという間に普及した。
スマートフォンと普及が後押ししたこともあるだろうが、音声通話や文字メッセージが無料で使えることで、圧倒的に利便性が高いことが大きな要因であることは間違いない。
特に若者や学生の間で普及したが、その理由は、絵文字やスタンプが豊富なことや占いやバイト探しなどのサービスが刺さったことも挙げられるはずだ。
決済サービスやYAHOO!との経営統合により、今後さらに日本国内での地位は盤石になっていくだろう。
まとめ
どこまでのサービスをSNSと捉えるかは意見が分かれるところだろう。
YouTubeをSNSという見方も全く間違っていないし、ニコニコ動画などのコミュニティをSNSという捉え方もできる。
TikTokやライブ配信アプリも時代に合わせて次々に登場している。
この流れは加速の一途をたどることは紛れもない。
いつの時代にもその時代を反映したサービスが生まれ、そのサービスが世に受け入れられたことには必ず理由がある。
最近の若者はという言葉を使うようになってはダメだ。
この理論も何度も唱えているが、知らないことは損をすることに繋がるからである。
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