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2023年7月23日 投稿:swing16o

西洋占星術における12の星座と天文学上の星座

参商之隔(しんしょうのへだて)
→ 参はオリオン座の星、商はさそり座の星で遠く離れていることから、夫婦や兄弟の仲たがいや離別のことや遠く離れていて会うことができないことのたとえ。

オリオン座は多くの人が知っている星座だろう。

さそり座も聞いたことがあるという人が大半のはずだ。

けれども、自分の星座がオリオン座だという人はいない。

星座と聞くと無意味な占いを連想させてしまうので、興味がないと言ってしまえばそれまでなのだが、せっかくの機会なので星座についてまとめてみた。

今さら聞けない星座の起源

そもそも、星座という概念が生まれたのは、天体を観察し、理解し、そして記録するためだという。

人間は夜空を見上げ、星々が形成する特定のパターンや図形を見つけることで、それを覚えやすくしたのがきっかけだ。

また、それぞれの星座は、それらの星々が形成するパターンや図形を説明するための一種のストーリーテリングのツールでもあった。

これにより、人々は天体の動きを追跡し、季節の変化を理解し、農作物の栽培や祭りのスケジュールなどを計画することができたのである。

それから、星座は航海のガイダンスとしても使用された歴史がある。

星座を知っていると、夜間でも方向を確認することができ、航海士や探検家が遠くへ旅をするのに役立ったというわけだ。

さらに、古代の人々は星座を宗教的または神話的な意味合いで解釈することもあった。

それぞれの文化は自身の神話や伝説を星座に投影し、それらを通じて人々の生活や世界観を理解したのである。

占星術の観点からは、星座は人間の性格や運命を解釈するためのツールとして使われてきた背景がある。

特定の星座の下で生まれた人々は、その星座の特性や性質を持つと考えられてきた。

こういった一種のカルチャーとも呼べるものが現代にも残っているということだ。

このように、星座という概念は、人間が天体を観察し理解するための重要なツールであり、様々な目的で用いられてきたのである。

西洋占星術における12の星座

誕生日によって星座が分かれる。

これは西洋占星術における分類の仕方で、日本では朝のニュースや雑誌のページで占いとして使われることでも有名だ。

その一般的な分類とイメージは下記のとおりだ。

牡羊座(おひつじ座):3月21日 – 4月19日

立ち上がりが速く、行動的であり、リーダーシップを発揮する。

火星が支配星。

イメージとしては、元気で活動的な羊を思い浮かべてみるといいだろう。

牡牛座(おうし座):4月20日 – 5月20日

忍耐強く、地道な努力を続けられるタイプ。

金星が支配星。

頑固な牛のように固い意思を持っていることから覚えてみるといいだろう。

双子座(ふたご座):5月21日 – 6月20日

コミュニケーションが得意で、多趣味なタイプ。

水星が支配星。

おしゃべりな双子をイメージしてみるといいだろう。

蟹座(かに座):6月21日 – 7月22日

家庭的で、感情が豊かであり、人情に厚い。

月が支配星。

家族愛に溢れる母親のようなカニを思い浮かべてみるとわかりやすいのではないだろうか。

獅子座(しし座):7月23日 – 8月22日

誇り高く、リーダーシップに富み、人々を引っ張っていく力がある。

太陽が支配星。

誇り高いライオンを思い浮かべてみてるといいだろう。

乙女座(おとめ座):8月23日 – 9月22日

分析的で、きめ細やかな気配りができるタイプ。

水星が支配星。

細かいことに気を配る乙女を思い浮かべてみるといいだろう。

天秤座(てんびん座):9月23日 – 10月22日

社交的で、公平さを大切にするタイプ。

金星が支配星。

バランスを取る天秤を思い浮かべてみるとイメージが湧くのではないだろうか。

蠍座(さそり座):10月23日 – 11月21日

強い意思を持ち、情熱的なタイプ。

冥王星と火星が支配星。

毒を持つサソリのように強く、鋭い意思を持つことから覚えてみるといいだろう。

射手座(いて座):11月22日 – 12月21日

自由を愛し、探求心が強いタイプ。

木星が支配星。

遠くへ矢を放つ射手のように、自由を愛し探求心を持つイメージを持つといいだろう。

山羊座(やぎ座):12月22日 – 1月19日

実直で、忍耐力があり、ゆっくりと目標に向かって進む。

土星が支配星。

困難な山を登る山羊のように、逆境に強いイメージをすれば覚えやすいだろう。

水瓶座(みずがめ座):1月20日 – 2月18日

独立心が強く、ユニークで、創造的なタイプ。

天王星と土星が支配星。

新たな水を注ぐ水瓶を思い浮かべてみるといいだろう。

魚座(うお座):2月19日 – 3月20日

想像力が豊かで、理想主義的なタイプ。

海王星と木星が支配星。

大海原を泳ぐ自由な魚を思い浮かべてみるとイメージしやすいだろう。

