秋日荒涼(しゅうじつこうりょう)
→ 秋の物寂しい景色の形容。
2023年の季節は春から夏へ変遷しようとしている中で、秋をテーマにすることに少々違和感を覚えるが、テーマはランダムの巡り合わせなので仕方がない。
以前にも書いたと思うが、私は秋が四季の中で最も好きだ。
そんな秋に欠かせないイベントになっているのが、Halloween(ハロウィン)だろう。
季節外れとはいえ、そんなHalloween(ハロウィン)について、あえてこのタイミングでまとめておこう。
今さら聞けないHalloween(ハロウィン)ってなぁに?
ハロウィンは、アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏で、毎年10月31日に祝われる祭りだ。
ハロウィンは、元々ケルト人がアイルランドで祝っていた収穫祭、Samhain(サムハイン)が起源とされている。
サムハインは、夏の終わりと共に収穫を祝い、冬に備えるための祭りだった。
当時のケルト人は、この時期に死者の霊が現れると信じていた。
そして、この祭りでは、魔術師やドルイドと呼ばれる神官が、霊界から現れた悪霊を追い払うための儀式を行っていた。
また、サムハインの夜には、人々が仮装をして、悪霊たちを恐怖させる、いわゆる仮想的なことも行われていたとされている。
11世紀頃には、キリスト教がアイルランドにもたらされ、この地でもキリスト教の影響を受けるようになった。
その後、キリスト教の祭りである、All Hallows’ Eve(万聖節)と結びつけられ、ハロウィンとして現在の形に発展していった。
また、ハロウィンがアメリカなどで広く祝われるようになったのは19世紀に入ってからで、アイルランド系移民が多く住む地域で根付いたとされている。
そして、20世紀に入ってからは、メディアやエンターテイメント産業の影響も受け、現在のような仮装やトリック・オア・トリートなどの要素が加わった、ポピュラーな祭りとなっている。
Halloween(ハロウィン)の起源
Halloween(ハロウィン)が10月31日に行われるのは、上述したケルトの祭りである、Samhain(サムハイン)がこの日だったからだ。
くり返しになるが、ケルトの暦では、この日が1年の終わりで、新しい年の始まりを迎える日だった。
また、ケルトの信仰ではこの日に、生者と死者の境目が曖昧になり、亡くなった先祖や神々が現世に現れると考えられていた。
このため、神聖な日として扱われ、さまざまな儀式や祭りが行われた。
後にキリスト教がケルト地域に拡まると、サムハインはAll Saints’ Day(全聖者の日)やAll Souls’ Day(万霊節)といったキリスト教の祭りに取って代わられました。
とはいえ、10月31日に行われる習慣は引き継がれたので、現在もハロウィンは10月31日に行われているというわけだ。
Halloween(ハロウィン)の行事
もはや書く必要もないほどに、日本でもハロウィンは根付いているが、一応ハロウィンで行われる行事というかイベントについても列挙しておく。
仮装
ハロウィンには、様々な仮装をすることが一般的だ。
子どもたちは、悪魔や魔女、ゾンビ、幽霊などのコスチュームに身を包んで、家々を回ってお菓子をもらったりする。
大人たちもハロウィンパーティなどで、様々な仮装を楽しんだりする。
ジャック・オー・ランタン
ハロウィンには、かぼちゃをくり抜いて、顔を彫ったジャック・オー・ランタンが欠かせない。
これは、悪霊を追い払うために灯りをつけたという伝説に由来している。
トリック・オア・トリート
ハロウィンには、子どもたちが仮装して、家々を回ってお菓子をもらう、トリック・オア・トリートという風習がある。
Trick or treat(トリック・オア・トリート)は、ハロウィンで子供たちが行う言葉遊びの1つで、お菓子をくれないといたずらするぞという意味だ。
子供たちは仮装して近所の家々を回り、トリック・オア・トリートと言ってお菓子をもらいに行く。
仮にお菓子をくれなかった場合、彼らはいたずらをすることが許されるという儀式的な要素が含まれている。
とはいえ、現代ではいたずらをすることは好ましくないという風習が一般的で、この言葉遊びは単なるハロウィンの楽しい風習として楽しまれているといえるだろう。
ハロウィンパーティ
大人たちは、ハロウィンパーティを開いたり、バーで集まって仮装を楽しんだりする。
パーティでは、仮装コンテストや、カボチャを使ったゲームなどが行われることもある。
