勤倹力行(きんけんりっこう)
→ 勤勉倹約の生活を行い、何事にも精一杯努力すること。
勤勉倹約という言葉は、いつの時代にも同じようにいわれるものだ。
どれだけ裕福になっても倹約なお金持ちは称賛され、精一杯努力する姿は美しいものとして多くの人々の共感を得る。
この傾向については、いくつも主張したいことはあるのだが、まあしばらくの間は変わることのない感覚に似たようなものなので良しとしておこう。
いずれにせよ、この勤勉倹約という言葉では飽き足らず、時代の要所要所でバズワードを生み出そうとする。
例えば、クールビズだったり、カーボンニュートラルといった言葉がそうだろう。
そして、SDGsというワードも、もはや完全に市民権を得た。
とはいえ、いまいちよくわかっていないという人も多いので、人気シリーズの1つ、今さら聞けないをやろう。
今さら聞けないSDGsってなぁに?
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、日本語では持続可能な開発目標などと訳されることが多い。
2015年9月の国連サミットにおいて、世界193ヶ国が産官学民などのステークホルダーとともに同意した、2030年アジェンダに掲載されている世界共通の目標となっている。
2030年のSDGs達成に向けて、国、自治体、企業、各種団体および個人レベルで様々な取り組みが行われている。
とはいえ、この日本語訳される、持続可能な開発目標というのが、いまいち意味がわからないので、ピンとこないという人も多いだろう。
これも何度も主張しているが、なぜわざわざ日本語訳にするのかが理解できないのだが、まあそういう人種が一定層いるので仕方がない。
こういう無駄なことこそがSDGsで改善されて欲しいと思う。
さて、肝心のSDGsだが、外務省のWebサイトによると、大義名分は下記のとおりだ。
17のゴール、169のターゲットから構成され,地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)ことを誓っている
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
この17の目標に対して、それぞれ169ものターゲットが設定されている。
ターゲットは、ゴールに対する具体的な設定というところだ。
(出典:imacocollabo)
ターゲットについては、こちらのサイトにわかりやすく記載されているので、興味のある方は参照して欲しい。
では、このSDGsに対して、企業はどのように向かい合えばいいのだろうか。
中小企業におけるSDGs経営への取り組みと効果
SDGsを一読して、これを企業内に取り入れようと意識を持つ中小企業の経営者は少ないだろう。
というのも、列挙してみてわかるとおり、やはりその取組自体が抽象的なので、なにを求められていて、なにができるのかがわかりにくいからである。
地球全体での環境問題や、開発途上国における貧困問題など世界的な課題にはテーマが大きすぎて、国や大企業が対応するものだという意識が強い。
そして、SDGsには、明確な認定基準があったり、誰かに認証されたりするものでもないので、取り組んだからといって直ちに利益が生じるわけでもない。
となると、中小企業があえて取り組むメリットも必要性もないとなってしまう傾向にあるということだ。
だからといって、中小企業には関係ないということがいいたいのではない。
SDGsの取り組みとは、世の中に様々ある社会課題を事業活動を通して解決を図ることだ。
社会問題とは、少子高齢化、ゴミ問題、食料自給率、後継者不足、空き家問題、ジェンダー問題、異常気象などで、中小企業の方が身近な存在だったりする。
つまり、知らず知らずのうちにSDGsに貢献している環境にあったりするということである。
また、SDGs経営の導入効果をまとめると、下記のとおりだ。
- SDGsの市場規模は1,200兆円市場といわれており、ビジネスチャンスが広がる
- 自社が積極的に取り組むことで社員の自社への愛着心や業務への誇りが持てるようになる
- 大手企業の取引先、金融機関、および顧客からの信用、支持の獲得につながる
- 採用活動など人材確保に優位に働く
- 社会課題解決に資する新規ビジネスの創出や業務上の新たな改善等につながる
- 長期的に経営の強化や事業の持続性につながり、結果として会社の利益なる
具体的な実績
とはいえ、どんなことがSDGsへの取り組みなのか、わかりにくいので実際に取り組んでいる企業の事例を挙げていこう。
株式会社大川印刷
FSC森林認証紙や石油系溶剤0%インキの使用、針金を使わない製本等、環境負荷低減に特化した環境印刷に取り組んでいる企業てだ。
SDGsに取り組むきっかけは1993年に遡り、もともと環境経営に関心があったことから、まず工場の環境対策に着手した。
その後、印刷を通じて社会貢献する視点に気付き、2004年にソーシャルプリンティングカンパニーというビジョンを掲げた。
違法伐採による紙 でないことを証明する、FSC 森林認証紙や、石油系溶剤を全く含まないノンVOC(揮発性 有機化合物)インクの使用を開始。
SDGsを経営に取り入れたのは2017年春のことで、社内の横串組織を全廃し、SDGsを推進するプロジェクトチームを発足させた。
また、留め金を樹脂から紙に変えた世界初の卓上カレンダーや、在留外 国人向けの4ヶ国版お薬手帳、SDGs を学べるSDGs手帳などを商品化している。
2019年度には、本社屋上に太陽光発電パネルを設置、自社工場の消費電力の約20%を発電。
残り約80%の電力を青森県横浜町の風力発電の電力に切り替え、太陽光と風力の電力を使用する再生可能エネルギー100%となっている。
株式会社セイバン
株式会社セイバンは、1919年創業の老舗ランドセルメーカーだ。
成長期の子どもの姿勢をサポートする独自の設計や、軽くて型崩れしない丈夫な素材、そして長年受け継がれた職人技によるこだわりのモノづくりを展開している。
天使のはねランドセルという商品名を聞いたことがある人もいるのではないだろうか。
SDGs経営への取り組みを本格的に始めたのは2020年からだ。
ランドセル業界では性別によるカテゴリー分けが一般的だが、性別から入らずに商品陳列を行うなど、目標5のジェンダー平等を実現しようへのチャレンジを行っている。
また、購入後6年間の修理保証があり、子どもの安全や地球環境への配慮が、目標12のつくる責任つかう責任に該当している。
まとめ
実際に取り組みをしている企業の事例を見ると、SDGsに対してなにをすればいいのかイメージが湧きやすいだろう。
本来であれば、こういった取り組みはなにも意識をしなくても自然とできることが理想なのだろうが、明確に指標があることは共通の意識を持つ上ではわかりやすくていいだろう。
私たちも少なからず、SDGsへの取り組みに自然と貢献できるようにしていこうと思う。
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