西洋占星術以外の星座について

ここで冒頭に述べた、オリオン座などの星座の存在に話題を戻そう。

他にもカシオペア座、北斗七星を含む大熊座など、西洋占星術には含まれていない星座もある。

なぜ、こんなことが起きているのだろうか。

それを理解するためには、まず西洋占星術の根本的な概念を理解する必要がある。

西洋占星術で広く認知されている星座は、黄道十二星座と呼ばれ、上述したように年間を通じて太陽が移動する黄道上の12つの星座だ。

ただし、実際の天文学では、南北両極から見える全ての星を含む88の星座が認識されている。

これらの88の星座は、国際天文学連合(IAU)によって定義されている。

この中に、オリオン座、大熊座、天の川などといった星座の他に、南半球からしか見えない星座や、あまり知られていない星座も含まれているというわけだ。

なお、IAUが定めた88の星座のリストは、1922年に初めて作られ、その後1930年に最終的に完成した。

このリストは、かつては様々だった星座の境界を明確にし、正確な天体の位置を議論できるようにする目的で作られた。

つまり、星座という概念は、占星術や文化的な背景により様々な意味を持つことがあれど、天文学的には88の星座が公式に認められているということになる。

西洋占星術の基本概念

それでは、西洋占星術における12の星座がどうやって決まったのか興味がある人もいると思うので、概説しよう。

西洋占星術における12の星座は、太陽の視線運動の道すじである「黄道」を基準に作られている。

黄道は黄道帯とも呼ばれ、太陽系の惑星が動く範囲でもある。

この黄道を12等分し、その範囲に入る星々をまとめて星座として定義したのである。

なお、星座の名前はその範囲内にある主要な星々が形成する形状に由来している。

また、西洋占星術の起源は古代バビロニアにまで遡る。

ちなみに、古代バビロニアは紀元前1894年から紀元前539年にかけての期間を指し、現在のイラクとシリアの一部にあたる地域に存在した重要な文明だ。

初めて天体観測を体系的に行い、それに基づく予言を行ったとされている。

当時のバビロニア人は、太陽や月、水星、金星、火星、木星、土星の5つの惑星の動きを注意深く記録した。

それぞれの天体が特定の星座の中を移動するときに地球上でなにが起こるかを調べたのである。

その後、古代ギリシャの時代になると、これらの観測結果はさらに洗練され、星座はその年の時間帯に基づいて特定された。

これが現在我々が知っている、誕生日に基づく12星座のシステムの始まりだ。

つまり、これらの12の星座は、太陽系の惑星の動きと、古代の人々が天体観測から得た知識に基づいて決定されたというわけだ。

世界中にある様々な星座や占星術

西洋占星術の12の星座以外にも88の星座があることは上述したとおりだが、それに伴い、世界中に様々な星座や占星術の体系が存在している。

例えば、中国や他の東アジア地域では、十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)が用いられ、それぞれが年・月・時・方向と結びついている。

また、中国の伝統的な占星術では、紫微斗数というものがある。

インドではヴェーダ占星術(ジョーティシュ)という独自の占星術があり、ここではラーシ(星座)と呼ばれる27もしくは28の区分が存在している。

また、メソアメリカのマヤ文明では、独自の天文学と占星術を持っていて、260日を基本単位とする「ツォルキン」という暦を用いていた。

このように、地域や文化によって異なる星座や占星術の体系が存在している。

そのため、星座という概念自体は世界中で共有されているものの、具体的な星座の名前や数、それぞれの星座が持つ意味などは、それぞれの地域や文化によって異なることが多いのである。

まとめ

私は西洋占星術でいうところの乙女座(おとめ座)に該当する。

分析的で、きめ細やかな気配りができるタイプということなのだが、まあ間違ってはいないだろう。

もちろん、一括りにすることはできないし、科学や技術が進歩した現代において占いのようなエビデンスがないものは基本的に信用することはない。

とはいえ、まだ技術が乏しかった時代に星座が1つの貴重な指標となっていたということは紛れもない事実だろう。

そして、古代文明が滅びたことで現代の方が科学力も技術力も勝っていると思っていることは、実は思い込みかもしれないという見方もできなくもない。

なにが言いたいのかというと、星座を基準としていた文明が栄えていた当時の方が、今よりも豊かさを感じていた人間が多かったかもしれないという仮説だ。

こんな仮説をきちんと物語にしていくことも面白いかもしれない。

 

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植田 振一郎 Twitter

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