慈烏反哺(じうはんぽ)
→ 烏は成長すると親に餌を与えて恩を返す意から、子が親の恩に報いて孝養を尽くすこと。
鳥という動物は人間にとって比較的身近にいるものだということは、様々なところから理解できると思う。
例えば、昔話にも鳥は人間の仲間という位置づけで登場する場合が多いし、世界中に多くの宗教がある中で鶏肉は比較的食べることができる場合が多い。
他にも動物を使った表現方法は多々あれど、鳥を使ったものが最も多いのではと思い調べてみると、案の定、鳥を用いた表現方法は群を抜いて多いことがわかった。
ということで、鳥を使った表現方法をまとめてみたので、使える場面があれば是非ご利用いただきたい。
鳥を用いた表現方法
足下から鳥が立つ
草むらを歩いているときに足下から急に鳥が飛び立って驚かされてしまうことから、身近なところで意外なことが起こることをいう。
また、急に思い立って慌ただしく物事を始めるという意味でも用いられる。
後の雁が先になる
寿命に逆らい、若者が年配の人より先に亡くなったり、出世や学業において後輩が先輩を追い越すことのたとえをいう。
一富士二鷹三茄子
駿河の国のことわざで、駿河の名物を列挙したという一説もある。
夢に出てくると縁起がいいとされるもので、特に新年の初夢に見るとより縁起がいいとされている。
一石二鳥
2羽の鳥がいたので、そのうちの1羽を狙って石を投げたところ、2羽の鳥いずれもが木から落ちてきたという17世紀のイギリスのことわざが元になっている。
説明するまでもないと思うが、1つの行為で2つの利益を得ることのたとえだ。
今泣いた鳥がもう笑う
今まで泣いていた人が機嫌を直してすぐに笑うこと。
ずる賢いとされているカラスからきており、泣いていたと思ったら急に笑い出す子どもなど、喜怒哀楽が激しいことのたとえとして用いる。
烏合の衆
カラスの集まりという意味で、カラスの群れのように規律や統制もない、つまりまとまりがない、ただただ集まっただけの状態のことをいう。
要するに、役に立たない人の集まりのことを指している。
鵜呑みにする
鵜が魚を丸呑みにする様子から、物事の意味を十分に理解しないまま、他人の意見などをそのまま信じて受け入れること。
鵜の真似をする烏
鵜の真似をして水をくぐる鳥は溺れてしまうことから、自分の能力を考えないで人の真似をして失敗すること。
鵜の目鷹の目
鵜が魚を、鷹が小鳥を探すとき、そして獲物を狙うときの目が鋭いことから、一生懸命にものを探し出そうとすること。
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
史記の陳渉世家からきており、陳渉が若い頃に大言を嘲笑されたことに対して放った言葉で、小人物は大人物の遠大な志を
鸚鵡返し
鸚鵡と難しい漢字を書くが、オウムと書くと聞いたことがあることわざになるだろう。
オウムが人の真似をしてしゃべることから、よく考えないで人が言ったことをそのまま返すことをいう。
鴨が葱を背負って来る
鴨と葱の相性が良く、鴨鍋には欠かせないことから、好都合であることやおあつらえ向きだということ。
願ってもない好機が訪れるときに使う。
烏の行水
カラスは短い時間で水浴びすることから、入浴時間が短いことをいう。
閑古鳥が鳴く
閑古鳥とはカッコウの別名で、人気のない里山で聞くカッコウの鳴き声は寂しげに聞こえることから、商売などで人が集まらない閑散としている様子をいう。
また人が訪れない様子のことも閑古鳥が鳴くと表現する。
雉も鳴かずば撃たれまい
雉が鳴いたことによって居場所がわかり銃で撃たれてしまうことから、余計な発言をしたために災いを呼び込むことをいう。
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
追い詰められて逃げ場を失った人が救いを求めてくれば、見殺しにするわけにはいかないということ。
また、徳を備えた人は、助けを求めてきた者をいたわり大切に扱うものだという意味もある。
鶏口となるも牛後となるなかれ
鶏の口にはなっても牛の尻にはなってはいけないということ。
大きな集団の中の下にいるよりも、小さな集団の先頭に立てという戒めを意味しており、人に従事するよりも独立した方がいいというニュアンスでも用いられる。
