乾坤一擲(けんこんいってき)
→ のるかそるかの冒険をするたとえ。
立場上、しっかりと調べることやデータの集計をしっかりするようにと指示することがある。
もちろん、数字というかデータは重要なのだが、そもそもエイヤでやることも多々あることも事実だ。
ある意味で、のるかそるかの冒険、つまりギャンブルに近いことをやることもある。
大切なことというか、勘違いして欲しくないのだが、負けるとわかっている冒険やギャンブルは絶対にしない。
ということで、ギャンブルについて書いてみようと思う。
一般的なギャンブルの概念
ギャンブルについては、ピッタリの四字熟語が登場したときに書いたことがある。
この中に一般的なギャンブルと還元率(ペイアウト率)について書いているので、一読してもらいたいが、面倒だという人もいると思うので、改めてまとめてみよう。
まず、ギャンブルにはたくさんの種類があって、勝ちやすいギャンブルはなんなのかという議論がよく起きる。
一番勝率の高いギャンブルがなんなのか、その答えのヒントは還元率(ペイアウト率)にある。
還元率は控除率ともいわれ、複数回ギャンブルをした際に平均して1回に得られる利益率のことだ。
つまり、プレイヤーがかけた金額のうち何%が手元に戻ってくるかという割合のことをである。
ということで、主なギャンブルの種類と還元率の一覧は下記のとおりだ。
- オンラインカジノ:93〜98%(管轄:ライセンス管理)
- パチンコ/パチスロ:80〜85%(管轄:警察庁)
- 競馬:70〜80%(管轄:農林水産省)
- 競艇:75%(管轄:国土交通省)
- 競輪:75%(管轄:経済産業省)
- オートレース:70%(管轄:経済産業省)
- 宝くじ:46%(管轄:総務省)
この一覧を見れば、還元率が高いギャンブルの方が、当然勝てる確率が高いということだ。
具体的に、10,000円を投機した場合に平均して戻ってくる金額は下記のとおりとなる。
- オンラインカジノ:9,300〜9,800円(還元率:93〜98%)
- パチンコ/パチスロ:8,000〜8,500円(還元率:80〜85%)
- 競馬:7,000〜8,000円(還元率:70〜80%)
- 競艇:7,500円(還元率:75%)
- 競輪:7,500円(還元率:75%)
- オートレース:7,000円(還元率:70%)
- 宝くじ:4,600円(還元率:46%)
こんな結果になるわけだが、もちろん平均であって瞬発的に大勝する人は一定数出てくる。
その一方で、大敗する人もいるということを忘れてはいけないだろう。
そもそも、ギャンブルも事業経営なので運営費を稼ぐ必要があるのは当然で、そうなると必ず胴元である運営側が儲かるように設計されている。
となると、プレイヤーは常にマイナスからスタートというのが大前提になるということだ。
そんな中でも、メジャーどころのギャンブルの還元率を比較すると、カジノやオンラインカジノが最も勝ちやすいといえることになる。
宝くじが最も効率の悪いギャンブルという事実
宝くじは買った瞬間に半分負けているというようなニュアンスを聞いたことがある人は少なからずいるのではないだろうか。
その理由は上述したとおり、46%の還元率しかないことから来ていると思われる。
こちらも書いたとおりだが、10,000円分の宝くじ買ったとしても、4,600円しか戻ってこないというのが平均的な勝率だ。
あくまで平均であって、本来は中央値を取る必要があると思うのだが、このあたりはまあスルーでいいだろう。
それよりも、宝くじを買うという人は本当に多い。
サマージャンボとか年末ジャンボという一種のイベントのようなもので、大々的にCMが流れては、街中の宝くじ売り場に行列ができる。
ハッキリいって買った時点で負けているのだが、それでも自分は当たるかもしれないという期待値が勝る人が世の中の大半だということだ。
2022年の夏もサマージャンボ宝くじを多くの人が買っている姿を目にしているのが実態だ。
宝くじの当選確率
では、宝くじの当選確率について、もっと掘り下げて書いていこう。
