山窮水尽(さんきゅうすいじん)
→ 苦境に陥り進退が窮まること。
企業の存続率は、設立して3年で65%、10年で6.3%、20年で0.39%、30年経つと0.025%といわれている。
つまり、創業から10年の間に9割近くの会社が廃業するということは、よく聞く話だ。
そして、創業から30年経つと、99%を超える会社が存続できていないことはビジネスをしていると、しばしば耳にする。
これが足かせとなって、起業に踏み切れないという人もいるようだが、それが本当の理由だとしたら本当にナンセンスだと個人的には思っている。
心の底からやりたいことがあるのであれば、思い切って起業すればいいと思う。
まあ、このあたりの話は結構していると思うので、今回は目線を変えて、1つの企業に注目してみよう。
今さら聞けないPinterest(ピンタレスト)ってなぁに?
ここ最近、様々な媒体で目にするようになったという人もいるかも知れないが、Pinterest(ピンタレスト)というサービスがある。
SNSの1つだという捉え方で問題ないが、2010年3月にアメリカでスタートしたサービスで、2013年に日本語版のサービスも開始している。
その最たる特徴は、インターネット上から好きな画像や動画を集め、自分専用のデジタルスクラップブックをつくり、他のユーザと共有するSNSという点だ。
サービス開始直後はそこそこ話題になった。
ところが、今やみなさんご存知の写真共有SNSの代名詞ともいえる、Instagram(インスタグラム)、2010年10月にリリースされると爆発的な人気を獲得し、Pinterestは影を潜めた。
ただし、Pinterest(ピンタレスト)のサービスは終了はおろか、縮小したわけでもない。
しっかりと地に足をつけてユーザ数も伸ばし、2022年12月時点でのMAU(月間アクティブユーザー数)は、全世界で4億5,000万人を超える。
また、日本でもMAUは、2021年に870万人に達したという発表がされている。
改めて、Pinterestの特徴を書き出すと下記のとおりだ。
- ファッション、家具、雑貨、レシピなどの様々なアイデアを検索できる
- 気に入った画像を保存してスクラップブックがつくれる
- 企業やクリエーターが画像などユーザがPin(ブックマーク)した画像が集約できる
こういった特徴から、2022年12月現在のPinterestは、SNSというよりも画像や動画に特化した検索サービスといった方がしっくりくるかもしれない。
Pinterest(ピンタレスト)の使い方
ということで、具体的にどうやってPinterestを使っていけばいいのか紹介していこう。
くり返しになるが、キーワードで検索してアイデアの参考にするというイメージだ。
例えば「旅行 広島」とか「簡単 朝ごはん」といったキーワードを入力すると、出てきた写真からイメージに近いものを芋づる式に探してオリジナルのアイデア集がつくれるといった具合いだ。
また、2021年には日本でテレビCMを開始し、認知度向上を図っていて、2022年6月には広告事業を開始した。
これにより、ようやく日本での収益化が始まったというわけだ。
つまり、アイデア集をつくるというユーザ側と写真や動画を投稿するというホスト側のいずれもメリットがあるというわけだ。
日本法人の社員数もこの1年で5倍になったといい、買いたいものを探すユーザが多いというPinterest(ピンタレスト)には、広告主からの注目も集まっている。
改めて、実際の使い方としては下記のとおりだ。
オシャレな机が欲しいと思ったとしよう。
オシャレな机と検索すると、いろいろな形状や素材、質感の商品が出てくる。
その中から気に入った写真をクリックすると、似たような形や色の画像が次々に出てくる。
使えば使うほど、その人に合ったアイデアを提供していくという、画像認識技術でレコメンドが裏側で行われているのだ。
Pinterest(ピンタレスト)の戦略と実態
上述したとおり、Pinterestが日本に進出してきたのは、2013年のことだ。
そこから約10年という月日が流れているわけだが、広告事業を立ち上げるまでに時間がかかった理由に、ユーザの囲い込みとコンテンツを増やすことに費やしたことを挙げている。
日本進出当初は結婚式や引っ越しといった、ライフイベントに関わるアイデアを探す人が多かった。
それが、コロナ禍でユーザ数がぐっと伸びたという。
レシピ、ファッション、ヘアスタイル、メイクアップ、さらには在宅勤務の環境づくりといった具合いに、日常のアイデアを探す人が非常に増えたのである。
オフィシャルの発表ではないにしろ、日本でのユーザ数が870万人を超えたというのも述べたとおりだ。
また、Pin(ピン)と呼ばれる、いわゆるブックマーク(お気に入り保存)されている画像の数は日本だけでも、300万/日になるという。
Instagram(インスタグラム)との比較
こうやってPinterestのことを書いていくと、どうしても他のSNSと比較されることになる。
とりわけ、Instagramとはなにが違うのか気になる人も多いと思う。
Pinterestは、自分たちの立ち位置をビジュアル探索エンジンと呼んでいる。
ライフイベントや日常生活において、次にやりたいこと、試したいこと、購入したいもののアイデアを探すプラットフォームだと考えているというわけだ。
一方で、SNSは過去に起きたことを写真や動画などで投稿したり、今起きていることに対する意見を発信するのが基本だ。
そして、人と人との繋がりや自己顕示欲がベースになっている。
Pinterest(ピンタレスト)は、どちらかというと、個人がやりたいことを見つける場所なのである。
確かに、他の人のリストを見て探すソーシャル性もあるが、パーソナルな側面が強い。
また、従来型の検索エンジンとも少し違っていて、なにか正解を見つけるのではない。
セレンディピティ、つまり偶然、自分が知らなかった新しいアイデアを発見するためのプラットフォームなのである。
さらに、Pinterestで商品を見て買うという人も多い。
このことから、ソーシャルとサーチとコマースの交差点とよく表現しているのである。
Pinterest(ピンタレスト)の広告事業の可能性
2022年6月から広告事業を開始し、その後の状況は、大手ブランドから中小のDtoCまで、幅広い広告主に出稿をしてもらっているという。
ブランドや商品を認知してもらうところから、購入の後押しをするところまで、マーケティングの上流から下流まで使えるところが訴求できていることが大きいと分析している。
Pinterestでの検索キーワードの97%が、非ブランド指名検索というのも大きなポイントだ。
つまり、オシャレ 机のようなビッグワードが多く、キーワードにブランド名や商品名を含んでいないのである。
漠然と次に買いたいものや行きたい旅行先などを探している人が多く、ウィンドウショッピングに近い感覚だと思えばいいだろう。
この特性から、広告主は既存顧客ではなく、新規の人にメッセージを伝えられるのだ。
しかも、新しいアイデアを探すユーザは意欲的で能動的なので、探して終わりではなく、次のアクションである購買に繋がるユーザが多い。
実際、Pinterest(ピンタレスト)では、ユーザの83%がPinterestで見つけたコンテンツに基づいて、商品を買ったことがあるというデータがある。
また、Pinterestユーザはそうでない人に比べて、消費金額が約2倍というデータもあるのだ。
まとめ
Pinterest(ピンタレスト)についてまとめてみたが、いかがだろうか。
私自身も正直ほとんど使ったことがなかったのだが、可能性を感じてしまうところが非常に多かったように思う。
具体的にどうすれば上手く活用できるか、なんとなくのイメージではあるが、早速、stak, Inc. の事業においてもなにかしら使っていこうと思っている。
stak, Inc. のメンバーからPinterest(ピンタレスト)に関するブログがあがってくるかもしれないので、是非注目していただきたい。
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