雀の涙
ほんのわずかな量のことのたとえ。
雀百まで踊り忘れず
雀は地面を歩くときにチョンチョンと踊るように飛び跳ねて歩く癖があって、その癖が死ぬまで抜けないことから、幼い頃についた癖や習慣は改めることが難しいことをいう。
特に若い頃に身についた道楽は抜けにくいという戒めで使われる。
鷹は飢えても穂を摘まず
節操のある人はどんなに貧窮したとしても、不正な金品や賄賂のようなものを受け取らないということ。
道義に反するようなことは断じてしないという意味。
立つ鳥跡を濁さず
水鳥が水辺を汚すことなく、立ち去った後もキレイな状態のことから、立ち去る者は後始末をして見苦しくないように去るべきだということのたとえ。
また、物事の引き際や美しく潔くあるべきだということ。
鶴の一声
普段はあまり鳴かない鶴が鳴くと大きな声で周囲に響き渡り、周りを黙らせて注目させることに由来している。
つまり、大勢で議論しているときに否応なしに従わせるような権力者や有力者の一言のことをいう。
鶴は千年亀は万年
鶴は鳥類の中で寿命が長く、亀は他の動物に比べて寿命が長いことから、長寿でめでたいことをいう。
鳶が鷹を生む
鳶と鷹は姿や大きさが似ているが、鳶を平凡なもの、鷹を優れたものと考え、平凡な両親から優秀な子どもが生まれたことのたとえ。
鳶に油揚げをさらわれる
自分が大切にしていたものや手に入れられると思っていたものを不意に横からさらわれてしまうこと。
飛ぶ鳥を落とす勢い
飛んでいる鳥を落とすように、不可能を可能にするほどの勢いや権力がある様子。
鳥なき里の蝙蝠
ネズミの仲間であるコウモリは、鳥のいないところではただ空を飛べるからと、あたかも鳥であるかのように我が物顔で飛び回っている。
このことから、その分野の優れた人がいないところでは、少し詳しいだけであたかもその分野の専門家のように威張ったり偉そうにすることをいう。
能ある鷹は爪隠す
有能な鷹は獲物に悟られないように鋭い爪を普段は隠し、いざというときだけ爪を出すことに由来している。
本当に優れた人物は普段から実力を見せびらかしたり、自慢したりといった浅はかなことはしないということを意味する。
掃き溜めに鶴
むさ苦しいゴミ捨て場に鶴が舞い降りるということから、その場に似合わない美しい人や優れた人がいることのたとえ。
鳩が豆鉄砲を食ったよう
鳩が豆鉄砲で撃たれて目を丸くしてビックリしている様子から、突然の出来事に驚いて、あっけにとられてキョトンとしていること。
目白押し
メジロという鳥は、まるで押し合っているかのように、ビッシリと間合いを詰めて仲間と並んで枝に止まる習性がある。
このことから、たくさんの人が詰めかけてギッシリ並んでいることや集まることをいう。
また、次から次へと押しかけて物事が続くという意味もある。
まとめ
ザッと鳥に関わる表現をまとめただけでも、30以上になった。
もちろん、私が挙げたもの以外にもたくさんあるだろうし、聞いたことがないようなものもあるだろう。
いずれにせよ、これだけ多くの表現があるということは鳥という生き物がいかに人間の生活圏内にいて、ある意味で擬似的な視点とされているのかということが理解できるはずだ。
全く関係がないかもしれないが、私は酉年生まれなので、鳥に関しては他の人たちに比べると少々思い入れが強いのかもしれない。
ちなみに、酉年生まれの特徴は、非常に注意深く、勤勉で、機知に富み、勇気があるそうだ。
また、才能のある人は、自分自身に非常に自信を持っているという。
そして、酉生れは常にアクティブで、面白く、人気がある。
おしゃべりで、率直で、オープンで、正直で、忠実だという特徴があり、注目されること、常に魅力的で美しく見えるのが好きだという傾向にあるらしい。
他にも、他の人に囲まれているときに幸せを感じ、自分の話を聞いてもらうことに喜びを感じるということだ。
さらに、1981年生まれは、金の酉(かのととり)といい、断固としていて、勇敢で、忍耐強く、勤勉だということなので、同級生は参考にしてもらえればと思う。
まあ、個人的には当たっているところもあるとは思うが、全てが当てはまるとも思えないといったところだ。
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