結論からいうと、年末ジャンボの1等の当選確率は2,000万分の1と非常に低い。
その理由は至って簡単で、年末ジャンボは4億4千万枚という大量の枚数が発売されていることにある。
これは、日本人全員が購入した場合、1人当たり3~4枚購入できるという計算になる。
そんな状況にも関わらず、1等が当たる人は22人で、下記が年末ジャンボの当選確率だ。
- 1等:7億円(22本:2,000万分の1)
- 1等前後賞:1.5億円(44本:1,000万分の1)
- 1等組違い賞:10万円(4,378本:10万503分の1)
- 2等:1,000万円(88本:500万分の1)
- 3等:100万円(880本:50万分の1)
- 4等:5万円(44,000本:1万分の1)
- 5等:1万円(1,320,000本:333分の1)
- 6等:3,000円(4,400,000本:100分の1)
- 7等:300円(44,000,000本:10分の1)
また、ジャンボ宝くじは、2021年〜2022年現在、年間5回開催されている。
2〜3月のバレンタインジャンボ、4〜5月のドリームジャンボ、7〜8月のサマージャンボ、10〜11月のハロウィンジャンボ、11〜12月の年末ジャンボの5回だ。
豆知識として知っておいた方がいいのが、年末ジャンボ以外の宝くじは、1等の当選確率は1,000万分の1だということだ。
つまり、年末ジャンボ以外のジャンボ宝くじは、2倍当たりやすいということになる。
年の瀬だということで思い切って冬のボーナスを年末ジャンボ宝くじにつぎ込むという行為は、ただでさえ当選確率の低い宝くじへの投機なのに、さらに倍率の低いギャンブルをするということだ。
ジャンボ宝くじに当選確率との比較
2,000万分の1とか1,000万分の1という当選確率がどれくらい低いのかといわれても、いまいちピンとこないだろう。
確かにそのとおりなので、では他の珍しい確率との比較をしてみるとわかりやすいだろうということで、まずは死亡事故との比較だ。
- 交通事故死:約3.4万分の1(約588倍)
- 飛行機墜落死:約11万分の1(約182倍)
- 落雷死:約70万分の1(約28倍)
カッコ内の倍率は、年末ジャンボ1等の当選確率の何倍になるのかを比較したものだが、落雷死よりも28倍も高いということだ。
少々不謹慎かもしれないが、あなたの周りに落雷死したという人を聞いたことがあるだろうか。
知り合いでもいいが、まず聞いたことがないはずだが、その28倍も年末ジャンボ宝くじの1等を当てるということは難しいのである。
他にもこんな記録と比較すると、よりわかりやすくなるはずだ。
- ホールインワン:約3.3万分の1(約606倍)
- 麻雀の天和:約33万分の1(約60倍)
ホールインワンとはゴルフで1打でカップに入ることをいうのだが、年末ジャンボの1等と比較すると606倍の頻度で発生するということになる。
なかなかお目にかかれないホールインワンであっても、年末ジャンボ宝くじの1等当選確率に比べれば、よくある出来事になってしまうということだ。
麻雀をやる人はわかると思うが、天和とは最初に配られた碑の時点であがっているという非常に珍しい役満のことだ。
滅多にお目にかかれない天和と比較しても、年末ジャンボ宝くじの1等当選は天和の60倍も起こりにくいということになる。
まとめ
くり返しになるが、そもそも、ギャンブルも事業経営なので運営費を稼ぐ必要があるのは当然で、そうなると必ず胴元である運営側が儲かるように設計されている。
そんなギャンブルの中でも、ジャンボ宝くじの1等当選確率がどれだけ低いものなのか、よくわかっただろう。
そんなところにつぎ込むお金があるのであれば、もっと充実した経験を買う方にベッドしてもいいのではないだろうかと、宝くじ売り場に並んでいる人を見る度に思ってしまうのである。
勝てるギャンブルなどない、一攫千金などない、この事実をしっかり受け止めるべきである。
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