三千世界(さんぜんせかい)
→ この世のすべて。
三千世界とは、仏教における世界観で、正確には三千大千世界というらしい。
仏教において、1人の仏が教化する世界のことであり、仏教の世界観における宇宙の単位であり、世界は無数の三千大千世界から成るという。
仏教の世界観では、須弥山を中心として日、月、四大州、六欲天、梵天などを含む世界を一世界とし、一世界が1,000個集まったものを小千世界というそうだ。
そして、小千世界が1,000個集まったものを中千世界といい、中千世界が1,000個集まったものを大千世界といい、大千世界を三千大千世界ともいう。
その三千大千世界を略して三千世界といい、三千界ともいうこともある。
いずれにせよ、この世のすべてという意味に変わりはない。
とはいえ、この世のすべてと言われても、なんのこっちゃといったところだろう。
ということで、現在の地球という世界にはどれくらいの国と地域があるのかについてであれば、イメージしやすいだろうということで、まとめてみることにした。
世界の国の数
2022年(令和4年)5月16日時点で外務省のホームページで発表されているデータによると、世界の国の数は196ヶ国だ。
国連加盟国数は193ヶ国で、日本が承認している国のうち、バチカン、コソボ、クック及びニウエは国連未加盟となっている。
ただ、そもそも国とはなんなのか、説明できる人はあまりいないのではないだろうか。
国ができるまでの流れ
そもそも、国ができるまでには、3つの基本条件を満たさなければいけない。
- 領土を持っていること
- 領土で暮らす国民がいること
- 主権を持っていること
この3つがマストで、領土とは土地のこと、主権とはその国の政治について決定する権利を指している。
つまり、他国から支配されておらず、独立していることが条件の1つになるわけだ。
ただし、この3つの条件を満たしたとしても、別の既存国家からその存在を認められる必要があることは忘れてはいけない。
そして、他国の承認の形には、明示的承認と黙示的承認の2種類がある。
まず、明示的承認とは、承認の意を宣言や通告によってわかりやすく示すものだ。
もう1つの黙示的承認とは、宣言や通告は行わないものの、外交関係を樹立したり、国際的な機関への加盟に賛成したりすることで、承認の意を示すものを指す。
この承認の形は、どちらであっても構わないのだが、いずれかの承認は必ず必要になる。
それから、個別の国同士が承認し合い、外交関係を結ぶケースもあるが、より広く国として認められるために必要なのが、国際連合への加盟だ。
いわゆる国連だが、この国連に加盟できれば国際法による保護の対象になるだけではなく、世界銀行や国際通貨基金(IMF)など、様々な国際的仕組みを活用できるようにもなる。
国際連合加盟の流れ
国連憲章に、新たな国の加盟について明記されている。
それは、国連憲章に掲げる義務を受諾し、かつ国連によってこの義務を履行する能力があると認められるすべての平和愛好国に開放されるという内容だ。
具体的なフローは下記のとおりだ。
- 国連憲章の義務を受け入れることを正式に表明する
- 安全保障理事会にて、理事国15ヶ国のうち、最低でも9ヶ国からの賛成を受ける
- 総会で3分の2以上の国から賛成が得られる
- 承認決議が採択された日から、国連への加盟を認められる
なお、2.は常任理事国が反対していないことも条件となる。
常任理事国とは、中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの5ヶ国だ。
この中の1ヶ国でも反対すれば国連への加盟はできないため、常任理事国の意向が極めて重要な意味を持っているというわけだ。
豆知識として知っておきたいのは、国連が発足したのは1945年で、発足時に原加盟国として51ヶ国の参加だった。
その後、1961年には加盟国数が100ヶ国を突破している。
日本国はいつできたのか?
