心織筆耕(しんしょくひっこう)
→ 心で機(はた)を織り、筆で畑を耕す意から、文筆で生活すること。
“文筆で生活する”とは、自分の書いた文章や作品によって収入を得て生活していくことを意味する。
通常、作家、評論家、ジャーナリスト、コラムニスト、フリーランスのライターなど、書くことで生計を立てている人々のことをいう。
こういった人々は、自らが作成し、公開した文章や記事を通じて、販売収入、出版契約、委託料、広告収入などの形で報酬を得るというわけだ。
また、文筆で生活する人々は、クリエイティブな思考と独自の視点を持っており、それが他の人々に価値を提供し、その結果として収入を得ることもできる。
ただ、このような生計を立てるためには、優れたライティングスキルと持続的な創造性が求められる。
それが、かつての感覚だった。
これが、2023年に大きく変わっていることに気づいているだろうか。
そこに大きく影響を与えているのが、AI = 人工知能だ。
生成AIが影響力を発揮している2023年現在
AI = 人口知能という言葉はもはや誰しもが耳にしたことがあるだろう。
ただ、このAIには大きく分けて2つのカテゴリがあることは最低限知っておくべきことだ。
まず、AI = 人工知能は、非常に広範な概念で、コンピュータが人間のように思考したり学習したりする能力を指す。
また、AIは様々な形を取り得るが、上述したとおり、それらは基本的に2つのカテゴリーに分類される。
- 生成AI
- 理解AI
この2つに分類されるわけだが、それぞれもう少し詳しく概説しておく。
生成AI
生成AIは、新しい内容を作り出すためのAIだ。
例えば、文章を書いたり、絵を描いたり、音楽を作ったりする能力を持っている。
このタイプのAIは、大量のデータからパターンを学習し、それを基に新しいアイデアを「生成」する。
ただし、それが作り出すものはあくまで学習したパターンに基づくものであり、AI自身が経験や理解を持つわけではないという特徴がある。
理解AI
一方で、理解AIは、入力された情報を理解し、それに対する適切な応答やアクションを選択する能力を持つAIのことをいう。
例えば、あなたが話す言葉を理解する音声認識ソフトウェアや周囲の状況を理解して適切に反応する自動運転車などに使われている。
当然、この2つのカテゴリのAIは、それぞれ異なる種類の問題を解決するために設計されている。
とはいえ、これらは相互補完的であり、多くのAIシステムでは生成と理解の両方の側面が組み合わさって動作しているということを覚えておくといいだろう。
生成AIによって変わりつつある仕事
AIが人の仕事を奪っていくという話題が尽きないが、ここについては否定している立場だ。
正確に言うと、否定しているというよりも、ネガティブなことを考えても仕方がないという立場なのだが、ある意味で必要ない仕事はなくなっていく。
その最たるところが、テキストを書くというところかもしれない。
AIを使えば、誰でも簡単に作家や物書きになれる時代が到来している。
王道のAIであるChatGPTを使えば、簡単に物語を生み出すことができる。
具体的な事例を挙げてみよう。
こんな感じで雑にprompt(プロンプト)を入力してみる。
念のため、入力したprompt(プロンプト)は下記のとおりだ。
桃太郎と金太郎とさるかに合戦を複合した物語を小学生が読めるレベルで作ってください。
この投げかけに対して、約30秒でChatGPTが生み出したのが、下記の物語だ。
昔々、ある村に桃太郎という勇敢な少年がいました。
ある日、桃太郎は川岸で巨大な桃を見つけ、その中から金太郎が出てきた。
驚いた桃太郎と村人たちは、金太郎が力持ちで優しくて勇敢なことにすぐに気付きました。
それから数日後、村に急ぎの使者がやってきて、「鬼島に住む鬼がさるとかにを捕まえてしまい、助けてほしい」と言いました。
桃太郎と金太郎は、困っているさるとかにを助けるため、すぐに旅に出ることを決めました。
2人は、金太郎の友達のクマさんに船を借りて、大きな波を乗り越えて鬼島へ向かいました。
鬼島に着くと、さるとかにが一緒に働かされているのを見つけました。
さるは木から木へと素早く移動し、かには硬い甲羅で岩を砕いていました。
桃太郎と金太郎は即座に戦いの準備を始めました。
桃太郎は手製の剣を手にし、金太郎はお父さんから受け継いだ大きな斧を持ちました。
そして、さるとかにに囲まれた鬼たちに立ち向かったんです。
しかし、桃太郎と金太郎が一緒になった力は、鬼たちには勝てませんでした。
