嘉辰令月(かしんれいげつ)
→ よい日と、よい月のことで、めでたい月日のこと。
縁起がいいとされる日があったり、験(ゲン)担ぎをすることを当たり前のようにする人は、世の中には結構多いように思う。
10年以上前になるが、上海で生活していたころに風水を気にするアジア圏の人が多かったことも記憶に新しい。
私自身は特段そういった気質はないのだが、神社仏閣に行くのは独特の雰囲気が好きだし、初詣に行くことだってある。
せいぜいそれくらいの感覚なので、大安とか仏滅という言葉は聞いたことはあるけれども、いまいちよく知らない。
ということで、せっかくなので自分の頭の入れるためにも、このあたりを今回は書いてみようと思う。
カレンダーにある大安とか仏滅の由来
祝い事は大安にするのがいいという概念は、なんとなく多くの人の頭の中にあるはずだ。
カレンダーを見ると、大安以外にも先勝とか友引といった記載もある。
こういった表記を総称して、六曜(ろくよう / りくよう)とか六輝(ろっき)というそうなので、覚えておくといいだろう。
この六曜の起源については諸説あるが、中国で誕生したとされていて、いつから使われるようになったかは不明だそうだ。
そして、日本へは14世紀の鎌倉時代に伝わったとされており、江戸時代に流行した。
ただ、明治時代に社会が西洋化する中で、暦注は迷信であるとして使用を禁止された歴史もある。
その後、第二次世界大戦が終わると政府による六曜の統制が解除されているものの、今なお六曜の使用に関しては賛否両論あるという。
では、そんな六曜について、実際にはどういった運用がされているのか。
毎日の吉凶、つまり縁起の良し悪しを占う際の考え方というのが根本にある。
- 先勝
- 友引
- 先負
- 仏滅
- 大安
- 赤口
この順番で6種類の曜があり、それぞれの曜に意味がある。
カレンダーを見れば一目瞭然だが、基本的にはこの順番で六曜が記載されているが、まれに同じ六曜が続くことがある。
その理由は、旧暦では毎月1日の六曜が次のように決まっているからだそうだ。
- 1/1と7/1:先勝
- 2/1と8/1:友引
- 3/1と9/1:先負
- 4/1と10/1:仏滅
- 5/1と11/1:大安
- 6/1と12/1:赤口
現在の暦で旧暦の1日に当たる日には六曜がリセットされるため、同じ六曜が続くことがある。
例えば、現在の暦で2/10が旧暦の1/1だという場合を考えてみよう。
現在の暦で2/9の六曜が先勝だったとしたら、上記のルールから翌日の2/10は友引になるはずだ。
ところが、2/10が旧暦の1/1に当たる場合には、六曜が先勝に固定される。
ということは、2/9が先勝、2/10も先勝、2/11は友引という順番になり、2日連続で先勝が続くといった場面が登場するということだ。
六曜の読み方と意味
それでは、それぞれの六曜はどういう読み方をして、どういった意味があるのか、紹介しておこう。
先勝(せんしょう / せんかち / さきがち / さきかち)
先んずれば即ち勝つという意味を持っていて、万事に急ぐことが吉とされていることから、訴訟事に良い日とされている。
なお、時間帯によって吉凶が変わり、午前中は吉、午後2時(14時)~午後6時(18時)までは凶とされていることも併せて覚えておくといいだろう。
友引(ともびき)
勝負事で引き分けになる日(共に引き分ける)だといわれている。
現在は凶事に友を引くという意味が一般的で、葬式や法事は避けるべき日として認識されていることも多い。
友人を冥土に引き寄せる、つまり死に結びつけるという迷信があるからである。
時間帯別の吉兆は、朝が吉、昼が凶、夕方は大吉とされている。
先負(せんぶ / せんぷ / せんまけ / さきまけ)
先勝と真逆の先んずれば即ち負けるという意味を持つことから、勝負事や休養を避けるべき日だとされている。
万事に平静であることが良しとされている曜である。
時間帯別の吉兆は、午前中が凶で、午後は小吉とされている。
仏滅(ぶつめつ)
物事が滅する、終わるという意味を持っており、仏すらも滅する、終わる大凶日だとされている。
六曜の中では、最も縁起の悪い日とされ、婚礼を含む祝い事を避けるべき日だということは、認知されているのではないだろうか。
一方で、別れたい人と別れるときには最適とされており、また仏事にも適した日とされている。
大安(たいあん / だいあん)
大いに安しという意味を持ち、なにをするにも吉とされる日で、時間帯による吉凶の区別がない。
六曜の中で最も縁起が良い日とされ、結婚式を挙げる人が多いのは周知の事実だろう。
赤口(しゃっこう / しゃっく / じゃっく / じゃっこう / せきぐち)
陰陽道で縁起が悪いとされる赤下日(しゃくぜつにち)に由来しており、全てが滅びる凶日とされていた。
現在も火の元や刃物など、死を連想されるものに注意すべき日だとされている。
ただし、正午だけは吉ということも赤口の特徴である。
六曜と行事の関係性
もっと具体的に、どういった行事は良くて、どういった行事は避けた方がいいのかを列挙しておこう。
結婚式
大安が最も良いとされ、友引も友を幸せに引き寄せるという意味で良しとされている。
先勝や先負も問題なしとされているので、思ったよりも良しの範疇が広いことは覚えておくといいだろう。
一方で、赤口や仏滅は縁起が悪いとして避けられる傾向にある。
ただ、結婚式場では割引サービスを実施していることがあるため、あえて赤口や仏滅を選ぶ人もいる。
葬式
前述したが、葬式を避けるべきとされる六曜は、友引のみである。
そもそも友引の日は葬儀場が閉まっているため、葬式を行えないということは初めて知ったが面白い。
友引以外であれば、縁起の良い大安でも縁起の悪い仏滅でも問題ないとされている。
お参り
神社へお参りする際に六曜を考慮する必要はない。
大安を選ばれる人が多い傾向にあるが、六曜は宗教と無関係なので、いつでも問題ないとされている。
また、法要、お墓参り、七五三なども基本的には六曜を考慮する必要はない。
祝い事
祝い事は大安か友引が良しとされ、先勝や先負の場合は吉の時間帯に行うと良いとされている。
反対に、赤口や仏滅は避けるべきとされている。
引っ越し
引っ越しは大安が良しとされているが、その影響もあってか、引っ越し業者の価格も上がる傾向にある。
赤口や仏滅は避けるべきとされているが、結婚式と同様に引っ越し業者の価格が安くなるケースがあるため、気にしない人は選んでもいいかもしれない。
余談だが、建築業界には、三隣亡といわれている凶日がある。
その意味は、三軒隣まで滅ぼすほどの大火を起こすというものだ。
その理由から、六曜では大安の日であっても、三隣亡に当たる日は引っ越しを避けるという風習がある。
契約事
契約事は、大安が良いとされ、赤口や仏滅は避けられる傾向にある。
見舞い
見舞いは、大安や先負けが良いとされている。
一方で、赤口や仏滅は避けられる傾向にあり、友引も避けた方が無難だとされている。
友引を避けるべき理由は、引き分ける、勝負がつかないという意味から、病気が長引くと考えられるからということである。
まとめ
いかがだろうか。
私も全くといって興味もなかったし知らなかったことを40歳になって知ることになった。
今後の人生において役に立つかは別として、六曜を気にする人も世の中にはいるので、そういった人たちとコミュニケーションを取る際には、参考にしてもらえると嬉しい限りだ。
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