書物を読むスピードがはやいこと。
書物を読む機会が減っているという認識を持っている人は多いのではないだろうか。
若者が書物を読まなくなったというメディアも多いが、実はそんなことはない。
書物といっても紙書籍、紙雑誌、電子コミック、電子書籍、電子雑誌と幅広い。
単純に紙に依存した書籍が読まれなくなったからといって、書物を読む人が減ったとするのは間違っている。
「2020年紙+電子出版市場は1兆6,168億円で2年連続プラス成長 ~ 出版科学研究所調べ」
出版市場について、よくまとまっている記事なので目を通してもらいたい。
紙書籍、紙雑誌の市場は確かに急速に減少している。
特に紙雑誌の市場の減少率は著しい。
その一方で、電子書籍の分野の成長もまた著しい。
それから、出版市場全体に注目して欲しい。
2014年は1兆7,208億円に対して2020年は1兆6,168億円で、その間も若干の減少はあれど、そこまで大きくはない。
むしろ、2018年に底を打ってから少しずつ市場が盛り上がっている。
その盛り上がりを牽引しているのは、くり返しになるが電子書籍である。
漫画を中心にどんどん電子化されていて、そもそも電子書籍から入るという若者も多い。
そんな若者が紙書籍を買うという傾向もあり、紙書籍については人口減を鑑みると実はそこまで壊滅的な状況ではない。
では、壊滅的なものはなにか。
こちらもくり返しになるが、紙雑誌市場である。
つまり、紙を中心とした出版については確実に縮小傾向にあるといっていいが、電子書籍市場は明らかに盛り上がっていることを理解しておく必要がある。
そして、紙である必要があるという概念自体が古く、紙媒体の書籍が減っているからといって読むという行為が減っていると紐付けるのは、安易すぎるということだ。
もっと大切なのは、紙雑誌市場は確かに減少しているが、なにも全てにおいてネガティブなわけでもないということである。
紙媒体からオンライン化に成功している、メディア化しているものもたくさん出てきている。
インターネットの登場、Amazonの登場で町の本屋さんは大幅になくなっていった。
まさに異業種からの参入によって業界の構図が大きく変わった典型例であるが、しっかりと形を変えて勝ち残っているものもたくさんある。
勝ち残る条件としては、紙媒体からオンライン化に成功しなければならない。
それを私はメディア化すると表現している。
そんなメディアについても、少し整理をしておこう。
- 一次メディア:新聞社、通信社、テレビ
- 二次メディア:一次メディアで配信されたものを二次的に配信している、Yahoo!ニュースなど
- ソーシャルメディア:人と人のコミュニケーションを図る、ブログ、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeなど
- バイラルメディア:画像や動画を中心にバズ(流行らせること)を狙ったメディア
- キュレーションメディア:ユーザの特性に合わせて情報提供をする、SmartNews、Gunosyなど
- オウンドメディア:自社の商品やサービスを拡散していくために自社で運用していくメディア
こういったメディアと出版業界の垣根がなくなりつつある。
そのきっかけを作ったのは間違いなくインターネットの登場である。
インターネットが急速に変えていっているものは、なにもメディアと出版業界の関係だけではない。
stak社がIoTデバイスの企画・運営・開発ということができるのも、インターネットの登場は大いに影響しているだろう。
20年前、30年前にモノづくりを始めようとしても、そう簡単に始められなかったはずだ。
情報が閉鎖的で1つの正確な情報を入手するにも一苦労だった時代から、検索1つで大量の情報が出てくる。
本が読まれなくなった。
このニュースを目にしたときに、そうなんだと簡単に飲み込んでしまう人は情報の本質に触れることができていない。
インターネットに振り回されないようにするには、質の高い情報に触れる意識を持つことである。
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