今日の主役は、お得と流行に弱いふつうの会社員・カナ。
彼女が、激安の卵につられて来店し、その仕組みに気づいた話から見ていきましょう。

カナ「卵がこんなに安い!これ買いに行こ〜」
わかります、その気持ち。
びっくりするほど安い目玉商品を見ると、それだけ買いに行きたくなりますよね。
このときのカナは、卵だけを買うつもりでお店に向かいました。

カナ「あれ、ほかのものまで、いろいろ買ってる…?」
冷静になると、気づきますよね。
目当ては卵だけのはずが、気づけばかごには、ほかの商品も増えていました。
安い一品を求めて来たのに、結局あれこれ手に取っていたのです。

カナ「なんで、目玉だけのつもりが、増えてくの…!?」
サトル「それ、ロスリーダー戦略だよ。目玉で呼んで、ほかで利益を出すんだ。」
種明かしです。
カナを呼び込んだ激安の卵は、ほかの商品を買ってもらうための、入り口でした。

カナ「一個の安さより、全部の合計で見よう…!」
そういうことです。
ここからは、この「ロスリーダー戦略」をもう少しくわしく解きほぐしていきます。
ロスリーダー戦略とは?
ロスリーダー戦略とは、激安の目玉商品で客を呼び、他の商品で利益を出す売り方です。
「ロスリーダー」は、利益を削って(ロスして)客を引っぱる(リードする)商品を指します。
スーパーの特売卵や牛乳、家電の目玉品などが、その代表例です。
目玉商品そのものはあまり儲かりませんが、来店のきっかけになります。
来た人が「ついで」に他も買うことで、お店は全体で利益を確保するのです。
なぜ目玉商品で全体が儲かるの?
理由は、人はわざわざ一品だけ買って帰る、ということが少ないからです。
せっかく来たのだから、と、必要なものや目についたものも一緒に買います。
目玉商品の赤字は、この「ついで買い」の利益で十分に埋め合わせられます。
さらに、安さの評判が「あの店は得」という良い印象にもつながります。
だから、一品を割り引いてでも、まず来てもらうことに価値があるのです。
ロスリーダー戦略の身近な例は?
わたしたちの毎日にも、「目玉で呼ぶ」仕組みはあふれています。
- 特売卵・牛乳:数量限定の激安品で、まず来店してもらう。
- 家電の目玉品:チラシの超特価品で、店に足を運ばせる。
- プリンター本体:本体を安くし、インクで利益を出す。
- ゲーム機:本体は控えめの利益で、ソフトで回収する。
- 初回無料・激安:まず試させて、続けて使ってもらう。
どれも、入り口を安くして、全体で利益を組み立てています。
ロスリーダー戦略で気をつけることは?
買う側として気をつけたいのは、「合計」で得かどうかを見ることです。
目玉商品ひとつが安くても、ついで買いが増えれば、支出は膨らみます。
「今日は本当に、この目玉だけでいい?」と、一度立ち止まりましょう。
必要なものだけを買えば、目玉商品の安さは、しっかり自分の得になります。
安さの入り口をきっかけに、予定外まで買いすぎないことがポイントです。
使いこなすための4つのコツ(買う側)
- 目当てを決める。お店に入る前に、「何を買うか」を決めておきます。
- 合計で見る。一品の安さより、かご全体の合計で判断します。
- ついで買いを疑う。「これは本当に必要?」と、一つずつ確かめます。
- 目玉だけ買う勇気。必要なら、目玉商品だけで帰ってもいいのです。
コツは、安い一品に飛びつく前に、「買い物ぜんぶ」を見わたすことです。
ビジネスでどう使う?(誠実な使い方)
ロスリーダー戦略は、「まず来てもらう」ために役立ちます。
魅力的な目玉商品は、新しいお客さまと出会うきっかけになります。
注意したいのは、「おとり」にして、実際には買わせない売り方にしないことです。
広告した目玉品を、わざと品切れにして高い品へ誘導するのは不誠実で、法にも触れます。
本来の目的は、良い入り口で来てもらい、他の商品でも満足してもらうことです。
目玉商品はきちんと用意し、全体で価値を返す——それが長く続く使い方です。
よくある質問(FAQ・全6問)
Q1. ロスリーダーってどういう意味?
利益を削って(ロス)、客を引っぱる(リード)商品のことです。
その商品自体は儲からなくても、来店のきっかけになります。
日本語では「目玉商品」がいちばん近い言葉です。
Q2. お店は損をしないの?
一品では損でも、全体では損をしない設計です。
来た人の「ついで買い」で、目玉商品の赤字を埋め合わせます。
だから、一品を安くしてでも来てもらう価値があります。
Q3. 「おとり広告」とは違うの?
はい、まったく違います。
ロスリーダーは、目玉商品を実際にきちんと売ります。
おとり広告は、買わせず高い品へ誘導する不当な手法で、法にも触れます。
Q4. 買う側は損をする?
必要なものだけ買えば、むしろ得です。
損をするのは、ついで買いで予定外まで増やしたときです。
「合計で得か」を見れば、目玉商品を上手に使えます。
Q5. どんな商品が目玉になりやすい?
多くの人が必ず買う、生活の定番品が選ばれやすいです。
卵、牛乳、トイレットペーパーなどが典型です。
「価格を覚えられている品」ほど、安さが伝わりやすくなります。
Q6. ネット通販でも使われている?
はい、よく使われています。
送料無料の目玉品や、赤字覚悟の初回価格などが例です。
まず買ってもらい、リピートや他の商品で回収する形です。
まとめ
ロスリーダー戦略は、激安の目玉商品で客を呼び、他の商品で利益を出す売り方です。
目玉だけ買うつもりが増えるのは、来店が「ついで買い」を生むから。
「一品の安さ」より「買い物ぜんぶの合計」で見れば、目玉商品は自分の得になります。
66日の60日目。
残りはあと6日。
次回は「バンドル効果」、まとめ買いがお得に見える仕組みを見ていきます。
次回も一緒に見ていきましょう。
🎯 今日の1手(実践)
今日、「これ激安!」という目玉商品に出会ったら、思い出してみてください。
その時、お店に入る前に、「今日買うもの」を決めておく。
「これは目当て? それとも、ついで買い?」と、一つずつたどってみる。
そのうえで、必要なものだけを選んで、合計で得をして帰る。
これが66日の60日目です。



