News

お知らせ

2022年7月19日 投稿:ueda

企業の業績における4つの局面

減収減益(げんしゅうげんえき)
→ 決算で売上高と利益の両方が減ること。

減収減益という言葉は経営者や経営に携わっている立場の人なら、すぐにどういう意味が理解できるだろう。

一方で、聞き慣れないという人も一定数いることは十分に理解できる。

なぜなら、減収減益という言葉を知らなくても生きていけるからである。

ただ、経済に関して興味がある人は、この言葉は避けて通れない言葉の1つだということで必ずどういった意味なのか説明ができた方がいい。

企業の業績の4つのパターン

といっても、企業の業績は4つのパターンしかないので、覚えることはそんなに難しいことではない。

  1. 増収増益:売上が増加して利益も増加したパターン
  2. 増収減益:売上は増加したものの利益は減少したパターン
  3. 減収増益:売上は減少したものの利益は増加したパターン
  4. 減収減益:売上が減少して利益も減少したパターン

この中で、1.の増収増益と4.の減収減益についてはわかりやいだろう。

1.の増収増益は、売上も増えたので利益も増えたという、企業の業績がとてもいい状態だということだ。

一方で、4.の減収減益は、1.の増収増益と真逆の売上が減少して利益も減ったので、企業の業績があまり良くない状態だということになる。

では、2.の増収減益、3.の減収増益とはどういった状態なのか。

結論からいうと、企業の状態がいいのか悪いのか、なかなか評価が難しいなんともいえない状況だということだ。

企業の収益状況を表す損益計算書(PL)という指標がある。

損益計算書(PL)とは、簡単にいうと売上収入から費用支出を引いて記されたものだ。

そして、2.の増収減益とは、売上は増えたのに利益は減少したという状態のことをいう。

例えば、製品自体はたくさん売れたのに製品加工するための原材料の仕入価格が上がった場合、売上は上がったので増収になるが、仕入価格が高くなったので利益が減った減益になるということだ。

他にも、製品自体はたくさん売れたが、販売に力を入れたため宣伝広告費や販売奨励金(インセンティブ)などが増加した場合も同様のロジックで増収減益になる。

増収減益と減収増益はどちらがいいのか

もう少し掘り下げて、増収減益と減収増益について書いていこうと思う。

増収減益と減収増益はどちらがいいのかという議論がされることがあるが、結論、良し悪しはなく企業活動の局面に過ぎないということだ。

事業展開の局面ごとに損益状態というのは、いくらでも変わるということである。

具体的には、上述した例でも挙げたが、新規事業をやるにあたり新商品への投資や販売促進のために広告宣伝をすれば、費用が先行する。

となると、新商品は売れるので売上は上がるけれども、経費がかさんでしまうという増収減益の状態になるわけだ。

その後、新商品が消費者に受け入れられてマーケットが成立すると投資がそれほど必要ではなくなるので、増収増益になる。

ところが、成立したマーケットが成熟して売上と利益が落ちてくると、減収減益になってしまう。

そこで、落ちた売上に合わせて不採算部門などを整理したり、統合したりして経費を削減すると、減収増益になるといった具合だ。

まとめると、一般的な流れは下記のイメージを持っておくといいだろう。

  • 成長期:投資が大きくなるので増収減益になる
  • 成熟期:投資が必要ではなくなるので増収増益になる
  • 衰退期:成熟期から衰退期になると減収減益になる
  • 再構築:リストラなどで事業再生をすると減収増益になる

強いていえば、増収減益の方が、会社が成長のために新たなチャレンジをしているような印象を受けるため、イメージがいいとされている。

一方で、減収増益は、リストラとか経費削減という企業規模を縮小して今期の利益は確保できたかもしれないが、売上規模が小さくなっていることがネガティブに捉えられる傾向がある。

