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2022年4月18日 投稿:ueda

注目されているサーキュラーエコノミー(循環経済)とは?

槿花一日(きんかいちじつ)
→ 人の世の栄華のはかなさをたとえた言葉。

時代が変われば絶賛されていたものが廃り、否定的だったものが主役になったりする。

人類の歴史はまさにそのくり返しだ。

だからこそ、先のことを考えてネガティブになるよりも、今という瞬間を精一杯生き抜くことを推奨しているわけだ。

そんな中、今の時代に合った1つのキーワードに注目しようと思う。

それは、サーキュラーエコノミー、いわゆる循環経済という言葉だ。

サーキュラーエコノミー(循環経済)ってなぁに?

サーキュラーエコノミーというワードを聞いたことがないという人もまだまだ多いのではないだろうか。

あまり日本語訳にする意味はなく、そのままインプットすればいいのだが、日本語にしたがる人も多いので、あえて日本語訳をするならば、循環経済ということになる。

循環経済と聞くと、建築や消費財、食品、プラスチックなど、身近な廃棄物をリサイクルすることだと思われがちだ。

サーキュラーエコノミー(循環経済)は、そういった概念ではなく、あらゆるものの設計を根本から見直し、すべてが循環することを目的としている。

つまり、最初からゴミをつくらない、生み出さない経済モデルのことをいう。

そして、ゴミをつくらない、生み出さないための設計に欠かせないのは、複数の企業間での協業が重要だという考え方だ。

電気や熱、水など、異なる産業のセクターでそれぞれが持つゴミや知識を互いに共有し合う仕組みのことも含んでいて、英語ではIndustrial Symbiosis(産業共生)と呼ばれている。

そんなサーキュラーエコノミーをいち早く取り入れて確立された都市がデンマークのカルンボー市のKalundborg Symbiosis(カルンボー・シンバイオシス)だ。

サーキュラーエコノミーをいち早く取り入れた都市

自社の「ごみ」は他社の資源。デンマークの工業都市で50年前から実践してきたこと

(出典:Forbes)

この記事にすべて書かれているので、時間のある人は一読して欲しい。

デンマーク・カルンボー市の実践しているエコシステム、Kalundborg Symbiosis(カルンボー・シンバイオシス)は、創設から現在まで50年以上に渡って継続されている。

資源やエネルギーを地域内の異なる業種の大企業のあいだで循環させていて、ゴミを減らし、気候変動の抑制に役立ち、地域を活性化させる官民連携のお手本となっているのだ。

カルンボーは、コペンハーゲンから西に100キロ離れたところにある、人口1万5,000人の小さな工業都市だ。

デンマークの大手電力会社オーステッドのアスナス発電所が置かれるなど、地域の重要な発電拠点の1つとして栄えている。

一方で、将来を担う子供たちに欠かせない学校などの教育機関は減少傾向にあるといった特徴を持った街だ。

言い方が悪いかもしれないが、こんな街は日本を含めて世界中にある。

そんな小さな工業都市がサーキュラーエリアとなった理由に注目したい。

小さな工業都市が理想的なサーキュラーエリアになった経緯

Kalundborg Symbiosis(カルンボー・シンバイオシス)の始まりは1961年。

限られた地下水を節約するために、ノルウェーの石油ガス会社のエクイノール(当時の社名はStatoil)が、地元のティッソ湖の地表水を再使用するプロジェクトが実施されたことがきっかけだ。

1972年には、エクイノールは地元の石膏製造企業であるG​​yprocと余剰ガスの供給に関する契約を締結した。

これをきっかけに、同社は他の企業と次々に契約を結ぶようになった。

1980年代の終わりまでにはパートナーの数が増加し、Symbiosis(共同体)と呼べるほどになってきた。

当時からカルンボー市もプロジェクトに関わってはいたが、あくまで民間企業が主体となって資源の利活用を進めてきたことが、この地域コミュニティの特徴である。

政府や、企業によるトップダウンのマネジメントがあったわけではなく、企業が互いのメリットから自発的に始まっている。

2022年現在は11のパートナーで、互いに熱や水、蒸気、廃棄素材などを循環させている。

例えば、アスナス発電所の余剰熱は、地元の3,500軒の住宅を暖めるのに使われ、副産物として出る汚泥は農業用の肥料として販売されているといった具合いだ。

別の副産物である石膏はウォールボードのメーカーへと供給される。

副産物の石膏で製造業者の需要をほとんど賄うことができるため、石膏の確保のために行われてきた露天掘り(鉱石を採掘する手法)の必要性が減り、環境への負荷も削減されるのである。

こうして、自社のゴミを他社が有効活用し、またその会社が出したゴミを別の会社が資源と捉えて活用するというループを実現してきた。

その結果、カルンボー・シンバイオシスはこれまで、約29億円以上のコストと、63万5,000トンのCO2、100GWhのエネルギー、8万7,000トンのマテリアルを節約してきた。

なぜサーキュラーエコノミー(循環経済)が実現できたのか?

その理由は、大きく2つあるという。

1つ目は、カルンボーという地域が長く工業都市として知られていたおかげで、多様な産業がすでにあったこと。

もう1つは、企業同士が上下関係なく話ができたこと。

デンマークという国の特性かもしれないが、人と人との関係がとてもフラットなので、協働しやすかった側面も大きいのではという見解だ。

そして、地域での循環がもたらすメリットは、環境面やコストの面だけではない。

カルンボー市民にとっても、生活に必要なエネルギーを安価で手に入れることができる、クリーンエネルギー関連の雇用が生まれるといったメリットがあった。

また、現在は教育機関の誘致も積極的に行われており、今日まで、252のアカデミックな人材が創出され、地元起業家や大企業の一員としてイノベーションを起こしているという。

まとめ

自治体と複数の民間企業で連携する方法として、なにか特別なアプリや共有ツールを使っているのではという質問が多いという記事の内容が気になった。

いかにも、結果だけしか見ていない発言である。

そして、なにかしらのツールがあれば、それを使えば自分たちも同様に成果を収めることができると思っているのだから滑稽だ。

Kalundborg Symbiosis(カルンボー・シンバイオシス)は、創設から現在まで50年以上の年月をかけている。

一朝一夕で成り立っているわけではないし、現在の成果となるまでには様々なトラブルも多くあったに違いない。

そんないわゆる努力の部分を見ようとせず、ただただショートカットして成果だけ得ようとしていることが、本当におこがましい。

こういったインフラ系に関わる成果を出すには、なにかを成し遂げようと思えば、紡がなければならない。

そのためには、強烈はリーダーシップも必要になるし、その周りの力も非常に重要になる。

それを継続していくことこそが、なによりも難しいだが、実直にやり続ければ結果は出るというエビデンスを見たような気がする。

誰かがなにかを思い切って始めなければ、なにも変わることはない。

そのことは決して悪いことではないけれども、現状維持を目標に掲げた時点で衰退が始まることも覚えておくといいだろう。

 

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植田 振一郎 Twitter

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