三月庭訓(さんがつていきん)
→ 習い事や学習が長続きしないこと。
私もかつては習い事をいろいろとしてきた。
学習塾、ピアノといった習い事は小学生の頃にしていたし、高校生の頃にはドラム、サックスを習いに行っていた時期もある。
こうやって振り返ると、私の母親は小学校の先生をしていたのだが、音楽が専門だったこともあり、私が音楽に関することをやりたいと言い出したときには理解があったと思う。
そして、私は泳げないのだが、周りにはスイミングに通っているといった子どもたちは多かったように記憶している。
とはいえ、私が子どもだった頃から随分と時間が経っているので、2022年の子どもたちはどんな習い事をしているのか調べてみることにした。
2022年の子どもたちの習い事
まず、2022年の子どもたちの習い事の現状だが、小学生入学までには半数以上、そして小学生では7割以上がなにかしらの習い事をしているというデータがある。
また、複数の習い事をしているという子どもも珍しくなく、1人当たりの習い事の数は2.39個になっているという。
さらに、習い事にかける費用の平均は12,767円ということで、この費用は年々上昇傾向にあるというデータが取れている。
ということで、2022年の人気の習い事ランキングTOP20を紹介しよう。
- 通信教育(オンライン学習塾):20.2%
- スイミング:14.3%
- 英会話(オンライン英会話):10.6%
- ピアノなどの楽器:8.7%
- 武道:6.2%
- サッカー:4.3%
- 体操:4.1%
- 書道:3.9%
- そろばん:3.7%
- プログラミング:3.2%
- ダンス(バレエ):3.0%
- 野球:2.7%
- バスケットボール:2.5%
- テニス:2.2%
- バレーボール:1.9%
- 卓球:1.4%
- 絵画:0.7%
- リトミック:0.6%
- 陸上:0.5%
- 囲碁将棋:0.4%
こうやって見てみると、私が子どもだった頃と比べても、そんなに大きな変動はないような気がする。
1つわからなかったのが、第18位に入っているリトミックだ。
リトミックとは、幼児期に行う音楽を使った教育手法のことで、20世紀の初頭に音楽家のミエール・ジャック・ダルクロースが発案したものだそうだ。
音楽に合わせて体を動かしたり楽器を使う教育で、集中力、運動能力、社会性、協調性、知性、リズム感、コミュニケーション能力、記憶力などの効果があると注目されているという。
2020年の子どもたちの習い事
それでは、2年前の2020年の子どもたちの習い事ランキングと比較してみよう。
- スイミング
- 学習塾(くもん)
- 英会話
- ピアノなどの楽器
- 体操
- サッカー
- 書道
- 野球
- そろばん
- 武道
- ダンス(ハレエ)
- バスケットボール
- テニス
- プログラミング
- バレーボール
- 陸上
- 絵画
- サイエンス
- 卓球
- ラグビー
2022年と比べて顕著なのが、スポーツ系の習い事が上位に入っているというところだろう。
コンテンツが溢れている時代では、必ずしも身体を動かす習い事が人気というわけでもないのかもしれない。
とりわけ、少子化の問題も少なからず影響していると思う。
例えば、野球だと最低でも9人でチーム編成が行われるため、相手チームも必要となると最低でも18人が必要になる。
また、サッカーはもっと多く1チーム11人が必要になるので、相手チームと合わせると最低でも22人が必要になる。
これは運営をしていく側にも結構な影響が出てくるところだと思うが、地方になればなるほど簡単に子どもを集めることは難しいはずだ。
2022年の子どもに人気の習い事
一方で、実際にしている習い事と子どもたちがやりたいと思っている習い事には、それなりのギャップがあるという見方もある。
子どもがいくらやりたいといっても結局は親に決定権があるので、やりたくてもできない習い事も当然あるわけだ。
ということで、子どもに人気の習い事ランキングは下記のとおりだ。
- 動画制作
- ダンス
- プログラミング
- サッカー
- ピアノ
デジタルネイティブと呼ばれる世代には、スマホやタブレットで動画コンテンツを見るというのは日常だ。
