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2023年8月2日 投稿:swing16o

美意識の定義と心理学

尽善尽美(じんぜんじんび)
→ 立派で美しいこと、完璧なこと。

美意識。

そこには人間が世界を評価し、理解する基準が含まれている。

そして、美意識とは、我々が物事を美しいと感じる能力であり、その基準は文化や時代、個々の価値観によって大きく変動する。

科学的には、美に対する認識は脳内の特定の部位が活動することによって生まれ、特に前頭葉や側頭葉が関与している。

これらの部位は思考や感情、意識などの高次脳機能に深く関わっており、脳内で美の認識が形成される場所だ。

この認識が生まれたとき、脳はドーパミンという神経伝達物質を分泌する。

ドーパミンは快感を感じるためのホルモンであり、私たちがなにかを美しいと感じたときにはこのドーパミンが関与しているというわけだ。

このように美意識は、科学的な観点から見ても、文化や個人の価値観から見ても、非常に複雑で深遠なものだ。

だからこそ、それぞれの時代や文化が生み出す美意識には独自の魅力と深みがあるのだろう。

美意識の歴史

美意識は、その時代の文化や社会状況、さらには技術の進歩などによって大きく影響を受ける。

そして、美意識の歴史を辿ることで、人間がどのように美の概念を形成し、進化させてきたのかが見えてくる。

例えば、古代エジプトでは、女性は眉毛を黒く濃く描き、肌は蜜でツヤを出すことが美の象徴とされていた。

これはエジプトの宗教的な背景や、農耕社会であったことが影響していると考えられている。

濃い眉毛は神々を象徴し、蜜でツヤを出した肌は豊穣を象徴するものだったというわけだ。

一方で、古代ローマでは、健康的な肌色と体形が美の基準とされた。

これはローマの社会状況や価値観が反映されている。

ローマ人は体力を重視し、体育やスポーツが盛んだった。

そのため、肉体的な健康と力強さが美の象徴とされたわけだ。

そして、日本に目を向けると、特に平安時代における美意識は、現代とは大きく異なる。

女性の美の象徴は、漆黒の長い髪、濃い化粧、そして多層の色鮮やかな衣装だった。

これらは平安貴族の繊細さと洗練された感性を表しているのである。

また、男性にとっての美しさも異なり、優雅で繊細な立ち振る舞いや、詩歌への造詣が美男子の証とされていた。

美意識の地域性

また、美意識は地域や文化によっても大きく変動する。

人々がどのような環境で生活しているか、どのような歴史や伝統を持っているかによって、美の基準は異なる形を取るということだ。

西洋文化では長い間、金髪碧眼の女性が理想とされてきた。

これは地中海沿岸の古代ギリシャやローマの美の基準が起源となっている。

ギリシャ神話の女神たちは、しばしば金髪碧眼で描かれ、その美しさは理想とされてきた。

一方で、アジアでは白い肌や黒い髪が美の象徴とされてきた。

これは農耕文化の影響が大きいと考えられている。

農作業をすると肌が日焼けしやすいため、白い肌は貴族や上流階級、つまり働かずに過ごせる人々を象徴するものとされたというわけだ。

また、アフリカの一部地域では、豊満な体形が美の基準とされる。

これは豊穣や生命力を象徴するもので、また食事が豊富にあることを示す社会的なステータスでもあるのである。

美意識と外見

そして、美意識は個々の外見やスタイルに大きな影響を及ぼす。

特に、化粧やファッションは直接的に美意識が反映される分野だ。

現代の日本では、自然体を重視したナチュラルメイクが主流だ。

これは、自然な美しさや健康的な肌を重視する現代の美意識が反映されている。

一方で、アイドルやモデルなどのエンターテイメント業界では、鮮やかな色彩を用いた化粧や、個性的なファッションが求められる。

これらはエンターテイメントという視覚的な要素が強い業界の美意識が反映されている。

また、昨今ではジェンダーレスなファッションやメイクが注目を集めている。

これは、性別にとらわれない美意識や、自由な自己表現の価値が高まっていることを示している。

美意識の比較

改めて、美意識の変化を具体的に見るために、平安時代から現代まで、様々な時代の美意識を比較してみよう。

