尸位素餐(しいそさん)
→ 自分の職責を果たさず、無駄に給料を貰い食っていること。
お金の話題は本当にみんな好きなんだなと改めて思う。
というのも、相変わらず定期的に年収が高いとか、平均給与が高いといったランキング記事が登場する。
それもご丁寧にカテゴリ別とかジャンル別といった具合いだ。
ということで、みなさま大好きお金の中から年収が高いランキングを紹介していこう。
2022年度版エリア別年収が高い企業ランキング
ということで、まずはstak, Inc. の拠点のある中国地方と四国地方の年収が高いランキングは下記のとおりだ。
第1位:ローツェ
- 業種:機械
- 拠点:広島県
- 平均年収:1,122.7万円
- 従業員数:222人
- 平均年齢:43.8歳
第2位:ベネッセHD
- 業種:サービス
- 拠点:岡山県
- 平均年収:966.7万円
- 従業員数:77人
- 平均年齢:45.0歳
第3位:ファーストリテイリング
- 業種:小売
- 拠点:山口県
- 平均年収:963.7万円
- 従業員数:1,617人
- 平均年齢:37.6歳
第4位:E・J HD
- 業種:サービス
- 拠点:岡山県
- 平均年収:896.6万円
- 従業員数:23人
- 平均年齢:55.3歳
第5位:ウエストHD
- 業種:建設
- 拠点:広島県
- 平均年収:852.5万円
- 従業員数:33人
- 平均年齢:42.8歳
TOP5は上述したとおりだが、知っている企業はあっただろうか。
進研ゼミでお馴染みのベネッセHD、UNIQLO(ユニクロ)やGU(ジーユー)を展開するファーストリテイリングは知っている人も多いだろうが、それ以外は初めて聞いたという人も多いだろう。
第1位のローツェは本社を広島県福山市に置く、半導体関連装置などを製造する企業で、平均年収は1,122.7万円と中四国地方では唯一1,000万円を突破している企業だ。
とはいえ、2021年版の同様のランキングでは848.9万円だったので、273.8万円も平均年収がアップしている点にも注目だ。
その理由は、世界的に半導体やフラットパネルディスプレー関連装置の引き合いが強く業績が絶好調だという背景がある。
2022年2月期決算では、前期比31.9%増の売上高670億円、営業利益158億円で前期比69.7%増、経常利益178億円で前期比109.9%増、当期純利益128億円で前期比98.2%と大幅な増収増益を達成。
売上高営業利益率は23.6%、自己資本比率は51.4%と、稼ぐ力と財務の安定性ともに申し分ないというスコアだ。
なお、2023年2月期の業績予想も、売上高965億円で前期比44.0%増、営業利益232億円で46.9%増、経常利益308億円で前期比72.9%増、当期純利益228億円で前期比77.7%となっている。
これが達成できれば、大幅な増収増益は続きそうで、2023年版のランキングでも、さらに平均年収がアップして1位につける可能性は高いと思われる。
ちなみに、広島が誇る自動車メーカーのマツダは第23位で、平均年収は637.5万円となっている。
2022年度版 東京除く関東地方 年収が高い企業ランキング
次に、東京都に拠点を置く企業を除いた関東地方の年収が高い企業ランキングは下記のとおりだ。
第1位:マクニカ・富士エレHD
- 業種:卸売
- 拠点:神奈川県
- 平均年収:1,873.8万円
- 従業員数:28人
- 平均年齢:49.2歳
第2位:レーザーテック
- 業種:電気機器
- 拠点:神奈川県
- 平均年収:1,379.1万円
- 従業員数:328人
- 平均年齢:41.5歳
第3位:ワコム
- 業種:電気機器
- 拠点:埼玉県
- 平均年収:1,122.7万円
- 従業員数:410人
- 平均年齢:44.5歳
第4位:東京汽船
- 業種:倉庫運輸
- 拠点:神奈川県
- 平均年収:954.0万円
- 従業員数:236人
- 平均年齢:40.2歳
第5位:千代田化工建設
- 業種:建設
- 拠点:神奈川県
- 平均年収:926.6万円
- 従業員数:1,603人
- 平均年齢:41.5歳
以上が、関東圏のTOP5だが、正直知らない企業ばかりだという人がほとんどなのではないだろうか。
かくいう私もその1人で、TOPのマクニカ・富士エレホールディングスも恥ずかしながら初めて知った。