彼らはもう少しで力尽きそうだったそのとき、さるとかにが考えました。
自分たちも力を貸すべきだと。
そこで、さるは木から木へと素早く移動し、鬼たちを混乱させることに成功しました。
その間にかには硬い甲羅で岩を砕き、その破片を鬼たちに投げつけました。
その間に、桃太郎と金太郎は再び力を合わせて鬼たちに立ち向かった。
最後に、桃太郎と金太郎、さるとかにの連携により、鬼たちはついに倒されました。
鬼たちは「もう二度と悪さをしない」と約束し、さるとかにを村に連れて帰ることを許しました。
村に戻ると、みんなが大喜びで彼らを出迎えました。
そして、桃太郎と金太郎、さるとかにの勇気と友情を讃え、その日から毎年お祭りを開くことになったんです。
それが、この村の最も大切なお祭り、『英雄の日』の始まりだと言われています。
そして、それ以来、桃太郎と金太郎、さるとかには最高の友達となり、それぞれの力を生かして村を守り続けたのです。
とても雑なprompt(プロンプト)に対しても、なんとなく物語っぽいストーリーを生成してくれる。
ただ、さるかに合戦の内容が全く反映されていないことに気づいた人も多いだろう。
私が言いたいことは、そんなAIのアラを探して自分優位なAIの解釈を進めることではなく、簡単にここまでの物語を生成してくれるという部分に注目すべきだということだ。
雑なprompt(プロンプト)、要するに指示の出し方が悪かったというだけで、もっと細かく設定すればより丁寧な物語を出してくれる。
これくらいのprompt(プロンプト)にすると一気に精度が増す。
かつての日本のある村に、桃太郎と金太郎という二人の少年がいた。
二人は共に勇ましく、村の誇りだった。
桃太郎は、大きな桃から生まれたと言われていた。
生まれて間もないころから、知恵と勇気に溢れており、村人から愛されていた。
一方、金太郎は山でくまと一緒に育ち、圧倒的な力を持っていた。
ある日、二人は村の外れで泣いているかにを見つけた。
かには、さるに悪戯をされ、家を追い出されてしまったと告げた。
二人はその話を聞き、さるがいる山へ行くことを決意した。
山への道のりは長く、危険も多かった。
しかし、桃太郎は様々な知恵を駆使し、金太郎はその強さで危険を乗り越えていった。
山に着くと、そこにはさるがいた。
さるは強大な力を持っており、自分の悪行を認めようとはしなかった。
しかし、桃太郎と金太郎は諦めなかった。
桃太郎はさるを説得しようと努力し、金太郎はさるに立ち向かった。
さるは強大だったが、二人の絆と勇気、そして正義はそれ以上だった。
最後には、さるは桃太郎と金太郎の前に敗れ去った。
かにの家を返し、村へと帰ることを約束した。
かには涙を流しながら二人に感謝し、桃太郎と金太郎もまた、かにに感謝した。
自分たちが戦うことで、正義を守ることができたのだ。
この物語が伝えたいことは、人は自分の力を信じ、正しいことを行うべきだということだ。
そして、困難を乗り越えるためには、勇気と友情が必要だということだ。
もちろん、これだけでは全く面白いストーリーではないし、2,000字でといった部分が守られていなかったりする。
けれども、こういった感じで、prompt(プロンプト)、つまり指示出しの仕方を工夫していけば、オリジナリティのあるストーリーを生み出すことは誰にでもできるようになったのである。
まとめ
今回紹介したものは、はっきり言ってかなりレベルが低いものだ。
ただ、とあるアンケートでは、AIを仕事に取り入れているという人は、全体の3%しかいないという。
また、一度でもAIに触れたことがあるという人は7%程度だそうだ。
つまり、AIに触れたことがあるという人は、全人口の10%程度だというものだ。
なぜ、10人に1人しか触っていないという現状なのか。
それは、やはり勝手にAIを使うことが難しいと思っていたり、そもそもどうやって使っていけばいいのかがわからないという人が圧倒的に多いからだろう。
ところが、一度触れてみると、とても簡単に使えることが理解できる。
そして、気づけば時を忘れて、AIを触っていたという人が渡しの周りにも多くいる。
かくいう私もその1人で、AIというものには大きな期待を感じており、その可能性がどういったビジネスに繋がるかを模索している。
作家や物書きに誰もがなれるだけでなく、デザイナーや画家にもなれるし、作曲家にだってなれる。
そんな時代にいれることを幸せだと思うべきなのである。
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