鬼面仏心(きめんぶっしん)
→ 顔は怖そうだが、優しい心を持っていること。
必死になるとその熱量が、ときとして驚異として全面に出てくる。
その驚異が人によっては恐怖に似た感情として受け止められることもある。
ただ、必死になることで牽引する力は一見恐怖を植え付けるかもしれないが、その裏側には優しさがある。
戦略というは得てしてそういうもので、時代によって仕掛け方は異なれど、学ぶことは多い。
ということで、マーケティングやブランディングに携わっている人で、このワードを知らない人は要注意だ。
マーケティングの新常識ティザー広告とは?
ティザー広告とは、商品を大々的に取り上げず、断片的な情報だけを公開し消費者の興味を引くことを意図したプロモーション手法のことだ。
ティザー = Teaserは日本語で焦らすという意味なので、覆面広告ともいわれる。
マーケティングでは、情報を一度に開示せず少しずつ公開することで、顧客の好奇心を煽ったり興味を集めて期待を膨らませることを目的として用いられる。
従来の広告は派手な色使いや売り文句、見所などの情報をいかに限られたスペースに盛り込むかといった、いわゆるプッシュ型だった。
それが、今やいかに少ない情報で商品の魅力を伝えるかが重要視されるプル型になっている。
その形がティザー広告となっているわけだが、なぜこの傾向になったのか。
商品やサービス販売における4つの志向の変化
商品やサービス販売は、マーケティング・コンセプトと呼ばれ、時代の変化に応じて形を変えている。
そんなマーケティング・コンセプトは4つの志向に分類されている。
生産志向
生産志向とは需要が供給をした回っていた時代のコンセプトのことをいう。
多くの需要により、作れば売れるというのが、前時代的な考え方ということになる。
製品志向
ある程度、需要に対して供給が落ち着いた状況で、ある程度いき渡った後のコンセプトのことをいう。
他の商品とは違うという、安くて高品質な商品やサービスであれば売れるという考え方のことだ。
販売志向
需要に対して、供給が上回った状態のコンセプトのことをいう。
顧客のニーズを満たすような商品の性能やサービスの強みをアピールした、販売方法を工夫すれば売れるという考え方のことである。
マーケティング志向
供給が上回った以上に、商品やサービスを売る方法等も溢れかえった後のコンセプトのことをいう。
作ることから、ニーズを満たすようアピールするという状態でもなく、顧客のニーズを満たす商品を作るという考え方のことである。
以上の時代に応じた4つの志向がある中、現在はまさにマーケティング志向で取り組む時代だといえる。
そして、この4つの志向においてマーケティング志向が他のものと全く異なる志向であるという点として、顧客がベースとなっていることが、とても重要になる。
商品やサービスをどう届けるかではなく、顧客が欲している商品やサービスがなんなのかを分析するところから始まるマーケティング志向は、顧客の存在を意識したコンセプトだ。
なぜティザー広告なのか?
実は、ティザーこそマーケティング志向を行うに最適な情報公開の仕組みなのだ。
それは、ティザーは断片的にでも顧客を惹きつける情報を公開する必要があるからである。
ティザーが難しいといわれる理由は、断片的な情報のみで顧客の興味関心を引いてサイトにアクセスしたり実際の購入までたどり着くのかということに疑義が生じているからだ。
それを解決するものこそが、ニーズを満たす商品を作るというマーケティング志向に他ならない。
そもそもニーズがあることが前提なので、断片的な情報からでも興味を抱く人たちが現れる。
その結果、サイトをクリックしたり購入するという行動を起こすのである。
ティザー動画に必要な要素
昨今の新常識となっているティザー広告は、Teaser Movie(ティザームービー)、つまりティザー動画によるものが増えている。
そして、注目度を高めやすいティザー動画にはいくつか要素がある。
情報を高頻度に更新していく
ティザーは、商品やサービスの公開日に向けて消費者の期待を少しずつ高めていくことが重要になる。
そのため、消費者に頻繁にコンテンツに触れてもらう必要があり、定期的に更新していくことがポイントだ。
5秒~15秒の短尺な動画を、公開日まで毎日更新していくことが効果的なのである。
また、商品のビジュアルなど大きな情報更新を行うときは、SNSの併用も欠かせない。
TwitterのリツイートキャンペーンなどによるSNS上で拡散するようなキャンペーンと連動してプロモーションを行うとより大きな効果を狙うことができる。
カウントダウン
商品やサービスの公開日を、◯月◯日◯時など、日付を記載することも重要だ。
定期的に更新する際に、どんどん公開日に近づいていくような期待感を演出していくことが可能になるからである。
ワクワクさせるキャッチコピーをつける
ティザーは情報を絞って、消費者の想像を掻き立てる必要がある。
なので、外観など商品のイメージを持ちやすい情報は後半で公開していく方が効果的だ。
前半では商品やサービスのイメージで期待が持てるキャッチコピー等を大きく打ち出すのがオススメだ。
効果的なティザー動画実例
※ リンクをクリックすると動画が流れるので注意
ティザー動画といえば、なんといってもAppleが筆頭にあがるだろう。
多くの人が見たことがあると思うが、Appleの新商品の発表はいつもワクワクさせてくれる。
※ リンクをクリックすると動画が流れるので注意
SFやミステリー映画にもティーザー広告は相性が良い。
結末が気になるという気持ちを高ぶらせられるよう、うまく映像をつなぎ合わせることで視聴者は好奇心を刺激されてしまうというわけだ。
その良い例としてシン・ゴジラのティザー動画を参考にして欲しい。
※ リンクをクリックすると動画が流れるので注意
ゲームにも効果的なティザー動画は、なんといっても圧倒的な演出がされていることがポイントだ。
ついついハマってしまうゲームというのは、この演出がとにかく大事で、多くのゲームが日々発売されている時代に人の目を惹くというのはとても重要なのである。
※ リンクをクリックすると動画が流れるので注意
東京都福生市の若手職員のアイデアと熱意を持ち寄り、市のPR動画を作るという、FUSSA PR Movie Project のプロジェクト開始のティザー動画だ。
実際に行われている会議の様子やその内容を少しだけ公開することで、どういった内容なのかという興味を持たせる仕掛けをしている。
このように、ティザー動画はプロジェクト公開においても有効的だということを覚えておくといいだろう。
※ リンクをクリックすると動画が流れるので注意
写真を撮るという情報だけで、どういったカメラなのか期待させてくれる内容になっている。
最後に発売日を持ってくることで、その日を待ち遠しくさせるようなストーリー性が消費者の心を惹きつける。
商品の発売において、もはやティザー動画は欠かせないものになっている。
まとめ
ティザー広告、ティザー動画というワードについて事例を含めて紹介してみたがいかがだろうか。
ティザー広告はなにも動画に頼る必要はないのだが、やはり動画の方が相性がいいというデータも出ている。
いずれにせよ、今の時代に新しい商品やサービスの発表、またはプロジェクトを始める際には、もはや欠かせないマーケティングツールであることが理解できたはずだ。
【Twitterのフォローをお願いします】