萎靡沈滞(いびちんたい)
→ 経済などが衰え活気がない状態をいう。萎靡とは植物などがしおれること。
コロナの煽りを食う形で様々な業界で暗い話題が多い。
そんな中で、無双状態な企業がある。
もはや誰もが一度は使ったことがあるレベルの企業になったAmazon(アマゾン)である。
Amazonがどれほどまでに無双状態なのか直近のスコアを徹底分析してみた。
2020年のAmazonのセグメント別売上
2021年2月2日にAmazonが発表したスコアを並べていこう。
2020年度の決算ということで、2020年1月〜12月のコロナ真っ只中のスコアということを意識して欲しい。
- 売上高:3,860億6,400万ドル(前年同期比37.6%増)
- 純利益:213億3100万ドル(前年同期比84.1%増)
わかりやすく日本円でも換算しておくと、売上高は約41兆3,088億4,800万円、純利益は約2兆2,824億1,700万円となっている。
さてここからしっかりとセグメント別に売上を見ていこう。
まずは本業ともいえる直販にあたるEC売上の部分は、1,973億4,900万ドル(21兆1,163億4300万円)で前年同期比39.7%増。
実店舗売上は買収したホールフーズが主軸となり、162億2,400万ドル(1兆7,359億6,800万円)で前年同期比5.4%減。
Amazonが商品を仕入れて販売する直販の全売上高、つまりネット通販と実店舗売上の合算は、下記のとおりだ。
ネット通販と実店舗売上
2,159億1,500万ドル(23兆1,029億500万円)
前年同期比:34.6%増
次に、マーケットプレイスを通じた第三者が販売するサービスに関する手数料売上などは、下記のとおり。
第三者販売サービス売上
804億3,700万ドル(8兆6,067億5,900万円)
前年同期比:49.6%増
そして、「Amazonプライム」の会員費、デジタルビデオ、オーディオブック、デジタル音楽、電子書籍などのサブスクリプションサービス。
サブスクリプションサービス売上
252億700万ドル(2兆6,971億4,900万円)
前年同期比:31.2%増
虎の子のクラウドサービスであるAWS。
AWS(アマゾンウェブサービス)売上
453億7,000万ドル(4兆8,545億9,000万円)
前年同期比:29.5%増
最後に、その他の広告サービスやクレジットカード契約などの売上は下記のとおりとなっている。
その他売上
214億7,700万ドル(2兆2,980億3,900万円)
前年同期比:52.5%増
こうやってみると、まだまだ本業のネット通販と実店舗売上が全体の約56%を占めている。
ただ利益率を見ると圧倒的にいいのは、AWSのクラウドサービス事業である。
直近の四半期毎のスコアを見ても、その優秀さがよくわかる。
AWS(アマゾンウェブサービス)四半期毎売上と利益
・2019年第3四半期
売上:8,995百万ドル
営業益:2,261百万ドル
利益率:25.1%
・2019年第4四半期
売上:9,954百万ドル
営業益:2,596百万ドル
利益率:26.1%
・2020年第1四半期
売上:10,291百万ドル
営業益:3,075百万ドル
利益率:30.1%
・2020年第2四半期
売上:10,808百万ドル
営業益:3,357百万ドル
利益率:31.1%
・2020年第3四半期
売上:11,601百万ドル
営業益:3,535百万ドル
利益率:30,5%
3ヶ月毎の伸びがまさに無双状態になっていることがよくわかる。
Amazonの2021年第1四半期スコア
2021年4月29日に発表された2021年1月〜3月までのスコアも分析しておこう。
- 売上高:1,085億1800万ドル(前年同期比44%増)
- 最終利益:81億700万ドル(前年同期比320%増)
日本円にして、約11兆8,200億円の売上、8,836億6,300円の利益という、もはや無双すぎて手に負えない。
コロナの影響で巣ごもりニーズで、ECのネット通販事業が前年同期比44%増となっているが、もっと注目すべき点がある。
Amazonの強みを知っていないとヤバい理由
AmazonがだたのECサイトだと思っていたら、もはや論外である。
Amazonのキャッシュカウというか稼ぎ頭は、前述したがAWSとサブスクリプションサービスである。
AWSは直近の四半期でも順調に伸びて、32%増の135億300万ドル(約1兆4,718億2,700万円)の売上を作っている。
この利益率が30%前後と高いことも既出だ。
それからもう1つの忘れてはいけないアマゾンプライム。
この会員数が世界で2億人を超えたという発表があった。
サブスクリプションサービス売上は36%増の75億8,000万ドル(約8,262億2,000万円)とこれまた驚愕な数字だ。
サブスクサービスはコンテンツの使い回しができるため、ここの利益率も非常に高くなる。
それよりも、アマゾンプライムのすごいところは入っていない方が損だというサービスになっているということだ。
つまり、チャーンレートと呼ばれる解約率が圧倒的に低いということである。
このように、Amazonは自社で使っているサービスを他社にも使わせるという手法で、圧倒的利益率の高さとチャーンレートの低さを誇っている。
ここに自然と誘導しているビジネルモデルが最強ということで無双状態を作り出している。
Amazonに学ぶこと
とはいえ、Amazonは失敗をしている企業としても実は有名だ。
買収センスが悪いと揶揄されることもあるし、プロダクトが弱いとされることもある。
とはいえ、要所要所は確実に押さえているのも事実た。
例えば、アレクサにIoTデバイスは合わせざるを得ない状況を上手につくりだしている。
スマートスピーカーの普及には間違いなく一役買っており、stakも連携せざるを得ない部分が正直ある。
創業者のジェフ・ベゾスの徹底した顧客目線というところが、年月を経てAmazon帝国をつくりあげた。
そんなAmazonにstak社が買収されるのも悪くない。
と、なぜか上から目線で締めくくろう。
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