舐犢之愛(しとくのあい)
→ 親が子供を溺愛すること。
親が子どもを溺愛していたかどうかは別として、名家と呼ばれる一族がある。
都市伝説として語り継がれる場面も多いが、どんな名家があるのか列挙していこう。
今なお続く世界的な名家とその一族
ロスチャイルド家
ロスチャイルド家は、ヨーロッパを中心に活動している金融一族で、18世紀後半に創業した金融業者マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドに始まる。
彼は、5人の息子たちをヨーロッパ各地に送り、ロンドン、パリ、フランクフルト、ウィーン、ナポリに銀行を設立した。
それぞれの銀行は、地域の経済や政治に深く関わることで、急速に発展していった。
ロスチャイルド家は、19世紀にはイギリスやフランス、ドイツなどの国々の財政を支えるようになり、多大な影響力を持つようになった。
そして、世界各地の鉄道や鉱山、通信などの産業にも出資して、巨万の富を築いた。
一族はまた、慈善事業にも多額の資金を投じており、多くの美術館や博物館などに寄贈を行っている。
現在でも多くの金融機関や企業に出資を行っており、その影響力は依然として大きいとされている。
ロスチャイルド家は、世界的な金融一族として多くの人々から注目され、その歴史や影響力は多くの研究者や作家によって取り上げられている。
ウィンザー家
ウィンザー家は、イギリスの王室一族で、現在のイギリス女王エリザベス2世をはじめ、多くの王族を輩出している。
ウィンザー家の歴史は、1917年にジョージ5世がウィンザーという名前を名乗ることを決めたことに始まる。
それ以前は、サクス=コバーグ=ゴータ家として知られていたが、第一次世界大戦中にドイツ系の名前であることから名前を変更した。
ウィンザー家は、20世紀になってから大きな変革を遂げた。
第一次世界大戦や第二次世界大戦での王室の対応や、イギリスの社会的・政治的変化に合わせて、王室の役割やスタイルが変わっていったためだ。
また、エリザベス2世の治世では、テレビやインターネットなどの新しいメディアが普及したことから、王室のイメージ戦略や外交戦略に大きな影響を与えるようになった。
ウィンザー家は、イギリスの歴史や文化に深く関わっており、多くの人々から尊敬を集めている。
それから、王室としての役割だけでなく、慈善活動や環境保護など社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
ウィンザー家の一員であるメーガン・マークル妃は、アメリカ人女性として初めての王室の一員として注目を集めた。
ロイヤルファミリー
ロイヤルファミリーとは、イギリスの君主制度において、王室に所属する一族を指す。
現在のイギリス王室は、ウィンザー家に属するものであり、その中心には女王エリザベス2世がいる。
イギリス王室は、約1,200年以上もの歴史を持つ王朝であり、中世にはノルマン・コンクエストでウィリアム征服王がイギリス王位を獲得するまで、サクソン王朝などが続いていた。
その後、テューダー朝、ステュアート朝、ハノーヴァー朝などの王朝を経て、現在のウィンザー家が王位を継承している。
現在のイギリス王室は、女王エリザベス2世を中心に、エディンバラ公フィリップ王配、チャールズ皇太子とカミラ妃、ウィリアム王子とキャサリン妃、そしてハリー王子とメーガン妃など、多数の王族が属している。
イギリス王室は、歴史的な伝統や儀式を重んじる一方で現代的な価値観や技術も取り入れている。
女王エリザベス2世は、長年の統治で国民から高い人気を得ており、イギリスをはじめとする世界中で親しまれている。
また、王室は慈善活動や文化・教育・スポーツの支援など、多岐にわたる社会貢献を行っている。
ただし、王室には一定の批判もある。
例えば、資産や特権など、一般市民には与えられない恩恵を受けていることや、維持費が莫大なことが挙げられる。
また、近年はハリー王子とメーガン妃の離宮や王室からの離脱問題など、批判の的となることもあった。
メディチ家
メディチ家は、ルネサンス期のイタリア、特にフィレンツェを中心に活躍した富豪・貴族の家系だ。
14世紀後半から17世紀にかけて、メディチ家は政治的・文化的な影響力を持ち、イタリアやヨーロッパの歴史に大きな足跡を残した。
メディチ家は、15世紀にフィレンツェの実力者として政治的な力を拡大した。
彼らは、銀行業や織物産業などを営み、豊かな財力と人脈を持っていた。
また、彼らは美術や文学にも興味を持ち、芸術家や学者を保護し、フィレンツェをルネサンス文化の中心地にした。
特に、メディチ家の実力者であるロレンツォ・デ・メディチは、美術のパトロンとして知られ、多くの芸術家を支援し、芸術の発展に貢献した。
それから、メディチ家は政治的な力も持ち、教皇やフランス王との同盟関係を築き、イタリアでの勢力拡大を図った。
ところが、メディチ家の力が弱まると、フィレンツェは他の都市国家の侵略を受け、メディチ家は政治的な地位を失った。
