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2021年3月21日 投稿:swing16o

為虎傅翼(いこふよく)

虎に翼をつける意から、強い者にさらに力をつけること。

国の経済規模や強さの指標としてメジャーなものは、GDPだろう。

いわゆる国内総生産と呼ばれるもので、国内で一定期間の間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計金額のことだ。

簡単にいうと、日本が儲けたお金という理解でいいだろう。

日本の2020年のGDPは5兆4200億ドルで世界第3位の位置にいる。

2010年に中国に抜かれるまでは、世界第2位の地位を維持していたが、そこからはずっと低迷している。

成長率を見ると明らかで、2019年の成長率は約1.1%、2020年は0.6%の成長に留まるという予想だ。

日本をディスることはどうでもよくて、注目するのは中国だ。

 

中国GDP、米の7割に 20年14.7兆ドル

アメリカのGDPは20兆9349億ドルだが、中国のGDPがその70%に達したということだ。

2010年にはアメリカの40%程度しかなかった中国のGDPは、この10年で70%まで追いついてきたということだ。

このスピードがどれほどすごいことか、もっと注目されてもいいことなのだが、あまり日本では報道されない。

それどころか、いまだに中国に対してヘイトが多いのが現状である。

もちろん、まだまだのところもあるかもしれないが、個人的に中国に対しては肯定的な立場だ。

というのも、2011年から約2年の間、中国の上海で過ごした経験がある。

そのときの話をすれば、なぜそういう考え方を持っているのか、少なからず耳を傾けてくれる人がいるだろう。

 

2011年3月中旬くらいから、本格的に上海に家を借りて暮らすようになった。

オフィスは上海の南京西路にあり、その生活も慣れてきた頃だった。

九雌十雄という言葉でピンとくる人もいるかもしれないが、上海で盛り上がるシーズンの1つに上海蟹の旬の時期がある。

上海蟹のメスのシーズンは旧暦9月、オスが美味しいシーズンは旧暦10月といわれている。

10月のベストシーズンには雌の上海蟹が濃厚な黄色の卵をたっぷり抱えるようになり、11月頃には白子がたっぷり入ったオスの上海蟹が美味しくなる。

上海生活が始まって半年経った頃で、本場の上海蟹が食べられることを楽しみにしていた。

上海の夏も暑く、ようやく暑さが和らぎ始めた9月の上旬から中旬にかけてだったと記憶している。

オフィスビルの道路を挟んだ向かい側に小さな印刷屋があった。

名刺を作らないといけなかったので、その名刺を依頼しに1回だけ使ったことがあるお店だ。

そのお店の内装工事がとある金曜日の夕方に始まっていた。

半年以上も使っていなかったし、どうやって生計を立てているのだろうと不思議に思っていたお店だったので、いよいよ潰れたのかと仕事終わりにそのお店の前を通りながら思っていた。

その週の土日はオフィスに行く予定がなかったので、月曜日に出社したときにそのお店の前を通ると、お店の中に水槽が並んでいた。

それも1つや2つではなく、無数の水槽が何段にも並べられていて、熱帯魚のお店でも始まるものだと思っていた。

 

ところが、数日して驚きの光景を目にした。

まさに上海蟹のシーズンが到来するやいなや、その水槽の中には無数の上海蟹がいたのだ。

そして、その上海蟹を求めて連日多くの人で賑わっていたという記憶は鮮明に覚えている。

これだけだと、印刷屋が上海蟹屋に変わっただけのなんの変哲もない話だ。

上海蟹のベストシーズンはせいぜい12月頭までだ。

12月のとある金曜日、上海蟹屋の水槽には1匹も上海蟹がいなくなったと思ったら、内装工事が始まった。

と思ったら、週末を挟んだ月曜日には印刷屋に戻っていた。

そう、印刷屋と上海蟹屋の店主は一緒だったのだ。

ここで大陸的な商売方法を学んだ。

つまり、売れるものを売れるタイミングで一気に売るけれども、それを追いかけすぎない。

臨機応変なスピード対応というビジネスの根幹を目の当たりにしたことは、本当に良い経験だ。

 

上海で日本人が上海人を含めた中国人相手に商売をする難しさも同時に学び、約2年間は厳しい戦いが続いた。

だからといって、負けを認めるのは性に合わない。

日本で上海人を含めた中国人相手に商売をするのであれば勝てる自信もある。

もっというと、上海を含めた中国に対して再び勝負したいという想いもある。

そこにも、stakが一役買ってくれることは間違いない。

 

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植田 振一郎 Twitter

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