とはいえ、減収増益から企業が再生していく場合も多々あるので、本当に一概にいえないというのが、増収減益と減収増益なのである。

2021年度と2022年度の日本企業の業績見通し

まず、企業自身による2021年度の業績予想は、前年度比で売上高は7.8%増、営業利益は35.1%増、経常利益は36.1%増、純利益は64.4%増というものだった。

製造業と非製造業に分類すると結構な乖離があることもわかる。

製造業は売上高12.1%増、営業利益41.3%増、経常利益35.3%増、純利益52.8%増となっている。

非製造業は売上高1.5%増、営業利益25.4%増、経常利益37.7%増、純利益84.3%増というものだ。

いずれにせよ、増収増益での着地予想にはなっているのだが、売上高と純利益の部分での乖離が大きい。

中でも、増益寄与の大きいセクターは、商社、運輸(倉庫、物流)、自動車、鉄、陸上旅客運輸などだという業績予想だった。

次に、2022年度の業績予想については、売上高5.2%増、営業利益13.0%増、経常利益10.5%増、純利益8.1%増を見込んでいるというものだった。

製造業と非製造業の区分では、製造業が売上5.8%増、営業利益11.9%増、経常利益11.1%増、純利益8.5%増に対し、非製造業は売上4.2%増、営業利益14.7%増、経常利益9.2%増、純利益7.2%増というものだ。

ちなみに、2022年度の業績見通しにおいて、増益寄与の大きいセクターは、自動車、陸上旅客運輸、自動車部品・ゴム、電力・ガス、産業用電機機器、医薬などである。

こういった企業の業績予測をアセットマネジメント、つまり資産運用会社などは毎年行っているわけだ。

自社の業績予測に基づいて、金融商品をつくり顧客に販売するというのがビジネスモデルなのである。

経済ニュースから見る減収減益の事例

最後に今回のテーマである減収減益がどのように経済ニュースで報道されるかを見ていこう。

ビッグカメラは2022年7月12日に2022年8月期第3四半期の連結決算を発表した。

第3四半期までの累計(2021年9月~2022年5月)のスコアは減収減益となった。

売上高は5,965億円(前年同期比6.3%減)、営業利益は152億円(同5.6%減)、経常利益は170億円(同7.2%減)だった

通期計画の経常利益198億円に対し、進捗率は86.4%となっている。

もう1つ、こんな報道の場合もある。

コンビニ大手3社の2022年3~5月期連結決算が、2022年7月14日に出揃った。

セブン&アイ・ホールディングスとローソンは増収増益で、いずれも売上高は3~5月期として過去最高を記録した。

客足が戻りつつある中で客単価の上昇などが寄与したとされる。

2社に対して、ファミリーマートは前年に台湾法人の株式を一部売却した影響で減収減益となった。

といった感じで、企業の業績の4パターンが複合的に登場することもある。

まとめ

企業の業績の指標となる4パターンを紹介してみたが、今自分が働いている会社がどの状況にあるのか、最低限のことは知っておいた方がいいだろう。

自分自身の保身を考えるときの基準になるのはもちろん、どういった企業の業績がいいのかを知っておくことで自分自身の仕事にも活かせる機会が増えるからである。

例えば、営業職の場合には、この業界の業績がいいのでアプローチしてみようとか、転職するのであればこの業界がいいといったことがわかるからである。

また、経営者や経営に興味がある人は、当然こういった情報に敏感でなければいけない。

もっというと、スタートアップは正確に企業の業績4パターンに当てはまることはないといっていいだろう。

ポジショントークにはなってしまうが、だからこそ、スタートアップは魅力的だといえるのだが、そこに飛び込むことのリスクもある。

とはいえ、リスクを取れない人にリターンなどないのもまた事実なのである。

 

【Twitterのフォローをお願いします】

植田 振一郎 Twitter

stakの最新情報を受け取ろう

stakはブログやSNSを通じて、製品やイベント情報など随時配信しています。
メールアドレスだけで簡単に登録できます。