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2022年5月19日 投稿:swing16o

スタートアップの創業期から顧問弁護士を雇うべき理由

公事三年(くじさんねん)
→ 公事とは訴訟のことで、裁判が長引くこと。

しばしば聞かれることがあるの質問がある。

スタートアップ、いわゆるベンチャー企業は創業当初から顧問弁護士をつけるべきかという問いだ。

結論からいうと、顧問弁護士をつけた方がいい。

その理由はいくつかあるのだが、大前提として顧問弁護士を必要としないようなスタートアップは企業として成立しないからである。

どうも必要経費の部分をケチり、必要のない部分にお金をかけるスタートアップが多いように感じてしまう。

まあ大した経験ではないが、私自身の経験からそう思う理由について今回は書いていこう。

必要経費の考え方

その人の経営感覚を試すには1ヶ月経費を使っていいという条件をつけてみるといい。

もちろん、上限を決めてということになるが、意味のわからないものにお金をかけるという人にお金に関する権限を与えてはいけない。

人のお金だと思って気前よく使うようなタイプは経営の近くにおいていてはいけない。

コスト意識がない人はマネジメント能力が低いとイコールと考えてほぼ間違いないだろう。

stak, Inc.でもコスト、つまり必要経費については、細かいところまで追求することがある。

まず、誰のためになぜ使うコストなのか、そこを考えられない人には備品を買ったとしてもキャンセルさせるようにしている。

会社のため、社員全体のためという考え方が根本的になければ必要経費として認めない。

一方で、仕事や業務に付随する外せないサービス等については、積極的に認めている。

この感覚がないと経営は上手く成り立たないと言い切れる。

利益を出すために必要なこととして、売上を必死に上げようとする人がいる。

そもそも売上がなかったり、目先の売上が追えていないのであれば、確実に売上を取りに行く必要がある。

けれども、ある程度の売上が立っている状態で利益を出そうと思えば、経費を削減した方が圧倒的にスピードがはやく結果が出る。

この経費削減という思考がない人が思っている以上に多いことに気づく。

その根本にあるのが、自分のお金だったとしてもその経費を使うのかという問いかけをしていない姿勢があるだろう。

自腹を切ってでも使うものであれば、私も即断即決するだろう。

必要経費の使い方

簡単にいうと、無駄なものに経費はかけないということだ。

絶対にそれは必要なのか、すぐにないと仕事や業務に多大な支障が出るのか、そのあたりを考えれば自ずと答えはでるはずだ。

一方で、無駄にケチる経営者が多いのもまた事実だ。

例えば、stak, Inc.のようにITやテクノロジーを中心とした事業展開をしていると、様々なツールが必要になる。

AdobeやSlackといった王道なサービスはもちろん、開発環境においても同様にいくつかの有料サービスに入っている。

一般的な企業よりもそういったサービス利用料は高いといってもいいだろう。

ただ、これは完全に必要経費で、ケチるところではない。

仕事や業務スピードが落ちるのが目に見えているのに、使わないという選択肢はない。

ところが、このあたりのマストなサービスをケチる田舎者が広島にはチラホラいるのに驚く。

学生のライセンスを使ったり、個人でライセンスを持っていればそれを使うことを強要はしなくても暗黙の了解的に使わせたりといった具合だ。

はっきりいって、こんな経営者が大成するわけがない。

くり返しておくが、絶対にそれは必要なのか、すぐにないと仕事や業務に多大な支障が出るのか、経営する立場にいるなら、経営者になりたいなら、その2つの判断基準を持たなければいけない。