ここで、それなら日本という国は一体いつできたのか疑問に思った人もいるのではないだろうか。
実際、日本建国については様々な説があり、これというものはない。
とはいえ、祝日になっている建国記念日という日がある。
その名のとおり、日本という国が建国された日と捉えるのであれば、この日は紀元前660年に初代神武天皇が即位した日だと伝えられている。
となると、ここをスタートとして考えるのであれば、日本は建国してから、すでに2600年以上が経過しているということになる。
ちなみに、日本の初めての憲法となる大日本帝国憲法が発布されたのは、1889年のことだ。
これにより、日本は立憲国家として新たなスタートを切ることになった。
また、国連への加盟が認められたのは1956年のことだということも併せて覚えておくといいだろう。
新しくできた国となくなった国
それでは、実際にそんなに国が増えたり減ったりしているものだろうか。
新しくできた国
- クック諸島
2011年3月25日に日本が承認した国だ。
ニュージーランドと自由連合関係にあるクック諸島は、当然ニュージーランドとの結びつきが強く、独立国として見る国が少なかったという特徴がある。
新たな外交関係を結ぶとともに、日本は31ヶ国目の承認国家となった。
- 南スーダン共和国
2011年7月9日に日本が承認した国で、スーダンからの独立によって誕生したのが、南スーダン共和国である。
激しい内戦の結果、勝ち取った独立であったという背景もあり、南スーダン共和国が独立を宣言すると、日本を含めた国際社会が直ちに承認し、国連への加盟も認められている。
- ニウエ
1974年からニュージーランドとの自由連合のもとで、内政自治を行ってきたニウエだ。
日本は長くニュージーランド自治領の1つとして扱ってきたが、ニウエからの要請をきっかけに2015年5月15日に日本が承認した。
なくなった国
- ドイツ民主共和国
ドイツ連邦共和国(西ドイツ)とドイツ民主共和国(東ドイツ)は、1973年にそれぞれが国として国連へ加入している。
その後、1990年になってベルリンの壁が崩壊すると、ドイツ連邦共和国に統合される形でドイツ民主共和国は姿を消した。
- ユーゴスラビア
もともとは6つの共和国から成り立っていたのがユーゴスラビアだ。
徐々に解体が進み、1992年にはセルビアとモンテネグロで新たにユーゴスラビア連邦共和国を結成した。
その後、2003年に国家連合方式に移行したことでユーゴスラビアは消滅し、2006年にはセルビア、モンテネグロともに独立国家となった。
カントリーコードに記載されている50の地域
国とは別の概念として、地域というのがある。
そもそも、国と地域はISO 3166により定義されたカントリーコードで管理されている。
そのカントリーコードでは、249の国と地域で定義されており、上述してきた日本を中心とした視点と少々異なり、内訳は下記のとおりだ。
- 国際的に多くのの国から承認された国家:194ヶ国
- 国際的に多くの国から承認されていない国家:12地域
- 海外領土・自治領:50の地域
一般的に国家とわけられる地域は50あるとされるわけだが、50の地域には南極のように無人またはごく少数の一般住民しかいない地域が7地域も含まれる。
それらの地域を除くと43の地域となるため、43の地域と表現されることもしばしばある。
また、フランス領の5つである、レユニオン、グアドループ、マルティニーク、フランス領ギアナ、マヨットはフランスの海外県ならびに海外地域圏であり、行政的には海外領土ではない。
それから、カントリーコードに基づくトップレベルドメインを独自に持つ地域が1地域あり、その名はアセンション島で、行政的にはイギリス領のセントヘレナに含まれる。
まとめ
世界に目を向けると、249もの国と地域があるわけで、日本という1つの島国にずっといるだけでは、視野が狭くなってしまうことは理解できるだろう。
- 地球で最初に太陽が昇る国:キリバス共和国
- カリブ海の温泉リゾート:セントクリストファー・ネイビス
- 日本より裕福な東南アジアの国:ブルネイ
ちょっと挙げただけでも、どこにあるのかすら知らない場所は世界中にいくらでもある。
私が行ったことのある国と地域を挙げてみると、ドイツ、イギリス、台湾、韓国、香港、マカオ、中国、シンガポール、ベトナム、アメリカくらいだ。
複数回訪れている場所もあるが、エリアとしては10しかない。
海外への扉がようやく再び開きつつある今、飛び出さなければという自分がいるのは事実で、それを実現していこうと思っている。
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