となると、動画がどのようにつくられているのか興味を持つ子どもが出てきても全く不思議ではない。
子どもがなりたい職業でYouTuberがランキングしたということが話題になったのは多くの人が知っていると思うが、その影響もあるかもしれない。
第3位にはプログラミングも入っており、クリエイティブなことをやりたいという子どもが多いのは嬉しい限りだ。
どんどんこういった子どもが増えてくることを望んでいるし、そういった子どもたちを受け入れられるような体制をつくりたいとも思っている。
小学生の保護者がさせたい習い事
子どもたちがやりたいと思っている習い事を列挙したが、決定権のある保護者たちがさせたい習い事にも注目しておこう。
- 水泳
- 英会話などの語学
- プログラミング
- 思考力を伸ばすための学習
- 受験のため学習
親目線になると、やはり子どものためを思ってという意識が強く表れている印象だ。
この中でも注目したいのはプログラミングで、プログラミングをやってみたいという子どもも多いので、マッチングしている。
子どもがプログラミングに興味を持つのはゲームが要因だろう。
そして、親がプログラミングに興味を持つのは、どうせゲームばかりやってるのであれば、つくる側に回って欲しいという願いだろう。
私もプログラミングを子どもにさせることは大賛成だ。
というのも、stak, Inc. のCEOをやっていることもあり、優秀なプログラマー、エンジニアは常に欲している。
なかなかそういった人材を囲い込むことは難しく、この傾向はこれから先もずっとつづくというよりは、むしろ拡大するはずだ。
つまり、優秀なプログラマー、エンジニアは仕事がないということはまずないと言い切れる。
大人になってやりたい習い事
なにも習い事は子供のためだけにあるものではない。
大人になってから習い事を始めても全く問題ないということで、大人に人気の習い事ランキングは下記のとおりだ。
- 楽器
- 英会話
- 料理
- ダンス
- ヨガ、ピラティス
- パソコン
- 書道
- 球技
- 華道
- 武道
ベスト10を見ると、なんとなくわかる気がする。
特に私も過去に楽器をやっていたことを冒頭に書いたが、ここ数年、改めて楽器をもう一度やってみたいと思い始めている。
時間が取れるようになったらという書き方をすると、どうせやらないとなってしまうと思うが、どこかで再開するか、新しい楽器に挑戦してみてもいいかなと思っている。
習い事で期待される効果
ここまで習い事について書いてきたが、そもそも習い事はなぜやるのか。
そこには、やり抜く力を身につけるという目的が最も大きいのではないかと個人的には考えている。
GRITという言葉を聞いたことはあるだろうか。
まさに、日本語訳するとやり抜く、やりきる力となるわけだが、4つの言葉の頭文字からきている言葉だ。
- Guts(度胸):物怖じしない、挑戦する気持ち
- Resillience(回復力):挫折から立ち上がる力
- Initiative(自主性):自ら発信する、率先して取り組む姿勢
- Tenacity(執念):集中して根気強く取り組む姿勢
この4つが習い事を通じて身につくとされているのだが、確かに幼い頃にこういったマインドを身につけていくというのは重要だと思う。
大人になってから根本にある部分を変えるというのはなかなか難しいし、できるだけ小さいときに自分の好きなものを見つけるきっかけには多く触れた方がいいだろう。
結局は自分が好きなものでなければ続けることができないし、好きなものは得意なものになるからである。
まとめ
あなたは幼い頃に習い事をしていただろうか。
自分の子どもに習い事をさせていたり、させようとしているだろうか。
そして、大人になってから習い事をしていたり、あるいは始めようと思っているものがあるだろうか。
私が子どもの頃と2022年現在の習い事にそこまで差がないということが、なんとなくわかった。
ということは、可処分時間の奪い合いが起きている現代社会において、習い事をするということは、ある意味で贅沢なことでもあるのではないかと思った次第である。
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