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2023年2月9日 投稿:swing16o

【2023年2月】GAFAMと呼ばれたビックテックの現在地

四苦八苦(しくはっく)
→ 仏教でいう、人生の苦の総称で、転じて、さんざん苦労すること。

ほとんどの人が四苦八苦という四字熟語を聞いたことがあるだろうが、仏教からきていることを初めて知ったという人も多いのではないだろうか。

かくいう私もその1人だが、本当に昔の人は多くの言葉をつくったものだ。

とりわけ、四苦八苦のように苦労することに関しては、今も昔も変わらないといったところなのだろう。

逆に言うと、そんな困難を乗り越えてきて今があるということなのだろうが、現代社会でいうところの個人も企業も苦労があることに関しては不変なのだろう。

ベタな言い方をすれば、良いときもあれば悪いときもあるといったところだ。

そして、それも個人も企業も同様だということである。

ということで、stak, Inc. は大きく括ればIT企業ということで、同業といえる企業に関しての情報収集は欠かさないし、放っておいても入ってくるところがある。

そんな中、かつてはGAFAMと呼ばれていて、今やビックテックと称されるようになったアメリカのハイテク大手企業5社の最新の決算について注目してみよう。

注目されるビックテック

くり返しになるが、アメリカのハイテク大手企業の頭文字を取って、かつてはGAFAMと呼ばれた5社だが、その中の1つのFacebookが、2021年10月28日にMetaに社名変更を行った。

その影響もあって、現在はメディアなどではGAFAMという呼ばれ方をしなくなり、ビックテックと呼ばれる傾向にある。

ということで、私も今後はかつてのGAFAMをビックテックと呼ぶことにする。

とまあ、呼び方が変わったとはいえ、世の中から注目されていることに変わりはない。

少々大袈裟かもしれないが、ビックテックを中心に世界が動いているといっても過言ではないかもしれない。

そんなビックテックの2023年2月時点の最新の決算が発表されたので、1社ずつ紹介していこうと思う。

2023年2月4日時点の時価総額比較

ビックテックといっても、5社それぞれの時価総額、つまり企業価値は異なる。

2023年2月4日時点でのビックテックの時価総額は下記のとおりだ。

  • Apple:2.4兆ドル(約310兆円)
  • Microsoft:2.9兆ドル(約250兆円)
  • Google(Alphabet):1.4兆ドル(約180兆円)
  • Amazon:1兆ドル(約130兆円)
  • Meta(Facebook):4,900億ドル(約64兆円)

このようにビックテックといっても、時価総額首位のAppleとMeta(Facebook)とでは、約5倍の差がある。

ちなみに、日本で最大の時価総額を誇っているのは、TOYOTA(トヨタ自動車)で、約31兆円だ。

となると、Meta(Facebook)の約半分なので、その規模の大きさがよくわかるだろう。

Apple(アップル)の2023年2月の現在地

Appleの2022年10〜12月期の売上高は、前年同期比5%減の1,171億5,400万ドル(約15兆円)だった。

新型コロナウイルス対策で中国の工場が閉鎖されたことで、サプライチェーンに乱れが生じた。

また、景気減速によって売上高の半分以上を占めるiPhoneの販売が減少したことが響いた結果となり、純利益は13%減の299億9,800万ドル(約3兆9,000億円)の減収となった。