顧問弁護士をつけることを即決できない経営者は無能

話を冒頭に戻そう。

では、顧問弁護士をつけることは必要経費なのか。

答えは言うまでもないが、顧問弁護士を雇う余裕のない経営者が大成するわけがない。

今の時代、探せば月数万円で顧問弁護士を受けてくれる弁護士はいくらでもいるし、法律に携わっていない仕事だと思っている時点でアウトだ。

弁護士の登場が訴訟や裁判のときだけだと思っている無能な経営者になってはいけない。

新規ビジネスを始めるときに法的にクリアしているか、日々の契約書のやり取りのリーガルチェック、雇用形態についての相談など弁護士の領域は幅広い。

そして、なによりも法律の専門家を雇うことで大幅に時間が確保できる。

また時間のことを書いておくが、法律の素人なのに社長自ら調べているほど暇な経営者に誰がついていきたいと思うだろうか。

そんな無駄な時間を割くくらいなら、外注した方がいいに決まっている。

なにも弁護士だけではない。

税理士、司法書士、行政書士、社労士など、士業と呼ばれる専門家は世の中にたくさんいる。

士業として働いている先生たちはその道のプロ、つまり専門家なわけだから、素直にそういった人にお願いすればいい。

というか、お願いするお金がないような、ケチらなければいけないようなビジネスなどすべきではない。

そんなビジネスは誰も幸せになどできないからだ。

企業当初の苦い経験

なぜ私がこんなにも強く主張するのかといえば、それは自分自身の苦い経験にある。

Retro Market(レトロマーケット)の起業秘話

2014年2月3日が私の起業スタートとなった日なのだが、Retro Market(レトロマーケット)というレトログッズに特化したフリマアプリをリリースすることを第一目標としていた。

その結果は、無残な結果となったことは上部のリンク先を追ってもらえればいい。

その際に外注していた高松の某企業から、ある日突然、内容証明が届いた。

夢や希望を持って起業して、自分の作ってもらいたいアプリが全く作れないのに金を払えという内容証明が送られてきたときに愕然とした。

1人で起業した当時は、こんなことになるなど想像もしていなかったので、顧問弁護士などつけておらず、最初は自分で対応していいたが、なにもできなくなるので人づてに弁護士を探した。

弁護士は見つかったのだが、今思えばなんとも頼りない弁護士でそもそもITリテラシーが著しく低かった。

もちろん、そんな弁護士でも良しとした私自身の責任なのだが、結果として先方にいいようにやられてお金を払わざるを得なかった。

全く動くことのないクソアプリと引き換えに大金を失ったわけだ。

なにもこれだけではない。

その後も、Webサイト制作などで生計を立てていた時代、個人で整形外科医院を立ち上げるということでサイト制作を依頼されたことがある。

今思い起こしても腹ただしいので、晒してもいいのだが不毛なのでやめておくが、こんな流れだ。

そもそも、どこかのWeb制作会社にサイト制作を依頼していたが、その会社がどうも良くないので私にサイトを作ってもらえないかという相談がきた。

ただ、整形外科医院のオープンまでは1ヶ月を切っているという段階だ。

困っていたので、とりあえず突貫工事でもいいのでということで、2週間程度でサイト制作を終えた。

オープン後の1年後から保守管理費用等をもらうということで、サイト制作自体は確か30万円程度しか取らなかったと思う。

それから1年後。

軌道に乗り始めたということで、保守管理費用等を請求したところ、先方が話が違うと駄々をこね始めた。

保守管理費用等が取れないのに誰が30万円で2週間納期のサイト制作を請け負うだろうか。

ふざけるなという話なのだが、そうこうしていると先方から内容証明が送られてきた。

本当に腹ただしい話なのだが、契約書等も残していなかったので、サッサとその案件からは降りたわけだが、こういう輩に出くわすこともあるということだ。

まとめ

私が騎乗してから、顧問弁護士を実は3回ほど変えている。

その理由は自社の強みを理解してくれる、私のやりたいことを理解してくれる先生でなければ、意味がないというか役に立たないからである。

そういう意味では、今の顧問弁護士である國分先生は、話もはやいし考え方も柔軟で何度も助けてもらっている。

この場を借りて御礼を伝えておくと同時に、顧問弁護士をつけるべきかどうかで迷っている無能な経営者に一言いいたい。

すぐにつけろ。

 

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植田 振一郎 Twitter

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