鶏皮鶴髪(けいひかくはつ)
→ 年老いて衰えることで、皮膚が鶏のようになり、頭髪は鶴のように白くなることのたとえ。
私は今年で41歳にを迎える初老だ。
そう思わざるを得ない出来事が最近あった。
それは、眉毛に白髪を見つけてしまったことにある。
正直、かなりショックだった。
頭髪はもちろん、ヒゲや鼻毛に白髪が出始めていたことは随分前から知っていたが、眉毛に白髪はなかなかのショックを与えてくれた。
もう若くはないというサインだからだ。
ということで、そもそも白髪になる原因と、一度白髪になるともう黒髪にはならないという話もよく聞くが、それも本当なのだろうか探ってみることにした。
白髪になるメカニズム
白髪の原因は明確で、色素細胞の機能低下や消失によるものだ。
実は、生まれたての髪はすべて白髪という事実を知っているだろうか。
その理由は、毛根で作られたばかりの髪にはメラニン色素が含まれていないためだ。
髪に色をつけるのに欠かせないのが色素細胞で、毛根で髪が成長するときに色素細胞からメラニン色素を取り込むことで、髪には色がつくからである。
色素細胞がメラニン色素を作るには、チロシナーゼという酵素の働きを必要とする。
加齢などの原因によって色素細胞の機能が低下すると、チロシナーゼの働きが低下しメラニン色素は作られず、色がつかないままの髪が頭皮から生えてくる。
これが白髪の正体というわけだ。
また、色素細胞自体がなんらかの原因でなくなってしまうこともあり、この場合も白髪になる。
いずれにせよ、色素細胞の消失やチロシナーゼの減少がなぜ起こるかについては、まだ完全には解明されていない。
白髪になる原因
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、メラニン色素を作り出すための幹細胞が減少し、新しく成長する髪に対して色素細胞が不足する。
その結果、髪の毛が白くなってしまうという研究結果がある。
漫画や映画で、一夜にして髪が真っ白になるといった演出があるが、これは科学的にはあり得ないといっていい。
では、どんな原因で白髪が生えてくるのか、その原因を挙げてみる。
老化
老化によって色素細胞の機能が低下し、メラニン色素が作られなくなると白髪になる。
遺伝
白髪のなりやすさには個人差がある。
遺伝的な要因が関係しているといわれており、家族や親族に若くして白髪が多く生えている人がいる場合は、自分も白髪になりやすい可能性がある。
栄養不足や睡眠不足
色素細胞の機能を保つために必要な栄養が不足していたり、細胞の代謝が正常に行われていなかったりすると白髪になる可能性がある。
また、睡眠不足は代謝の低下を引き起こすため、白髪のリスクを高めるといわれている。
ストレス
過度のストレスも白髪に関係しているといわれている。
日頃から私生活や仕事でストレスを抱えている人は白髪ができやすいので、できるだけストレスを溜め込まないようにすることが大切だ。
白髪が生えてくるといわれている年齢
一般的には、35歳前後から白髪が生えてくるといわれている。
とはいえ、もちろん個人差があるので、10代や20代であっても白髪が生えてくる人もいる。
そして、白髪は徐々に生える部位が広がり、増えていくケースがほとんどである。
また、白髪がどのように増えていくかも人によってバラバラで様々なパターンがある。
若くして白髪が生えているという人の場合も同様に、徐々に生える部位が広がり、量が増えていく人が多い傾向にある。
白髪は抜くと増えるのは本当なのか?
結論からいうと、白髪を抜いたとしても、そのことが原因でさらに増えることは科学的根拠がない。
つまり、白髪を抜いても白髪が増えるということはない。
白髪に気づき始める時期がちょうど白髪が増える時期と重なるため、抜いても抜いても生えてくることから、白髪を抜くと増えるという風説が生まれたのではないかといわれている。
ただし、白髪を抜くと頭皮に炎症が起こり、色素細胞を含む組織にダメージが及ぶ恐れがある。
あまりにも強い炎症が起こると髪が生えてこなくなる可能性もある。
また、白髪が気になると、それ自体がストレスとなり増えてしまう可能性がある。
ということで、白髪対策のオススメは、まずは切るか染めて目立たなくさせるということだ。
つまり、白髪は少し見えるだけで目立つため、根本から切ることがオススメの対処法である。
白髪は黒髪に戻ることはないのか?