まずは平安時代を見てみる。

この時代の美女は、厚化粧と多層の衣装が特徴だった。

目元や眉は大きく描き、顔全体に白粉をふり、口元は赤く彩られた。

また、男性の美意識は、優雅で繊細な立ち振る舞いや詩歌への造詣が重視されていた。

次に江戸時代を見てみよう。

この時代は、一般庶民の美意識が大きく発展した時代だ。

女性の美意識は、白粉や赤唇が特徴的で、髪型も奇抜で多彩だった。

男性は、堅実さや稼ぎ手としての能力が美意識の一部とされ、町人文化としての粋な美意識が生まれた。

明治時代になると、西洋文化の影響を受けて美意識が大きく変化した。

女性は洋風のドレスを着用し、髪型も短くするなど、西洋の美意識が取り入れられた。

男性もスーツを着用し、髭を剃るなどの洋風の美意識が広まった。

そして現代。

美意識は多様化し、個々の自由な表現が求められるようになった。

ナチュラルな肌やシンプルなメイクが好まれる一方で、鮮やかな色彩を用いた化粧や個性的なファッションも存在する。

また、男性の美意識も多様化し、健康的でアクティブなライフスタイルを持つことが求められている。

こうして見ると、美意識は時代と共に大きく変化し、その時代の文化や価値観を反映していることがわかる。

それぞれの時代が持つ美意識を理解することで、自分自身の美意識を見つめ直すきっかけになるだろう。

まとめ

ここまで見てきたように、美意識は文化や時代、地域によって大きく変動する。

ところが、その根底には一定のパターンがあり、それは人間が美を求める本能に基づいている。

美を追求することは、人間がより良い生活を求め、自己を高める1つの手段だと言えるだろう。

また、美意識は我々が世界を認識し、理解するためのレンズでもある。

そのレンズを通して見る世界もまた文化や時代、地域によって変化する。

そういった変化を理解し、受け入れることで、我々はより豊かで多様な世界を体験することができるようになるわけだ。

それから、美意識は私たちがなにを価値あるものと認識するか、なにを追求するかを示す指標でもある。

美しいと認識するものは、私たちの価値観や欲求、さらには社会的な位置づけを反映している。

このように美意識は、個々の内面から社会全体へと広がる影響力を持っている。

そして、美意識は我々が自己をどのように表現するかにも影響を与えていく。

化粧やファッション、芸術や文化など、我々が創造するものすべてに美意識が反映されるのが現代社会だ。

美意識は自己表現の一部であり、我々が自己をどのように見せるか、どのように他者と関わるかを決定する概念となっている。

なにが言いたいのかというと、既に美意識は私たちの生活のあらゆる面に深く関わっていて、切り離すことができなくなっているということだ。

自己をどのように見るか、他者をどのように理解するか、そして世界をどのように認識するかを美意識という視点からフィルターを通しているということだ。

例えば、清潔感がない人を見て不快感を覚えるという人は多いだろう。

そういった人と仕事での付き合いをしたいと思うだろうか。

あるいは、プライベートで一緒に食事に行きたいと思うだろうか。

それぞれの美意識が織りなす多彩な世界を楽しみながら、自分自身の美意識を見つけていくことをオススメする。

自分や他人がが美しいと感じるものは、自己の価値観や生き方を映し出す鏡でもある。

なにもそれは、高いものを身につけることを言っているのではなく、自分自身を俯瞰で見て、自分に似合う美意識を身に着けた方がいいということだ。

美意識は文化や時代、地域によって変わり続けるが、その中には人間の美を追求する本質が見え隠れすることは何度も説いているとおりだ。

自分にとっての美意識という定義を持って尊重することが、多くの人とより理解し合える社会を築き上げられるきっかけになると思っている。

美意識の多様性を純粋に楽しむことで、自己と他者、そして世界との新たな関わり方を見つけることができるはずだ。

 

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植田 振一郎 Twitter

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