Appleにとっては、約4年ぶりの減収減益を記録した。

ただし、市場の見方は比較的ポジティブだ。

というのも、Appleは、iPhoneやiPadといったハードウェアを通じて、生活サービス全般のエコシステム、つまりソフトウェア側の覇権を取っているからである。

それから、Appleにずっと寄せられている期待として、電気自動車のプロトタイプの発表がある。

それが、2023年内だという噂が拡がっている。

さらに、VRやARのヘッドセットの発表の噂も常々話題になっているが、こちらも2023年にいよいよ発売されると期待が高まっている。

Appleがメタバースに参入することで、ビックテックのポジションも大きく変わってくるかもしれない。

Microsoft(マイクロソフト)の2023年2月の現在地

Microsoftの2022年10〜12月期の売上高は、前年同期比2%増の527億4,700万ドル(約6兆8,600億円)だった。

増収で終えたものの、四半期売上高の成長率は約6年ぶりに10%を下回った。

また、純利益は12%減の164億2,500万ドル(2兆1,100億円)という結果だった。

Microsoftの増収を牽引しているのは、クラウドサービスのAzure(アジュール)だ。

前年比31%増と好調で、一方で、景気減速からPCの買い控えが起こり、Windows OSの個人向け製品の売上が大幅に落ち込んだ。

とはいえ、Microsoftの戦略は明らかで、2023年1月23日にOpenAIに数年かけて100億ドルを投資すると発表している。

OpenAIは、テキストを自動で生成するジェネラティブAIのChatGPTを開発している。

この機能が、はやければ2023年3月にもMicrosoftの検索エンジンであるBingに搭載される予定となっている。

ビックテックの中でOpenAIのジャンルに力を入れているのは、MicrosoftとGoogleだということを覚えておくといいだろう。

Google(グーグル)の2023年2月の現在地

Alphabet、つまりGoogleの2022年10〜12月期決算は、売上高が前年同期比1%増の760億4,800万ドル(約9兆7,900億円)、純利益は34%減の136億2,400万ドル(1兆7,500億円)だった。

クラウドコンピューティング事業の売上高は、前年同期比32%増の73億1,500万ドル(約9,600億円)で高成長は続いている。

一方で、景気減速によって企業の広告費用削減が響いて、広告事業を構成する3つのセグメント全ての売上高がマイナスとなった。

業績を牽引してきた検索連動広告も、景気の落ち込みに持ちこたえられずマイナス成長に転じている。

とはいえ、上述したとおり、GoogleもMicrosoftと同様にAIの開発に力を入れている。

GoogleはChatGPTの台頭を受けて、2021年に発表したAI言語モデルのLaMDA(ラムダ)をベースにしたチャットボットの開発を加速していると報じられている。

また、2023年2月3日には、AIのスタートアップのAnthropic(アンソロピック)に約3億ドルを投資することが発表されている。

Anthropicは、数秒で画像や文章を作り出すジェネラティブAIの開発を行っており、AIの分野へ力を入れていることが顕著になっている。

Amazon(アマゾン)の2023年2月の現在地

Amazonの2022年10〜12月の売上高は、前年同期比9%増の1,492億400万ドル(約19兆円)で、過去最高を更新した。

事業セグメント別の売上高を見ると、eコマースにおいて外部出品者からの手数料収入が増え、広告事業も好調だった。

一方で、クラウド部門のAWS(アマゾンウェブサービス)の成長率は過去最低水準の前年比20%増に留まっている。

また、純利益は前年同期比98%減の2億7,800万ドル(約360億円)という結果になっている。

純利益が減少した大きな原因は、投資先のアメリカの電気自動車メーカーである、Rivian Automotive(リヴィアン・オートモーティブ)の評価損である。

本業からの利益を示す営業利益も27億3,700万ドル(約3,500億円)と前年同期から21%減少した。

AWSは黒字だったが、eコマースが中心の北米部門と国際部門がともに赤字を計上している。

こうした収益性の悪化の影響もあり、Amazonの2022年12月までの過去12ヶ月間のFCF(フリーキャッシュフロー)は、マイナス116億ドル(約1兆5,000億円)となっている。

AWSの成長率が過去最低水準とはいえ、20%増を維持しているが、FCFが5四半期連続で赤字という点から、生産性の低下が指摘されているのが現況だ。

Meta(メタ)の2023年2月の現在地

Metaの2022年10〜12月期の売上高は、前年同期比4%減の321億6,500万ドル(約4.1兆円)となった。

景気減速や競争の激化、プライバシー規制が強化されていることを受けて、主力の広告事業が低迷している。

その結果、Metaの純利益は、前年同期比55%減の46億5,200万ドル(約6,000億円)となった。

1万1,000人以上(全社員の13%)を解雇した大規模リストラで、42億ドル(約5,500億円)の費用を計上したほか、新事業として注力するメタバース部門での赤字拡大も響いた。

ただし、もっとマイナスの影響を受けるだろうとみていた市場の予想よりはよく、自社株買い枠の拡大とコスト削減の方針を示したことで、決算直後に株価は急騰している。

今後のビジョンや戦略についても否定的なところが多く、ビックテックの中では最も迷走しているというのが大方の見方だ。

まとめ

2023年2月時点のビックテックの現在地を紹介してきたが、いかがだろうか。

数字が大きすぎて、いまいちピンとこないという人も多いかもしれないが、世界を牽引している企業であることは間違いないので、しっかりと注目していきたいところだ。

世の中の大きな動きは、ビックテックから始まるといっても過言ではない。

時代に取り残されないようにするためにも、思考停止をしないようにするためにも、私自信のインプットのためにも、引き続き定期的に動きを紹介していこう。

 

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植田 振一郎 Twitter

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