周章狼狽(しゅうしょうろうばい)
→ 大いに慌てること、うろたえ騒ぐこと。
私自身、大いに慌てること、うろたえ騒ぐことはほとんどなくなったといっていいだろう。
そこまで焦るという感覚がなくなったのは、単純に歳を重ねてそれなりに経験値が増えたからだと思う。
ほとんどなくなった理由としては、準備を徹底するということを心がけてきたからだと自負している。
これは、今でもよくいうことなのだが、とにかく準備を怠らないことだ。
何度もくり返し結論を述べるが、狼狽を遠ざける方法は徹底した準備をすることだ。
プレゼンから学んだ準備の大切さ
私はstak, Inc. というスタートアップのCEOをしている。
stak, Inc. の主力商品はその名のとおり、stakという機能拡張モジュール型のIoTデバイスだ。
当然、その企画から開発、運用から販売までを一気通貫して行っているわけだが、その過程でプレゼンの機会を重視していた時期がある。
スタートアップが知名度を上げるためだったり、資金調達を行う方法として絶対にやるべきなのは、ピッチに参加することだ。
いわゆるプレゼンの場なのだが、今や日本全国で様々な規模で開催されているのが実態だ。
どんな事業を展開しているのかにもよるが、テック系、バイオ系、ネイチャー系などなど様々なスタートアップがある。
近年のピッチは日本でも多様化されていて、テーマに合わせて開催されている。
かくいう私も、ピッチには多く登壇している方だと思う。
いくつかは、stak, Inc. のYoutubeにアップしているので、是非見ていただきたい。
また、ときには大学の授業をハックしたりもしていた。
こういった場に出ることで緊張することはないのかとよく聞かれるが、私は本当にこういう場で緊張することはない。
正確に言うと適度な緊張感はあるが、いわゆる一般的にイメージするドキドキの緊張でガチガチ震えるような緊張とは全く異なる。
というのも、ピッチで登壇しているときは自分自身を俯瞰で上から見ている感じだ。
自分を自分で見ている感覚で、そこから会場全体を見ていて、その空気感を察してアドリブを加えるのが私のスタンスだ。
ただ、このスタンスを確立するまでには、それなりに時間がかかった。
そして、根本にあるのは、何度もくり返し主張している準備だ。
今だからこそ明かすが、かつての私はピッチ当日までなにも準備していなくて、その場の雰囲気でアドリブのみで話をしていると語っていた。
これは、少しでも自分自身を天才タイプだと思わせたいという、単純な私のエゴというか、カッコつけていただけの話だ。
実際は、何度も何度もピッチ当日になるまで、くり返し練習した。
時計を準備して、話すスピードや抑揚のつけ方とか、自分なりに研究した。
その結果、私はピッチを楽しめるようになった。
狼狽の意味
そもそも、うろたえる、つまり狼狽するとはどういう状況なのだろうか。
上述したとおり、狼狽という言葉は、混乱や慌てふためくさまを表す言葉だ。
その由来は、複数の説がある。
一説によると、狼狽は、元々は狼売(おおかみうり)という言葉が転じたものだとされている。
江戸時代には、狼の毛皮を売る商人がいたことから、狼売りという言葉が使われていた。
そして、この狼売りが慌てふためいた様子を表す言葉として狼狽と呼ばれるようになったという説だ。
また、別の説だと、狼狽は、中国の古典である詩経に由来するとされているものもある。
詩経には、狼狽(ろうばい)の心を持って、思い悩むことなかれという一節がある。
この狼狽は、狼が驚き、逃げるような様子という意味があり、そこから転じて、慌てふためくさまという意味が生まれたとされている。
このように、狼狽の由来には複数の説があるが、いずれにせよ、慌てふためく様子を表す言葉として定着している。
そこから、狼狽という言葉が用いられて、使われるようになったわけだ。
狼狽する
慌てふためいて混乱する様子を表す表現だ。
例文を挙げるとすると、彼女の突然の告白に、彼は狼狽してしまったといったところだろうか。
狼狽して逃げる
危機に陥って慌てふためき、逃げ出す様子を表す表現だ。
例文を挙げるとすると、火事になって、人々が狼狽して逃げ出したといったところだ。
狼狽的な言動
慌てふためいたり、混乱しているような言動をする様子を表す表現だ。
例文を挙げるとすると、社長の突然の退任発表に社員たちは狼狽的な言動をとったといったところだろう。
狼狽した表情
慌てふためいた表情をする様子を表す表現だ。
例文を挙げるとすると、先生から急に呼ばれた生徒が狼狽した表情で教室に入ってきたといった感じだ。
狼狽の原因
慌てふためく原因を表す表現だ。
例文を挙げるとすると、彼女の携帯に元カレからの電話がかかってきて、彼女は狼狽の原因を作ってしまったといった具合だ。
このように、狼狽という言葉はすっかり定着しているわけだが、狼狽を避ける方法が準備だということも同時に理解してもらえるだろう。
狼狽しない方法
狼狽しない方法で、私の結論は何度も述べているとおり、徹底した準備をすることだ。
その準備をしたことで得た経験が狼狽を少なくしていく。
一方で、一般的に狼狽しない方法を相棒のChatGPTに聞いてみたら、こんな回答があったので紹介しておこう。
深呼吸をする
深くゆっくりと呼吸をすることで、心拍数を下げ、リラックスすることができる。
狼狽したときには、深呼吸をすることで、自分を落ち着かせることができる。
状況を客観的に見る
狼狽している時には、感情が先行して客観的な判断ができなくなることがある。
そんなときには、自分が置かれている状況を客観的に見ることが大切だ。
冷静に状況を分析し、自分が取るべき行動を考えましょう。
対処法を事前に考えておく
万が一の場合に備えて、対処法を事前に考えておくことが大切だ。
例えば、火災が起こったときには、家族と共に避難する場所を決めておく、地震が起こった時には机の下に隠れるといった具合に事前に対処法を考えておくことで、狼狽せずに行動できる。
質問する
状況が分からないときには、周りの人に質問することが大切だ。
何が起こっているのか、何が必要なのかを聞くことで、冷静に対処できる。
身体を動かす
適度な運動をすることで、ストレスを解消し、リラックスすることができる。
狼狽しているときには、軽いストレッチやウォーキングなど、身体を動かすことで自分を落ち着かせることができる。
自分に問いかける
自分に問いかけることで、状況を客観的に見ることができる。
何が起こっているのか、何が必要なのかを自分に問いかけて、答えを見つけることが大切だ。
一度退場する
状況から離れることで、自分を落ち着かせることができる。
狼狽した瞬間には、一度退場してゆっくりと自分を取り戻すことが大切だ。
まとめ
動揺しないこと。
これは私の中で比較的若い頃から心がけきたことかもしれない。
それは、自分の思い描いたとおりに物事は進まないことがほとんどだということを社会人になって割と序盤に察したことにある。
その都度、アドリブを効かせることができなければ私のイメージする仕事ができる人というイメージ像からは程遠かった。
そこに気付いたあたりから、私はアドリブ力という言葉を使うようになった。
いついかなるときにどんな場所に放り出されたとしても、その場に順応して乗り切る力だ。
そのアドリブ力が高い人ほど、仕事ができるというのが私の持論であり、その最高峰を目指したいという意向は今でもずっと変わらない。
となると、天才肌ではない私がやるべきことは1つしかなかった。
圧倒的な準備というなの努力だ。
その積み重ねは嘘をつかないということは、今までの経験からもしっかりと語ることができる。
と同時に、まだまだだという想いも強くある。
私はまだまだ発展途上だが、狼狽することは滅多にないだろう。
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