ハロウィンイルミネーション
近年では、ハロウィーンを祝うために、家や街を飾る、ハロウィンイルミネーションが流行している。
かぼちゃや幽霊の形をしたライトアップなど、様々なデザインがある。
Halloween(ハロウィン)の市場規模
そんなHalloween(ハロウィン)だが、文化として拡がりを見せているということは、当然ビジネスとしての側面もある。
世界のHalloween(ハロウィン)市場規模
- 2009年:約205億円
- 2010年:約225億円
- 2011年:約240億円
- 2012年:約265億円
- 2013年:約290億円
- 2014年:約320億円
- 2015年:約345億円
- 2016年:約380億円
- 2017年:約415億円
- 2018年:約460億円
- 2019年:約485億円
- 2020年:約330億円(新型コロナウイルス感染症の影響による)
ハロウィンの世界市場規模は、年々拡大していることが理解できるだろう。
2010年代に入ってからは、年間約20億円〜30億円ずつ成長し、2021年には新型コロナウイルスの影響から復活して、約370億円に達したといわれている。
日本のHalloween(ハロウィン)市場規模
- 2010年:約20億円
- 2011年:約60億円
- 2012年:約80億円
- 2013年:約100億円
- 2014年:約120億円
- 2015年:約150億円
- 2016年:約180億円
- 2017年:約200億円
- 2018年:約220億円
- 2019年:約270億円
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、落ち込んだとされているが、2021年は世界のHalloween(ハロウィン)の市場規模と同様に復調の兆しを見せているという。
いずれにせよ、日本のハロウィン市場は年々拡大しており、2010年には20億円だった市場規模が、2019年には270億円に達している。
バレンタインとよく比較されるハロウィンの市場規模だが、参考までにバレンタインの市場規模は下記のとおりだ。
- 1980年代:数十億円程度
- 1990年代:100億円程度
- 2000年代:200億円程度
- 2010年代:300億円程度
- 2020年代:280億円程度
2020年代に入って減少傾向にあり、ハロウィンの市場規模の方が大きくなったという話題は多くの人が耳にした事実だろう。
日本でHalloween(ハロウィン)が定着した理由
最期に、なぜ日本でHalloween(ハロウィン)というカルチャーが定着したのかを分析してみよう。
海外からの影響
日本では、アメリカやヨーロッパの文化が注目されるようになり、それに伴ってハロウィンの文化も注目されるようになったといえる。
海外からの流行や文化が日本にも入ってくる傾向があり、ハロウィンもその一例で、海外から入ってくるものに弱いという傾向も否定できないだろう。
商業的な要因
日本の商業界は、季節やイベントに合わせた商品展開を得意としている。
ハロウィンは、仮装やお菓子などを求める需要が高い季節であるため、商業的にも注目されるようになった。
上述したバレンタインもまさにこの手法が当てはまったといっていいだろう。
イベントやパーティの開催
日本では、多くの企業や団体がハロウィンに合わせてイベントやパーティを開催するようになった。
これにより、多くの人々がハロウィンを楽しむことができるようになり、仮装文化が定着していったと考えられる。
子どもたちの楽しみ
日本でも、アメリカなどのように、トリック・オア・トリートが行われるようになり、子どもたちが仮装して家々を回る文化が拡がった。
子どもたちが楽しむ文化が広まることで、親や大人たちも一緒に楽しむようになったと考えられる。
まとめ
Halloween(ハロウィン)が日本のカルチャーの1つとして定着した理由を述べたが、個人的には日本人のシャイな特性も大きく影響していると思っている。
主張が苦手な日本人が多い中で仮装をすることで自分を隠すではないが、仮装することで違う自分になれることで堂々とできるという人も少なくないはずだ。
これは、実際に仮装をしてみるとわかると思うが、別人になりきることができる。
そんな非日常を楽しむという意味でもHalloween(ハロウィン)は、まだまだ大きなイベントとなると確信している。
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