赫赫之功(かっかくのこう)
→ 輝かしい功績をいう。
なにか功績を讃えられたことはあるだろうか。
わかりやすいのは、賞をもらうことだろうが、なかなかそんな機会に恵まれることもないだろう。
かくいう私も自慢できるような賞はほとんどもらったことはない。
そんな身分なので、勲章などの知識も疎い。
ということで、縁のない勲章について知っておこうと思いまとめてみた。
勲章の歴史と意義
そもそも勲章とはなんなのだろうか。
日本政府の広報によると、勲章とは国や公共のために功労があった方を国として表彰するものである。
そんな勲章制度は、1875年(明治8年)、褒章制度は1881年(明治14年)に創設された。
日本の勲章が授与される栄典制度は、明治時代には存在していて、長い歴史と伝統があることがわかる。
その後、2003年(平成15年)に大きな制度改正が行われ、2016年(平成28年)にも見直しが行われている。
この見直しで、これまであまり栄典が授与されてこなかった分野で活躍している民間の人たちへも、積極的に栄典授与を進めていくことになった。
2021年現在は、毎年4月29日(昭和の日)と11月3日(文化の日)に春秋叙勲・褒章が授与される。
そして、なぜ勲章が存在するのか。
その理由というか勲章の意義は、とある人たちの仕事ぶりに光を当てるためだという。
- 社会や多くの人のために重要な仕事をした人
- 目立たなくても大切な仕事をこつこつと長年続けた人
- 誰かを救うために力を尽くした人
国や公共のために功労のあった人、社会の各分野において優れた行いのあった人たちに対して、国としてその功績や業績を表彰する栄典制度で、栄誉の印として勲章や褒章が授与される。
勲章の種類とデザイン
大きく分けると、勲章(くんしょう)と褒章(ほうしょう)の2種類があり、それぞれさらにいくつかの種類が設けられている。
勲章には、大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう)、桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)、旭日章(きょくじつしょう)、瑞宝章(ずいほうしょう)、文化勲章(ぶんかくんしょう)などがある。
大勲位菊花章や桐花大綬章は内閣総理大臣や衆議院や参議院の議長、最高裁判所長官の三権の長を務めた人などに授与されている。
旭日章は功績の内容に着目し顕著な功績を挙げた人に、瑞宝章は公務などに長年にわたり従事し成績を挙げた人に授与される勲章である。
文化勲章は科学や文化の発達に関し特に顕著な功績のある人が対象となっている。
そんな勲章のデザインは、種類ごとに異なる。
大勲位菊花大綬章は皇室の御紋章である菊花、桐花大綬章は旭日に桐の花を配したデザインとなっている。
旭日章は国旗である日の丸を象徴する日章を中心に光線を配した旭光のデザインで、旭日昇天の意気を示すものといわれている。
瑞宝章は古代の宝であった宝鏡を中心にデザインされ、大小16個の連珠を配し、四条ないし八条の光線が付してある。
文化勲章は橘の白い五弁の花で、中央には赤地に白い三つ巴の曲玉がデザインされている。
勲章を身に着けるためのリボンを綬(じゅ)といい、勲章と綬がセットになったものが正式の形だ。
この他、身に着けやすいよう簡略化したものに、略綬(りゃくじゅ)がある。
略綬とは勲章と併せて授与される円形の綬のことで、勲章に代えて着用することができる。
褒章の種類とデザイン
褒章は授与対象に応じて6種類ある。
褒章のデザインは、6種類すべて同じで、褒章の2つの文字を桜の花で飾った円形のメダルだ。
種類に応じて綬(リボン)の色がそれぞれ異なる。
紅綬褒章(こうじゅほうしょう)
自己の危機をかえりみず人名の救助に尽力した人が対象。
緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)
長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた人が対象。
黄綬褒章(おうじゅほうしょう)
農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を持つ人が対象。
紫綬褒章(しじゅほうしょう)
科学技術分野における発明、発見、学術およびスポーツや芸術文化分野における優れた業績を挙げた人が対象。
藍綬褒章(らんじゅほうしょう)
会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた人が対象。
また、国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した人が対象。
紺綬褒章(こんじゅほうしょう)
公益のため私財を寄附した人が対象。
誰に授与するかの決め方
勲章と褒章の候補者は、各府省の大臣などから内閣総理大臣に推薦され、内閣府賞勲局での審査を経て、閣議決定の後に天皇陛下の御裁可を得て発令される。
そして、春秋叙勲では、毎回約4,000名の人に勲章が授与される。
春秋叙勲の対象者は、国または公共に対し功労のあった人で、70歳以上の人、または55歳以上で精神的または肉体的に著しく労苦の多い業務や人目に付きにくい分野で長年業務に精励した人。
また、毎回約800名の方に褒章が授与される。
春秋褒章では、紺綬褒章を除く5種の褒章が授与される。
紺綬褒章は毎月1回発令され、褒章の対象者は、それぞれの褒章にふさわしい功績がある人で年齢の制限はない。
各府省などは、通常、都道府県・市町村や関係団体から推薦された方の中から候補者を選考し、これを通常推薦と呼ぶ。
また、国民から春秋叙勲の候補者としてふさわしい人を内閣府賞勲局に推薦する一般推薦もある。
まとめ
おそらく、国から表彰されるようなことは生涯ないと思う。
けれども、思っていた以上の人が勲章や褒章を毎年もらっていることがわかった。
興味のある人は、毎年4月29日(昭和の日)と11月3日(文化の日)には、どんな人が授与しているのか、ちょっと意識してみてもいいかもしれない。
【Twitterのfollowお願いします】