一度白髪になると、二度と黒髪に戻ることはないという話を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
かくいう私も、そうだと思っていた。
ところが、調べてみると事情は少々異なるようだ。
結論、黒髪に戻れる白髪と戻れない白髪があることがわかった。
髪に色をつけるためには、色素幹細胞とそこから生まれる色素細胞の両方が必要となる。
白髪の中にはこの両者が存在しているにも関わらず、働いていない状態のものがあることわかっている。
色素細胞がなんらかのきっかけでメラニン色素を作ることを途中からやめてしまうことがある。
このような毛髪は色素細胞がメラニン色素を作ることができれば、黒髪に戻る可能性があるといわれている。
一方で、色素細胞を生む色素幹細胞がなくなってしまうと、二度と黒髪に戻ることはない白髪だといえる。
白髪を防ぐ方法
白髪を防ぐためには、睡眠不足、栄養不足、ストレスに着目して、健康な色素細胞を保つことが大切だ。
当たり前のことなのだが、規則正しい生活、適度な運動、趣味を楽しむ、栄養バランスのとれた食生活などを意識することが大切だ。
また、食生活では白髪の原因になりやすい食べ物を避けつつ、白髪になりにくい効果的な食べ物を摂ることがいいとされている。
白髪になりにくい効果的な食べ物
- 黒ごま
黒ごまには、代謝に関係するビタミンB2、頭皮の血流を促すビタミンE、髪の健康に関わるパントテン酸、頭皮の健康に関わるビオチンなど様々な栄養が含まれている。
そのため、黒ごまをバランスよく食事に取り入れることで、白髪に良い影響を与えられる可能性があるといわれている。
- 海藻類
海藻が髪にいいという話を聞いたことがある人は多いだろう。
実際、海藻にはビタミンB群や抗酸化作用のあるカロテン、健康な髪や頭皮を作るための亜鉛などが含まれているため、白髪対策に効果的だといえる。
- チーズ
チーズには、タンパク質やビタミンB2、粘膜を丈夫にするビタミンAなどが豊富に含まれている。
そのため白髪を含む様々な髪のトラブルに効果的だといわれており、食事にチーズをバランスよく取り入れて継続的に摂ることをオススメする。
ただし、脂質も多く含まれているため、食べ過ぎには要注意だ。
白髪の原因になりやすい食べ物
- 糖質を多く含むもの
糖質を多く含む菓子類、ご飯、麺類などを食べすぎると、頭皮から皮脂が過剰に分泌されるようになる。
皮脂は頭皮を外部刺激から守るために必要なのだが、過剰な皮脂はマラセチア菌などの増殖を招く。
その結果、赤みやかゆみなどが起こる脂漏性皮膚炎になる可能性がある。
脂漏性皮膚炎が進むと抜け毛が増えて、髪そのものが生えなくなる恐れがあるため、糖質の摂りすぎには注意した方がいい。
- 刺激物
刺激物の摂りすぎは、頭皮が刺激されて白髪を含む髪のトラブルのリスクが高まるといわれている。
身体を温めて血流を促す成分が含まれているものに香辛料があるが、こちらも摂りすぎには注意が必要だ。
- 身体を冷やす食べ物
身体が冷えると頭皮への血流が低下して色素細胞に悪影響を与えたり、頭皮の健康状態が悪くなったりする可能性があるといわれている。
キャベツ、きゅうり、レタス、メロン、スイカなどは身体を冷やす働きがあるため、摂りすぎないように注意した方がいい。
まとめ
歳を重ねていくと、必ずあたる壁に老化や健康の会話がある。
もちろん、過剰に反応する必要はないし、上手に受け入れながら過ごしていけばいいのだが、対策できるものがあるのであれば、そこはしっかりと対策したいと私は思っている。
いつまでも若々しくいたいというのは、決して悪いことではないし、なにもそれは見た目だけではなく内面からくるものでもあるからである。
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