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2024年2月28日 投稿:あやな

電子帳簿保存法の変更点と猶予措置について

stakのあやなです。

前回、2024年から義務化になった「電子帳簿保存法」についてお伝えしました。

今回は、変更点と義務化に伴い対応できなかった罰則についてお伝えしていきます。

電子帳簿保存法改正について

電子帳簿保存法は、2022年1月の改正され、2023年12月31日までは猶予期間となっています。

下記の部分が改正されました。

1. 税務署長による事前承認手続きの廃止

従来、電子データ保存やスキャナ保存を導入するには、税務署長の事前承認が必要でした。これが改正により廃止され、企業はより迅速に電子保存システムを導入できるようになりました。
この変更は、電子保存の導入ハードルを大幅に下げることに成功し、電子取引においても事前申請の不要化を実現しました。
これにより、国税関係の帳簿・書類に関しては、全てのデータ保存が事前申請なしで可能になりました。

2. タイムスタンプ要件の緩和

タイムスタンプは、電子データが特定の時刻に存在していたことを証明し、改ざんされていないことを保証する技術です。
改正により、タイムスタンプの付与期限が約2ヶ月とおおむね7営業日以内に延長されました。
これは、企業が電子データの真実性をより容易に、そして柔軟に確認できるようにするための変更です。

3. 検索項目要件の緩和

帳簿書類の電子データ保存およびスキャナ保存において、必要とされる検索項目が大幅に削減されました。
改正前は、多数の検索項目が必要でしたが、改正により日付、取引金額、取引先の3項目に限定されるようになりました。
この緩和は、企業が保存データの管理・検索をより効率的に行えるようにするためのものです。

4. 適正事務処理要件の廃止

スキャナ保存に関連する適正事務処理要件が廃止されました。
これにより、不正防止のために必要とされていた相互けん制、定期的な検査、社内規程の整備などの要件がなくなりました。
この変更により、企業は定期検査に必要な書類の準備や、その保管にかかるコストを削減できます。
さらに、事務処理を2名以上で行う必要がなくなり、業務の効率化が図られます。

5. 電子取引の電子データ保存義務化

改正により、電子データでやり取りされた国税関係の書類は、原則として紙媒体での保存が認められなくなりました。
これにより、インターネットを介した取引も電子取引と見なされ、EDI取引、クラウドサービス、電子メール添付など、幅広い方法が電子取引に該当します。
電子データ保存は、受領した書類にタイムスタンプの付与や、検索要件を満たして保存することが必要になりますが、小規模事業者は特例が設けられています。

6. 罰則規定の強化

電子取引データ保存やスキャナ保存の際に不正が確認された場合、申告漏れに対する重加算税が10%加重されることになりました。
こちらの罰則規定は、令和4年1月1日以降に法定申告期限等の国税について適用されます。

2024年から猶予措置へ

2023年12月までで廃止される宥恕期間に代わり、2024年1月からは下記のすべての要件を満たす場合に限り、猶予措置が認められます。

考え方としては2023年に実施された「宥恕措置」の適用をやや厳しくしたような定義とされています。

猶予措置を受けられる要件(すべて満たす必要あり)
  1. 電子取引データ保存のルールに従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所轄税務署長が「相当な理由」があると認める場合
    ※税務署への事前申請は必要ありません。

  2. 税務調査の際に、以下の求めにそれぞれに対応可能な状態にしている場合
  • 電子取引データのダウンロード
  • 電子取引データをプリントした書面の提示・提出

 

参考:国税庁 電子帳簿保存法の内容が改正されました 〜 令和5年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要 ~
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0023003-082.pdf

最後に

電子帳簿保存法の改正と猶予措置に関する概要について、お伝えしました。

これらの措置は、税務におけるデジタル化の進展と事業者の実務上の困難に対応するための対処だと思います。

改正の意味や形成内容について理解し、活用すること大切になると思います。

私も、色々な情報を調べながら、わかりやすい内容を発信していきますので、参考にしていただけると嬉しいです。

 

また、国税庁が電子帳簿保存法について、一問一答を掲載しているので、是非参考にしてみてください!

電子帳簿保存法一問一答【電子取引関連】
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf

 

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