こんにちは、stakのあやなです。
2025年度のIT導入補助金・第5次公募(インボイス枠)の採択結果が公開されました。
申請数は6,670件、交付決定数は3,161件で、採択率は47.4%(前回比+4.1ポイント)。
今回は結果の詳細に加え、第7次公募から導入される「新加点項目」についても詳しく解説します。
次回申請を検討している方は、採択の鍵を握る“賃金要件”をぜひ押さえておきましょう。
第5次公募(インボイス枠)の採択結果と傾向分析
申請件数・採択率の概要
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申請数:6,670件
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交付決定数:3,161件
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採択率:47.4%
 
第4次公募(採択率43.3%)からは4.1ポイント上昇し、申請者全体の質・内容が向上した印象です。
審査側が重視しているポイント
- 業務改善や生産性向上の具体的な効果指標(削減時間・コストなど)
 - ITツール導入後の運用体制や定着の見通し
 - 賃金引上げや人材育成など、長期的な経営改善につながる要素
 
第7次公募からの変更点:全枠共通の新加点項目とは
第7次公募(2025年11月以降受付予定)では、全ての申請枠に共通する「加点項目」が新設されます。
これは、政府の賃上げ・雇用改善政策と補助金制度を連動させる狙いがあり、IT導入補助金もいよいよ「人への投資」が評価対象に。
【新加点①】最低賃金未満で雇用していた従業員が30%以上
- 対象期間:令和6年10月~令和7年9月の間で3か月以上
 - 条件:その期間中に最低賃金未満で雇用していた従業員が全体の30%以上
 
この項目は、最低賃金改定後も積極的に改善に取り組む企業を評価するもの。
賃金引上げへの姿勢を示すことで、加点だけでなく補助率の引き上げ対象になる可能性もあります。
💡 実務アドバイス
・給与明細・賃金台帳をもとに、対象期間のデータを早めに抽出。
・最低賃金改定のタイミング(令和6年10月)を踏まえて、給与改定の証憑を用意。
・事業計画書にも「従業員への還元策」として賃上げ方針を明記しておくと効果的。
【新加点②】事業場内最低賃金+63円以上の水準を確保
- 対象:交付申請の直近月
 - 条件:事業場内最低賃金が令和7年7月の最低賃金+63円以上であること
 
こちらは「全事業者が取得可能」とされており、申請前に賃金改定を実施していれば加点が得られます。
これにより、実質的に「賃上げを行う企業が採択で有利」な仕組みになったといえます。
💡 実務アドバイス
・賃金台帳の整備は必須。直近3か月分を証拠資料として準備。
・従業員が数名でも対象になるため、小規模事業者も狙いやすい。
・就業規則や賃金規程を更新し、改定日・金額を明確に記載する。
提出書類の追加:賃金状況報告シートが2種類に
これまで1種類だった賃金状況報告シートが、第7次から2種類に分かれます。
| 書類名 | 対応する加点項目 | 注意点 | 
|---|---|---|
| 賃金状況報告シート(補助率引上げ・加点①用) | 最低賃金未満従業員が30%以上 | 対象期間のデータ整理が必要 | 
| 賃金状況報告シート(加点②用) | 最低賃金+63円以上 | 申請月のデータで判断される | 
これに伴い、申請準備期間の長期化が予想されるため、今のうちに人事・経理部門と連携して資料整備を進めておくのがベストです。
第8次公募(最終回)に向けたスケジュールと戦略
- 申請締切:令和8年1月7日(水)
 - 交付決定:令和8年2月17日(火)
 
8次が現行スキームの最終回となる見込みです。
つまり、加点項目が反映されるのは第7次・第8次の2回だけになります。
このタイミングでしっかり賃金データを整えれば、採択率アップに直結する可能性が高いです。
✅ 申請成功の3ステップ
- 賃金関連データの整理(Excelや給与システムで可視化)
 - ITツールの導入目的を定量化(効果指標:時間削減・経費削減率など)
 - 支援事業者との早期打ち合わせ(書類不備の防止・加点反映の確認)
 
stakが見る「採択される企業」の3つの共通点
- 自社の課題を明確にしている
「請求書作成に時間がかかる」「経費精算が属人化している」など、具体的な課題を明示。 - 導入後の運用体制を描けている
ツールを入れるだけでなく、「社内教育」「運用フロー整備」まで計画している企業は強い。 - エビデンス管理が徹底している
給与データ・導入効果の根拠資料を早期に整える企業ほど、申請スムーズ&採択率が高い傾向。 
stakでは、IT導入補助金の活用相談からツール選定・導入支援まで一貫してサポートしています。
「自社に合う申請枠がわからない」「加点資料の準備が不安」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめと次のアクション
令和7年度・第5次公募の採択率は47.4%と、例年よりも高い水準を維持しました。
第7次からは新加点項目(賃金要件)が導入され、「賃上げを進める企業ほど有利」という新しい評価軸が加わります。
特に【加点②:最低賃金+63円以上】は、全事業者にチャンスがある項目です。
              