独立系のエレクトロニクス専門商社であるマクニカ・富士エレホールディングスは、2015年4月にマクニカと富士エレクトロニクスが経営統合してできた共同持ち株会社だ。
そして、持ち株会社という組織の特性上、2022年3月期時点での単体従業員はわずか28人となっている点が特徴的だ。
2020年3月期は113人の従業員を抱えていたが、2021年3月期に25人まで激減し、2022年3月期の従業員数も同程度に留まっている点は特筆しておこう。
この件について、マクニカ・富士エレHDは、国内グループの組織の見直しに伴い、当社に兼務出向していた管理部門実務者を当社子会社に帰任させたことによるものとしている。
いわゆる少数精鋭の経営に特化したことで、結果を出したということだが、半導体や産業機器への需要増を追い風に業績は絶好調だ。
売上高は前期比37.5%増の7,618億円、営業利益が前期比95.6%増の367億円、最終利益が前期比137.2%増の258億円と大きく伸びている。
2023年3月期の上半期(2022年4~9月期)も、売上高が前年同期比35.9%増の4,926億円、営業利益が前期比73.6%増の268億円、最終利益が同40.3%増の168億円というスコアだ。
2022年度版 九州沖縄地方 年収が高い企業ランキング
最期に紹介するのが、九州沖縄地方の年収が高い企業ランキングだ。
第1位:RKB毎日HD
- 業種:情報通信
- 拠点:福岡県
- 平均年収:1,240.0万円
- 従業員数:22人
- 平均年齢:50.1歳
第2位:九州FG
- 業種:銀行
- 拠点:福岡県
- 平均年収:919.0万円
- 従業員数:77人
- 平均年齢:44.2歳
第3位:三井松島HD
- 業種:鉱業
- 拠点:福岡県
- 平均年収:914.1万円
- 従業員数:37人
- 平均年齢:44.4歳
第4位:ふくおかFG
- 業種:銀行
- 拠点:福岡県
- 平均年収:799.8万円
- 従業員数:299人
- 平均年齢:37.6歳
第5位:安川電機
- 業種:電気機器
- 拠点:福岡県
- 平均年収:787.8万円
- 従業員数:3,313人
- 平均年齢:42.2歳
九州沖縄地方のTOP5を見てもらえたら、他のエリアと大きく異ることがわかると思う。
金融機関が2行も入っていること、TOP5の中で4つが福岡県で、平均年収が他のエリアに比べると大きく低いという点だ。
東京への一極集中が叫ばれる中、そこから離れれば離れるほど格差が拡がること、業種に偏りが出るという証になっている気がする。
そんな九州沖縄エリアでの第1位は、RKB毎日ホールディングスで子会社のRKB毎日放送は、九州初の民間放送局として1951年に開局したTBS系列のテレビ局だ。
2019年、2020年、2021年のランキングでも第1位を獲得しているので、今回で4年連続のトップとなっている。
このあたりにも変化が起こりにくい地方の実態が顕著に現れているように思う。
また、第2位の九州フィナンシャルグループは、熊本県の肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合し、2015年に設立された持ち株会社だ。
第4位は福岡銀行などを傘下に持つ、ふくおかフィナンシャルグループと上述したとおり、地銀の生命線である企業統合はあれど、比較的古い体質の企業がランキング上位となっている。
まとめ
ということで、上場企業のIRを基準とした平均年収ランキングを3エリア別に出してみたが、いかがだろうか。
くり返しになるが、毎年こういったランキングが登場するということは、それなりのニーズがあるということの裏返しである。
ポジショントークだと思われるのは仕方ないとしても、それでもやはり伝えておきたいのは、平均年収が高いからといって本当に幸福なのだろうか。
それはその人によって感じ方が異なれど、やはり仕事自体にやりがいを持つことの方がプライオリティが高いと思ってしまう。
いくら高い給料をもらったとしても、毎日が充実していると言い切れなければ、その人は不幸なのではないだろうか。
そして、そんな環境はお金とは別の視点を持つことで変えられるし、両方の目線を持つことで拡がりも生まれるはずだ。
1つの指標として知っておくことはいいが、それが豊かの基準とは異なるということを主張しておこう。
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