メディチ家の功績は、美術・文学・政治・経済・社会など、多岐に渡る。
彼らの支援によって誕生したルネサンス芸術は、その後のヨーロッパの芸術や文化に大きな影響を与え、現代でも多くの人々に愛されている。
ロックフェラー家
ロックフェラー家は、アメリカ合衆国の実業家であるジョン・ロックフェラー・シニアが創業した石油企業のスタンダード・オイルの財産を基に、巨額の富を築いた家族だ。
ジョン・ロックフェラー・シニアは、19世紀後半にスタンダード・オイルを創業し、石油産業の支配者として大きな富を築いた。
その後、子孫たちが事業拡大や投資を進め、銀行業や不動産業、メディア業界などにも進出し、巨大な財閥を形成した。
ロックフェラー家は、アメリカ社会に多大な影響力を持ち、慈善活動などにも多額の資金を提供している。
例えば、ジョン・ロックフェラー3世は、1979年に創設されたロックフェラー財団を通じて、医療、環境、人権、文化、教育などに対する支援を行っている。
ところが、ロックフェラー家は財産や影響力の大きさから批判もある。
スタンダード・オイルの設立に際して、不正な手段を用いて競合他社を排除し、独占企業を形成したとされている。
また、投資によって得た富や財産の管理により、アメリカ社会における富の不平等や資本主義の問題を引き起こしたとする批判もある。
現在のロックフェラー家は、ジョン・ロックフェラー3世の死去を機に、家族信託を通じた資産管理を行っている。
グッゲンハイム家
グッゲンハイム家は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカ合衆国で大きな富を築いた実業家一族だ。
彼らは、鉱山業や美術品収集で知られている。
グッゲンハイム家は、スイス出身の父親メイアー・グッゲンハイムと、アメリカ合衆国で生まれ育った5人の息子たちによって代表される。
彼らは、鉱山業や製鉄業、銀行業などに投資し、巨額の富を築いた。
また、美術品収集家としても知られており、多くの名画をコレクションしている。
グッゲンハイム家の美術品収集は、現代美術史においても重要な位置を占めている。
彼らは、20世紀初頭に、アメリカにおいて珍しい印象派やポスト印象派の作品を購入し、現代美術の先駆的なコレクションを形成した。
その後、彼らが設立したソロモン・R・グッゲンハイム美術館は、ニューヨーク市において現代美術の中心的な美術館として知られている。
一方で、グッゲンハイム家は、鉱山業による環境破壊や労働者の搾取などを指摘されてきた。
また、ナチス・ドイツ時代には、ヨーロッパに残されたグッゲンハイム家の美術品が、ナチスによって押収されたり、売却されたりするなどの被害を受けた。
現在のグッゲンハイム家は、美術品収集や投資活動を行っている。
また、グッゲンハイム財団を通じて、教育や文化などへの支援活動も行っている。
日本の有名な一族
日本にもいくつか有名な一族がいるので、そちらも併せて挙げておこう。
徳川家
江戸時代の将軍家として知られている。
徳川家康を始祖として、江戸時代の約260年間、幕府を支配した。
現在も、徳川将軍家の家格を維持しており、公式行事や伝統行事に参加するなど、日本の歴史や文化に深く関わっている。
伊藤家
明治時代に政治家として活躍した伊藤博文を始祖とする家系だ。
伊藤博文は日清戦争の勝利や憲法制定など、明治期の政治に大きな影響を与えた。
その後も、多くの政治家や官僚を輩出し、日本の政治に大きな影響を与え続けている。
三菱家
三菱財閥を創設した岩崎弥太郎を始祖とする家系だ。
三菱財閥は、日本の産業界に大きな影響力を持ち、戦前・戦中の日本経済を支えた。
現在も三菱グループとして、自動車、重工業、金融、商社など様々な分野で事業を展開している。
佐藤家
昭和時代に総理大臣を2人輩出した佐藤栄作を始祖とする家系だ。
佐藤栄作は日本の経済成長期に政治を牽引し、日本の国際的な地位向上に貢献した。
また、その後も佐藤内閣の閣僚や、民間企業の経営者として活躍するなど、日本の政治や経済に多大な影響を与え続けている。
安藤家
江戸時代から医学を家業とする家系で、多くの医師を輩出した。
特に江戸時代後期に活躍した安藤昌益は、当時の医学界に多大な影響を与え、現在でも多くの医師に尊敬されている。
また、安藤百福はカップラーメンの発明者としても知られている。
まとめ
一代で巨万の富を得た場合、その家系となった一族が力を強固にしていく場合が往々にしてある。
そのパターンとしての一族の例を挙げてみたが、1〜2つは聞いたことがあるという名家もあったのではないだろうか。
個人的にはこういった世襲のような形は認めるべきではないというか、一度リセットすべきだと考えているが、なかなかそうはいかないのが一族というものだったりする。
いずれにせよ、まずは一代で巨万の富を得るところからがスタートだ。
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